先日、東京から出張に来た先輩が私の席によってくれた。

 先輩は来年に息子さんが中学受験をするとかで、私の母校の説明会に参加してきたという。年間行事やら、先生の様子やら、校風やら、進学実績などなど。実際どうなの?と私の意見を聞いてきた。私が在籍した20数年前の母校は、スーパーヤンキー高校から進学校へ変わりゆく過渡期の時期であり、中堅進学校たる現在の実態とは大いに違う筈だ。その中でも私は割とアウトサイダーな部類の生徒だったので、ハッキリいってあまり参考になるようなことは言えなかった。…それにしても真剣に先輩が話すので、この人も子供のこととなると真剣だなぁ、と内心ニヤニヤしてしまっていたが、とりあえず真面目に考えているように装った。

 その先輩は入社当時同じ職場だった人で、昔はよく一緒に遊んだ。公私に渡って色々とお世話になった、頭の上がらない先輩である。そして、もともとは田舎の超不良だったのに、なぜか嵐の桜井と大学は同窓、というインテリヤクザみたいな人である。そしてエロい。エロいのはたぶんそのままだが、窓際を防衛するスローライフな私とは対照的に、その人は今や本社でバリバリと出世街道を邁進している。

 先輩の結婚が決まった十数年まえ、独身ラストということで、週に2-3回、仕事後に一緒に飲みに行った。時にそれはサシ飲みだったり、合コンだったりしたのだが、二次会は決まっておっぱいパブ(以下OPと称す)だった。

 OPとは、一応飲食店の形式をとっているのだが、女が跨ってきて、酒を飲みながらおっぱいを揉むという、客観的にみると何だかアホみたいなことをする店である。そのアホみたいなことをしている姿を見せあうということが、なんだかオモロく、我々は飽きもせずOPに良く行っていた。 大体当地では50分で6000円~8000円位で、その間に女の子は2~3回転する。何故だか、そのころ当社の若手は飲み会があると、まるで義務のように二次会はOPに行くというのがお決まりコースだった。そして3次会でまたどこかに集まり、女の子からもらった名刺を見せあい、被っていると「乳兄弟(ちきょうだい)だな!」などと言って謎の絆を深めていた。そんなアホで幼稚なことをしていた若手時代であった。

 話は戻るが、その先輩との独身ラスト飲み会も、その流れに則り、毎回、サシ飲みor合コン⇒OP⇒合流してOPの反省会、というコースだった。なんの実りもない刹那的な飲み会を数か月繰り返した。なんの実りもない、と書いたが、何故だかそんなくだらないことでも積み上げれば思い出となるもので、何だか、その先輩とはお互い金玉を握り合ったような絆があり、いまだに仲良くさせてもらっている。…と長くなったが、私はその先輩とさんざん遊んできたので、先輩のエロさ(といっても、ちょっとエッチな可愛いお遊びが好きだった、くらいのもんだがww)やオモロさ、凶暴さを知っているので、なんだか真剣な顔でご子息の教育について悩む顔を見ていたら内心笑えてきてしまったのだ。OPでモミまくってた人がお受験の説明会かよw wと。

 

 子供のこととなると、みんな真剣になるし、別人のように真面目な顔になるものなのだなぁ。私も自分の親の、私の知らない顔がどんなもんかわからんが、少なくとも私には真剣になってくれたからこそ、とりあえず私はいまこうして何とか真っ当に生きていられる。

 私も脛に傷が全くないとは言わないし、OPもフーゾクも大好物だし、窓際サラリーマンだけど、子供に対しては真剣に、真面目にありたい。先輩との再会を通じて思った。

 そのためにもオナ禁100日修行は必ずや達成し、息子が誇れるような、ムスコを手なずける親父となる所存である。よし禁欲35日目だ!