豊かな大人が教える「20代の頃から知っておくべきこと」3
若いときから最も育んだほうがいい能力とは何か?20歳を迎え、社会人として20代を歩き始めても、その先も、学生の頃と同様に、あなたに「あれこれ言ってくる“目上”の人たち」は立ちはだかるものです。「言う大人」と「言うことを聞かない若者や子ども」という構図――これは昔からある“大人 vs 子ども”の典型的な論争です。そしてこの論争は、20代以降の社会でも引き続き見られます。私と同じ40代前後の人たちは、上司として若者と接する機会も多いと思います。その中で多くの人が抱える悩みの一つは、「若者が言うことを聞かない」ということかもしれません。ここでひとつ、この論争に対する結論を書いておきたいと思います。これは、20代のうちから知っておいた方がいい、非常に重要な視点です。“言うことを聞く・聞かない”というのは、イコール「相手に従うかどうか」の問題ではありません。**「相手の言っていることに繊細に耳を傾け、その奥にある本質を理解しようとする能力」**を育めるかどうかが本質的テーマです。詳しく説明します。誰か目上の人に何かを言われて、それが嫌だと感じることがあるかもしれません。でも、それは正確に言うと「相手の話を、自分が納得できないまま従うのが嫌」なのであって、「相手の話を聞くこと自体が嫌」というわけではないのです。では「相手の話を理解から納得へ持っていく」のは誰か?――それは、あなた自身です。世の中には、話が分かりにくい人、説明が下手な人、主語が抜けている人、遠まわしに話す人、本音をなかなか言わない人……色んな人がいます。そういう人たちにいちいち目くじらを立てても意味はありません。理由は、きりがないからです。私の経験から言うと、「分かりやすく説明できる大人」なんて、ほとんど存在しません。だからこそ、必要なのは「従うか従わないか」ではなく、「この人は結局、何を言いたいのか?」「どんな気持ちでこの言葉を発しているのか?」といった“心の奥”に耳を澄ます力を養うこと――それが、もっとも大切なのです。私の体験として「耳で人生が決まる」と言っても過言ではありません。相手の言葉を表面的に受け取って、反射的に言い返してしまうような人は、世の中にたくさんいます。もしかしたら、あなたの親もそうだったかもしれません。でも、一流の人は違います。彼らは、人に何かを話しかけるとき、その人が“優れた耳”を持っているかどうかを、当然のようにみています。一流の人が見ているのは、「話しかけたときにどんな返事が返ってくるか」ではありません。「話しかけたときに、どのようにその話を聞こうとしているか」――そこに意識を向けています。なぜなら彼らは、部下や後輩、教育対象としての相手と向き合っていることが多く、彼らは一流ですから、話しかけたことに優れた返事を期待しているわけでもありません。優れた答えは、彼らが持っていて、教えることができます。そのため、話しかけた時に求めているのは、優れた答えより、**「聞く時の所作や聞く姿勢」**を重要視しているのです。耳さえあれば、教えることはいくらでもできるからです。“人の話をよく聞く”というのは、「人の話に従え」という意味ではないのです。“聞く”というのは、言葉の表面だけでなく、その奥にある心情や背景、感情の機微にまで耳を傾けようとすることです。(ここで大切なのは、「できるかどうか」ではなく、「耳を傾けようとしているかどうか」です)20代のうちからこの“優れた耳”を育てること。それが、あなたの人生にとって大きな財産になります。(続きそう)