■人は、無意識にも「好み」から学んで失敗する
どの分野においても、人は、新しい手法を得ることによって進化発展してきました。
「独自に編み出す」という響きが好きな方もいるかもしれませんが、天才といわれる人は「他者の優れた点をリサーチし、それを自身の活動に取り入れる」ことに天才的です。
つまり、進化発展とは、広く世界を見て、自信のやり方やこだわりの形に囚われず、何かと何かを繋ぎ合わせて調和をもたらし、新しい跳躍をすることです。
それらが阻害されることが「我」であり、「我を捨てなさい」とよく言われるのは、それが人としての進化発展や新しい体験の障壁となることを表しています。
自分が何かを成し遂げようとすると負けん気も出ます。自分の方が優れていると言いたくなることもあります。そうすると「我」が出ます。すると、身体に余計な力が入り、肉体と精神を病み、行き詰ります。これは5つある心のトラウマの1つから起こる形です。
さて、行き詰まりのパターンは、多々ありますが、そのあらゆるパターンに陥らない方法が1つあります。
それは「常に新しい手法を得て、体験と進化のサイクルを回す」ことです。
これは、この世界の不変の仕組みですので目にした方は、忘れないで押さえておいてください。
そして、常に新しい手法を探求してきた自身の体験から「新しい手法を求めるなら中途半端なところではなく、常に一流に学べ」ということです。
ただ、本題はここからです
「一流から学んだ方がよい」というのは、理論的には当たり前のことですが、問題は人には「好み」があるということです。
●「好み」というあやふやなものの調整
ここで説明しなくてはいけないのが、人生における「理論と好み」のバランスの取り方です。労働者社会の義務教育では、これを教育課程で全く教えていないのでここに記します。
例えば、家を建てるとき、自分の好みの家を建てても構いません。色、屋根の形、部屋の配置や壁紙など、好きな予算で好きな家を建てたらよい話です。
ですが「好み」を持ってこられては困る部分があります。それが基礎とか柱とか、家の耐久性を持たせるために理論的に必要な骨組みです。その「好みを持ってこられては困る部分」に好みを持ってこられると、家がめちゃくちゃになります。
この話から、まず「理論と好み」のバランスが私たちの日常に混在していて「混ぜると危険」であることが分かりますね。
しかし、これが「学ぶ」という行為にも当てはまるということを教わっていません。簡単に言いますと「人は、自分が好むものから学んでしまう」ということです。
そのよい例が「親」です。子供は、親を愛し、親しみ、好んでいます。結果、親の悪い癖も学んでしまいます。親がよく「この子は、私の嫌なところがそっくりだ」と言うのも、「人は、無意識にも自分の好みで学んでしまう」のが原因です。
ここで言えるのは「好みと学びは、混ぜるな危険」です。親と同じで、自分が好ましいと思う相手が、最も理想的な学びをくれるとは言えません。親子関係で苦しんだ人は、それを教訓として忘れてはいけません。
「学び」という骨組みは、一流から学ぶことが必要です。「ここだけは、一流に頼め」という部分です。そのうえで、自分の好みを生きるんです。絶対に、学びを好みで選んではいけません。人生がめちゃくちゃになります。
なぜかというと、この「好み」というのも厄介なもので、自分が好みと思ってるものが本当は自分の好みではなく、他人の好みであることもよくあるんです。これはややこしいので、またお話しします。
人には好みがたくさんあります。
カジュアルが好き、エスニックが好き、なんでも構いませんが、学びは「ラグジュアリー」を選べ!です。
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