みなさん、おはようございます。
元銀行員の中小企業診断士で産業カウンセラーの
「しゅんさん」こと本多です。
昨日の日経新聞の記事で、
「銀行カードローン高水準」がありました。
私は以前から、このカードローンや事業性ローンの
問題点について指摘してきました。
記事によると、今年3月末の銀行と信用金庫の残高合計は
前年同月比9%増の6兆2107億円で、
1999年以来の高水準になったそうです。
私は今まで何度も、経営相談で資金繰りに行き詰まった人の
話を聞くと、多くの人は銀行などのカードローンを
極度額(借入可能額)いっぱいまで使っています。
しかも、1枚ではなく複数枚もっています。
そのような方は、取引銀行に融資相談して
「もう限度いっぱいですので、こういう商品があります」と
勧められて、つい借りてしまいます。
それがすぐに極度額いっぱいになり、取引銀行から断られて
取引のない銀行に相談したら、同じようなカードを進められて
2枚、3枚となります。
さらにカード以外にも事業性ローンを提案されて、申し込みます。
いずれも金利は相当に高く、10%を超えます。
ちょっと、考えてみましょう?
皆さんの事業の経常利益は売上高に対して何%ですか?
これを売上高対経常利益率と言いますが、売上の何%が利益に
なっているかというものです。
先ほどローンの金利が10%以上と書きました。
皆さんの仕事の売上高経常利益は何%でしょうか?
10%を大きく超えていますか?多分そうではないでしょう?
そういう状況で10%を超える借り入れは良いと思いますか?
まだカードの枠がある間は、危機感を持っていない人が・・・
銀行に行って、次のカードやローンの申し込みをしたところ
「極度いっぱいです」と断られて、資金繰りに行き詰まり
最寄りの商工会などに相談して、私のところに回ってきます。
その方の状況によって対応は様々ですので、
ここでは省略しますが、いずれの場合も早めの対応が必要です。
一番の問題は安易にそのような借り方をすることなのですが、
そういう借り方を勧める銀行なども問題です。
一度そういう借り方を知ると、限度いっぱいになってしまうと
麻薬中毒と同じで次に貸してくれるところに借りに行きます。
それもすぐに限度になり、
一番怖いのは闇金などからさらに高い金利で借りてしまうのです。
大事なことは高金利で借りてしまったら売上・利益を上げて、
少しずつでも返済を進めていくのが必要ですが、
高金利の借り入れを返済することに焦点が当たってしまい、
本業に集中できなくなり、さらに業績は悪くなります。
そんなことは銀行員は考えずに、自分のノルマのために
カードローンなどを勧めてきます。
今さらながら金融庁も問題視し、銀行協会も自粛を求めて
来ていますが、基本私企業ですからそこは期待できません。
この記事をご覧いただいたみなさんは、これからそういう提案に
乗らないようにしてください。
もしも、すでにそういう借り方をしている方はなるべく早めに
商工会議所や商工会などにご相談することをお勧めします。
弁護士や司法書士に相談する方法もありますが、
良い弁護士などに当たればいいですが、中には自分の利益を
重視する人もいて、安易に破産を進める人もいます。
そうなると結局は銀行などに払えたお金の一部を弁護士などに
払うことになって、しかも破産者としてのブラック情報が残ります。
くれぐれもそうならないように・・・
クレジット、ローンの利用は計画的に!(←CMか?(笑))。