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前回は「2.経営者保証の準則(1)」を書きました。今回は続きを書きます。
原文
(2)このガイドラインに基づき経営者保証に依存しない融資の一層の促進が図られることを期待されるが、主たる債務者である中小企業の法人個人の一体性に一定の合理性が認められる場合において経営者保証を締結する際には、主たる債務者、保証人及び対象債権者は、このガイドラインに基づく保証契約の締結、保証債務の整理などにおける対応において誠実に協力する。
解説
このガイドラインに基づいて、経営者の保証に依存しない融資の促進が図られることを期待しているが、借入している企業(債務者)と経営者が事実上一体であると認められる場合は、必ずしもガイドラインに沿ってなくてもやむを得ないけれども、なるべくそれに合わせるように、協力してください。
言い方を変えれば、企業=経営者とみられるケース。例えば、事業を行う会社や工場などが経営者の名義になっている場合や、会社に対する貸付や借入などが多く、公私の区別がついてない場合などはこのガイドラインの適用の範囲ではないと考えますが、その場合でもなるべくガイドラインを参考にしてほしいと言うことを書いていると解釈しています。
次に・・・
原文
(3)主たる債務者、保証人及び対象債務者は、保証債務の整理の過程において、共有した情報において相互に守秘義務を負う。
(4)このガイドラインに基づく保証債務の整理は、公平衝平を旨とし、透明性を尊重する。
この内容については、特に解説は必要ないかなと思いますので、省略します。
3.このガイドラインの適用範囲となり得る保証契約
原文
このガイドラインは、以下のすべての要件を充足する保証契約に関して適用されるものとする。
(1)保証契約の主たる債務者が中小企業であること
(2)保証人が個人であり、主たる債務者である中小企業の経営者であること。ただし、以下に定める特別の事情がある場合又はこれに準ずる場合については、このガイドラインに適用対象に含める。
①実質的な経営権を有している者、営業許可名義人または経営者の配偶者(当該経営者と共に当該事業に従事する配偶者に限る)が保証人になる場合
②経営者の健康上の理由のため、事業承継予定者が保証人となる場合
(3)主たる債務者及び保証人の双方が弁済について誠実であり、対象債権者の請求に応じ、それぞれの財産状況等(負債の状況を含む。)について適時適切に開示していること
(4)主たる債務者及び保証人が反社会勢力でなく、そのおそれもないこと
解説
このガイドラインは以下の要件を満たす保証契約に関して適用されます。
(1)借入を行う者が中小企業である。これは国の基準で中小企業が規定されており、この基準の企業が対象となります。
詳しくはこちら↓
http://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html
(2)保証人が個人であり、借入をしている中小企業の経営者。ただし、次に定める特別な事情がある場合は経営者に準じるものとして、このガイドラインの適用対象に含めます。
①実質的な経営権を有している者とは、商業登記簿謄本の登記上では経営者ではないけど、実際に経営を行っていると客観的に判断できる者。具体的には、前社長が代表権のない取締役や相談役に就任しているが、現在の代表取締役は前社長の意向に逆らえない場合などが想定されます。
また、事業を行うに必要な許可・認可などを取得している者や、個人事業主や家業レベルの企業が夫婦で経営を分担しているなどの経営者の配偶者が保証人になるケースなど。
②①とは逆に、登記上は代表権がなかったり、取締役にも就任していないけれども、代表取締役などの経営者が高齢や病気などで経営を事業承継予定者に任せている場合にその者を保証人とする場合
(3)借入を行う者(債務者)とその保証人が、返済や資産や負債の状況などを誠実に債権者である金融機関に対し必要に応じ、または金融機関が求めた時などには隠さずに開示している場合にこのガイドラインの適用対象になります。
言い方を変えると、現預金や不動産、有価証券などの資産や借入金や保証債務などを金融機関に知らせていない場合や、求められても正確な事を隠したりしている場合は、ガイドラインは適用されないと言えます。
(4)は当然のことで特に解説の必要はないと思いますので省略します。
長文をご覧いただき、有難うございます。
少し時間がかかっているので、今後ブログの更新頻度を上げようと思いますので、良かったらご覧いただけたら嬉しいです。
なお、この解説はあくまでも私が受け止めた、個人の解釈による解説ですので、その点をご了承ください。