「ホワイト・アルバム」ナンバーの検証(第1回) | ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド

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THE BEATLES PERFECT JAPANESE RECORD GUIDE(BPJRG)を目指して、研究しています。

巷では「ビートルズ1」発売でにぎわっている今日この頃ですが、地道にアナログ盤の紹介をしていきます(^.^)
最近、ビートルズ及びソロのレコードを取り上げていませんので、久しぶりのビートルズのLPカヴァーに関する記事をアップします。681122日は、ビートルズの2枚組LP「ザ・ビートルズ」(通称「ホワイト・アルバム」)がUKで発売された日です。発売47周年記念?として「ホワイト・アルバム」について、カヴァーに印刷された限定番号、シリアル・ナンバー(以下、ナンバー)の検証を、数回にわたり取り上げていきたいと考えています。
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UK盤やUS盤のナンバーについてはかなりの調査が進んでおり、ロー・ナンバーの配付先、番号の重複等について調査されています。本LP発売当初は、世界に1つしかない固有のナンバーと言われていましたが、現在ではUK盤、US盤の、特にロー・ナンバーについては、2国間の重複番号は存在することが一般的に知られています。しかし、日本盤についてはほとんど調査がなされていないのが現状だと思います。そこで、本ブログのテーマである日本盤に特化したナンバーについての検証をします。
検証を開始する前に、日本で発売された「ホワイト・アルバム」のカヴァー及び帯のヴァリエーションを見てみましょう。今回取り上げるのは、カヴァーにナンバーが印字されたLPに限定します。ナンバーが印字されたカヴァーのヴァリエーションは全5タイプ存在し、そのうちタイプ1とタイプ4には帯の違いによるヴァリエーションが存在しますので、帯も含めた違いによる分類では、以下の全8タイプになります。
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【タイプ1
(タイプ1A)
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(タイプ1B)
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(タイプ1カヴァー裏)
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69121日に発売された初回盤には、アップル・ロゴ部分が左右に飛び出た丸帯が付けられていました。これをタイプ1Aとします。カヴァー表中央には、「THE BEATLES」の文字が若干右上がりでエンボス刻印され、右下方にナンバーが表示されています。レコード番号はカヴァー背の部分の表示のみです。カヴァー裏右下には2行にわたり会社名「東芝音楽工業株式会社」と。「MADE IN JAPAN」の表示、丸で囲まれたアルファベット「H」と価格「¥4,000」が表示されています。
その後73年頃、既発売LPがフォーエヴァー帯に変更され再発されましたが、本タイトルについてはカヴァーのレイアウト、表示文字には変更はありませんでした。これをタイプ1Bとします。タイプ1A1Bの違いは帯のみでカヴァーはタイプ1で全く同じですので、丸帯とフォーエヴァー帯の変更時期を正確に区別することは困難です。出荷時期により、丸帯とフォーエヴァー帯が混在した時期があったことも十分考えられますので、明確に何番までは丸帯、何番からはフォーエヴァー帯と区別できないと思われます。また、帯の差し替えの可能性もあるとは思いますが、番号と帯が逆転しているレコードも確認できます。
 
【タイプ2
(タイプ2カヴァー裏)
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フォーエヴァー帯発売時期に会社名変更と価格の変更が実施されましたので、フォーエヴァー帯には表示の異なる3種類のカヴァーが存在します。いずれもカヴァー裏右下の会社名と価格表示の違いになります。73101日の東芝音楽工業から東芝EMIへの会社名変更に伴い、タイプ1のカヴァー裏の「東芝音楽工業 H 4,000」表示が、「東芝EMI H 4,000」に変更になりました。このカヴァーをタイプ2とします。下記のように、タイプ2は実質2ヶ月程度しか製造されなかったことになりますので、タイプ2の価格表示部には価格改定シールが貼られたものが多いです。上記写真も、シールを剥がしたものになります。
 
【タイプ3
(タイプ3カヴァー裏)
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会社名変更2ヶ月後の73121日にレコード価格が変更となり、2枚組LP4000円から4400円へと値上がりとなりました。この変更に伴い、タイプ2カヴァー裏の「東芝EMI H 4,000」表記が、「東芝EMI H 4,400」へと変更になりました。このカヴァーをタイプ3とします。他のタイトルで確認している、フォーエヴァー帯のヴァリエーションである東芝EMIの会社名が印刷された補充注文票が付いた帯は、このタイトルでは確認していません。
 
【タイプ4
(タイプ4)
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(タイプ4カヴァー表)
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(タイプ4カヴァー裏)
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(タイプ4帯表)
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766月より、ビートルズのLPは順次国旗帯へと変更となりました。国旗帯は既発売LPをランダムに3回に分けて発売されており、「ホワイト・アルバム」は、1回目の7665日に発売されています。なお国旗帯になって初めてレコード番号が変更されました。価格も4600円に値上がりしています。カヴァーの変化ですが、カヴァー表の右上にレコード番号が表示されるようになりました。当初、『カヴァーには「The BEATLES」の文字と限定番号だけ』というコンセプトがあったと思うのですが、ここに来てそのコンセプトが崩れました。
カヴァー裏には会社名等が印刷されていますが、表示位置がタイプ3までの右下表示から左下表示へと変更されています。また、この頃はカヴァーヘの価格表示がされなくなっており、国旗帯タイプのカヴァー裏左下には、会社名「東芝EMI株式会社」、「MADE IN JAPAN」の文字と、それに続く丸で囲まれたアルファベット「I」のみが表示されています。このカヴァーをタイプ4とします。
7665日の第1回に発売されたタイトルの国旗帯には、帯の裏に他のタイトルのLP広告が印刷されていない帯裏ブランク・タイプが存在します。このタイトルにも存在し、これをタイプ4A、通常の帯裏広告印刷タイプをタイプ4Bとします。
さらに、8941日の消費税導入後に発売されたLPの帯表上部の価格部には、「税込価格4,336円(税抜価格4,210円)と消費税価格が印刷されています。これをタイプ4Cとします。このタイプが、ナンバーが印刷されたカヴァーの最終タイプとなっています。その後、93年以降に発売された再発盤にはナンバーは付けられていません。
(タイプ4A帯裏)
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(タイプ4B帯裏)
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(タイプ4C帯表)
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【タイプ5
(タイプ5)
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(タイプ5カヴァー表)
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(タイプ5カヴァー裏)
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792月に、「プリーズ・プリーズ・ミー」から「レット・イット・ビー」までの12タイトル13枚と、「レアリティーズ」の計13タイトルをカートン・ボックスに納めた「ビートルズ・コレクション」が発売されました。この中の「ホワイト・アルバム」にもナンバーは付けられています。このカヴァーをタイプ5とします。発売時期では、タイプ4Cよりもタイプ5のほうが先になります。
このボックス・セットには新たなレコード番号が付けられ(本タイトルは「EAS-50039-40」)、国旗帯と同様、カヴァー表右上にレコード番号が表示されています。時々、単品で販売されていることもありますが、このカヴァー表の番号で判別できます。また、カヴァー裏の表記も国旗帯のタイプ4とは若干異なり、記号「I」の右横に、四角で囲まれたカタカナ「ア」が追記されています。この「ア」の意味するところは、アルファベット記号と同様、よくわかりません。なお、ボックス収納の個々のLPには、帯は付けられていませんでした。
ボックス・セット「ビートルズ・コレクション」は82年にもレコード番号を変更し、レーベルもEMIオデオン・レーベルに変更されて販売されましたが、この中に収められた「ホワイト・アルバム」にはナンバーは付けられませんでした。また、82年、86年に販売されたモノラル盤にもナンバーは付けられていません。
次回は、各タイプがそれぞれ何枚程度プレスされたのか推測します。