ビートルズ日本公演プログラム | ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド

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THE BEATLES PERFECT JAPANESE RECORD GUIDE(BPJRG)を目指して、研究しています。

ビートルズ日本公演月間?、48周年記念特集の第2弾、日本公演武道館プログラムについて報告します。プログラムのオリジナルとレプリカの違いについてです。
プログラムには数多くの復刻版、レプリカが存在します。主なものは、当時のビートルズ・シネ・クラブ(BCC)が製作したもの、レコード会社が製作したものがあります。今回は、私が確認できた情報を中心に、オリジナル版とレプリカの見分け方を報告します。ここで、当方所有のプログラムですが、以下の4種類あります。
 
 ・オリジナル
 ・レプリカ・タイプ1:レコード会社(東芝?)製作
 ・レプリカ・タイプ2BCC製作
 ・レプリカ・タイプ3:テイチクLP「トーキョー・デイズ」付属
 
(右より、オリジナル、タイプ1、タイプ2、タイプ3
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レプリカのタイプ1は、70年代にレコード店等で販売?配布?されていたプログラムのようです。当時、プログラムが当たる懸賞があったことは確認できていませんので、ビートルズのレコード販促のためのグッズとして製作されたものでしょうか?(ビートルズ来日10周年記念?) とすると、製作には東芝が絡んでいたとも思うのですが…?
タイプ2は、BCCが製作し、通販や復活祭会場等で販売したものです。70年代から80年代にかけて、何度も製作・販売されたようです。私も復活祭で購入しました。
タイプ3は、86年に来日20周年記念でテイチクより発売されたLP「トーキョー・デイズ」に付属していたプログラムです。
 
それではここから、各タイプの見分け方について述べます。印刷の色合いや紙の質など、細かい点を上げればきりがありませんので、見た目で容易に判断できる、大きな相違点についてまとめました。相違は以下の4点です。
 
①裏表紙の「中部日本放送」及び「a.murakami」の表示の有無
②広告(「東芝音エ」・「日本航空」・「ミュージック・ライフ」・「TESCOギター」・「ライオン「ban」」)ページの有無
③文字のフォント(表表紙見返しの公演日程、中央見開きの東芝音工広告)の違い
④「ban」広告の文字の鮮明度と全体の大きさ(裏表紙見返し左ページ)の違い
⑤発行者等が記載された奥付の有無、違い
 
①オリジナルには、裏表紙中央のビートルズ・ロゴの下に主催の「中部日本放送」の文字が印刷されていますが、BCC製作のタイプ2では、この文字が印刷されていません。また、裏表紙左下に表示されているデザイン担当の村上明氏の名前「a.murakami」も、タイプ2にはありません。
(右:オリジナル、左:タイプ1
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②同じくタイプ2では、ビートルズに関するページのみを残して、極力広告等の関係のないページは省いて製作していますので、オリジナルにある中央見開き部分の東芝音工の広告、日本航空、ギターやライオンの広告等がありません。従って、表裏表紙を含めたプログラムのページ数がオリジナルの34ページに対し、タイプ2では28ページしかありません。また、オリジナルでは「ビートルズの年代譜」がプログラムの最後の方(前座の紹介の次)に別刷りの青色の紙で綴じ込まれていますが、タイプ2では別刷りではなく、中央付近のページに印刷されています
 
以上のように、BCC製作のタイプ2の違いは一目で判別することができます。しかし、ここで問題は、タイプ1のように、①②の省略がなく、ざっと見た限りページ数などの外観はオリジナル版と全く同じレプリカが存在することです。しかしよく見ると、タイプ1もオリジナルとは異なる点が見られます。
 
③表表紙をめくって、その裏の見返し部分に書かれた公演日程等の文字の大きさやフォントが異なります。「THE BEATLES LIVE IN JAPAN」の文字と、その下の公演日、公演時間は、オリジナルのほうが大きいです。日本語で書かれた「ザ・ビートルズ日本公演」の文字の大きさも異なります。ここでオリジナルのフォントをフォントA、レプリカをフォントBとします。なお、BCC製作のタイプ2については、この部分のフォントに関してはオリジナルに忠実に再現しており、フォントでの見分けは付きません。
(上:オリジナル、下:タイプ1
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また、フォントについては、タイプ1の中央見開き部の東芝音エ「ヤァ!ヤァ!セール」広告のフォントや文字の間隔もオリジナルと異なります。特に見開き右ページのレコード・タイトルの文字フォントが異なります。おそらく、復刻時に文字を打ち直したのでしょう。
(左:オリジナル、右:タイプ1
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④裏表紙の見返しページの左ページに印刷された広告です。ライオンの「ban」の広告で、この商品は脇の下用の防臭ロールですので女性が左手を上げていますが、オリジナルでは左手がすべて写っているのに対し、タイプ1ではひじの部分が上部で切れています。タイプ1の方が、全体的に広告が拡大されて印刷されているためです。
(上:オリジナル、下:タイプ1
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さらに、この広告はその女性の写真の上に広告の文字が印刷されており、新たに文字を打ち直すことが困難であったためか、タイプ1では広告をそのまま画像でコピーしたと思われ、文字がぼやけているのがはっきり分かります。オリジナルは全くぼやけてなく、文字がはっきりと印刷されています。また、このページの色調も異なります。
(上:オリジナル、下:タイプ1
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他にも、メンバー4人の顔上半分の写真が印刷されていますが、レプリカでは影がつぶれており、この写真を始め、写真の鮮明度は当然のことながらレプリカのほうが劣っています。
 
⑤オリジナルには、前座アーティスト紹介ページの下方に、発行者等が書かれた奥付がありますが、この部分が異なります。タイプ2ではこの奥付になにも印刷されていません。また、タイプ3では印刷会社名の下に「協力/テイチク」と明記されていますので、ここで容易に判別ができます。なお印刷会社名の表記も異なります。オリジナル、タイプ1は「栄印刷K.K.」と表記されていますが、タイプ3では「栄印刷株式会社」となっています。
(上:オリジナル、中:タイプ2、下:タイプ3
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その他、96年アンソロジーLP発売時にプレゼントとして製作されたプログラムがあります。これは未所有で未確認ですが、タイプ1に近い作りのようです。また専門店「ゲット・バック」等で90年代に販売されていたレプリカは奥付がタイプ2と同様で何も印刷されていませんが、タイプ2にはない「禁・無断転載」の印刷のみがあるタイプも存在するようです。
 
以上のように、タイプ1は見かけ上はオリジナルのように見えますが、細かい点でオリジナルと異なりますので注意が必要です。以下に、レプリカ・タイプごとの主な相違点についてまとめました。他にも相違点があるかもしれません。なお、上記の違いでほぼ間違いなく区別できると思いますが、もし例外があって、この記事を参考にして購入されたプログラムがレプリカであった場合は責任は持てませんので、その点はご了承ください(^.^)
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