戦慄の一撃 | ** 徹の部屋 **

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ようこそいらっしゃいました!
Tetsu Kuroiwa、俳優です。                      

昨日行われた4団体統一スーパーバンタム級タイトルマッチ、チャンピオン井上尚弥vs挑戦者ルイス・ネリの試合は、期待以上の素晴らしい試合でした。

試合開始早々の第1ラウンド、死角から飛んできたネリの左フックを顎に被弾したチャンピオンがもんどりうってまさかのダウン。これにはビックリしました。大波乱の幕開けです。



こんな姿の井上尚弥を見るなんて、6年前の山中戦の悪夢が甦ります。名チャンピオン山中慎介を2度もKOしたネリのパンチは健在でした。


残り時間は1分以上ありましたし、井上尚弥がもう一撃クリーンヒットを受けていたら、ここで試合が終わった可能性もありました。


しかしチャンピオンはその後のネリの猛攻を凌ぎ、2ラウンド目以降は体勢を立て直します。


ネリはダウンを奪って勢いに乗りたかったのでしょうが、結局、虎の尾を踏む結果になっただけでした。


実力で大きく勝るチャンピオンは、4ラウンド途中からもう完全にネリの動きを見切ってましたね。5ラウンド終了間際の右ストレートの連打は格下相手に軽くスパーリングでもしてるかのよう。


そうなると、6ラウンドのKOはもう必然でした。



不謹慎かも知れませんが、戦慄が走るようなその見事な仕留め方に、日本のボクシングファンは大いに溜飲を下げたことでしょう。ネリ選手には大変申し訳ないが、ある種の畏敬と、過去の不正への侮蔑を込めて付けられた「悪童」の称号はこれで返上ですね。今回の貴方は、とても勇敢に正々堂々と戦った。その事は忘れはしないが、悪童のボクシングは井上によって完全に封印された。敗戦後にどんなに強がって見せても、井上尚弥とは格がまるで違うことが世界中の人々の前で証明された。



井上選手のいつもの雄叫び。何度見ても格好いいですね。体がバンタム時代より大きくなっているのが分かります。

話は変わりますが、ボクシングには体重別に階級があります。その昔、と言っても100年以上前、階級は3つでした。

ライト級(軽量級)約61キロ以上
ミドル級(中量級)約73キロ以上
ヘビー級(重量級)約91キロ以上

その後、圧倒的に人口が多いライト級以下の人々のために、軽い階級も新設され現在に至りますが、ライト級以下を軽視していた当時の風潮が反映され、そのネーミングにはいささか悪意を感じます。

フライ級(ハエ)約51キロ以上
バンタム級(にわ鶏)約54キロ以上
フェザー級(羽)約57キロ以上

井上尚弥は世界にわ鶏級チャンピオンで、井岡一翔は世界ハエ級チャンピオン??

英語圏の人々はこの名称に違和感を感じないのであろうか? 

一度聞いてみたいものである。


(写真出展)プライムビデオ