徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説 -192ページ目

徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

SJウォンキュ妄想垂れ流し小説ブログです。 
とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

あぁぁぁぁ!!!
100の位が減りますねっ!!
嬉しいぃぃぃ!!
 
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青天の霹靂
《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。
らしい。
 
今、携帯で繋がっている相手の言葉はまさにそのものだった。
 
『ちょっと。聞いてるー?』
「聞いてる」
 
だからこんなにも衝撃を受けてるんですけど。
あ。なんか、ヤバイ。
指先が冷たくなってきた。
 
「で。受けるんだろ?」
『…うん』
「じゃあ、それで返事すればいいんじゃないの?」
『や。返事しておけとか言われる前に速答したんだけどさ』
「…お前、それは相談じゃなくて事後申告って言わない?」
 
あまりにも相方らしくて少しだけこっちにも余裕ができた。
 
『そうとも言う?』
「そうとしか言わないね。…じゃあ、また後でな」
 
通話を切って、冷たくなった指先に血液を送るように手をゆっくり擦る。
奴の最大の武器は声。
あの声は誰にも敵わないと思っている。
素直で通る声は自分とは全く違う声質で、だからこそ素直にキュヒョンの声を認められる。
自分のパートナーとして出会ってなければ軽く嫉妬できるほどに。
万一にでもそれを失う可能性があると言われて衝撃を受けないわけがない。
以前から「喉に違和感がある」と時折零していたけれど、定期的に健診を受けいたし、その時には特に何もなかったから周りも「思い過ごし」くらいに考えていたのだ。
キュヒョンの声は変わらずいい声だったら余計。
けれどやっぱり本人が一番自分の体のことを知っていたようだ。
喉のことに関しては名医だという医者を紹介してもらい、受診したのが今日のことである。
 

「おはよーございまーす…」
 
事務所のドアが開いて、キュヒョンは怒られるのを待っている子供みたいな表情で顔を覗かせる。
スタッフが少し心配そうに返事をして、いつもミーティングが行われる会議机の方に手を伸ばした。
その机で事務作業を熟している俺の横の椅子に座る。
 
「おはよー」
 
いつもとなんら変わらない様子で。
 
「…で。どうなってるの」
 
電話でほぼ聞いた内容ではあったけれど一応確認する。
 
「喉にポリープあるって。凄くちっさいし解りにくいところにあったみたいでさぁ」
「うん」
「普通に生活するなら何も問題ないから放置してもいいって言われた。でも…」
 
机に肘をついて頬杖をついて、隣のキュヒョンの顔を伺う。
 
「歌って行くのなら手術したほうがいいって言われた」
 
…こいつから歌う事取り上げるなんて、呼吸をするなというのと大差がないように思える。
そりゃあ即決もできるはずだ。
 
「リスクは?」
「全くないわけじゃないだろうけど。それは何にしても同じくらいの確率でしょ。ただ手術したらその後しばらくは声出せないから、そこが問題」
「どれくらいの間出せないの?」
「経過見ながらになるだろうけど、ちゃんと歌えるようになるまでは短くても1ケ月くらいかかるらしいよ」
 
そこでいきなり萎れる辺りがわかりやすい奴だな。
頭に手を置くと相変わらず「怒る?」って顔で見上げられて、苦笑い。
別に怒られるようなことをしたわけでもないくせに。
くしゃくしゃっと撫でてやると、途端に安心したように微笑んだ。
本当にわかりやすくていい。
どんなに失敗する確率の方が探すほどに低いと言っても、喉にメスを入れるのだから不安がなくなるわけじゃないけど、俺の不安は絶対見せない。
誰よりも一番不安なのは本人に違いないから。
慌てた様子で事務所に入ってきた社長の姿を確認して、これからのスケジュール調整が大変だなと少しばかり溜息を吐きたくなった。
 

十一月末に手術が決まった。
すでに予定が入っている仕事はこなすとして、まだ予定は入っていない十二月に。
うまくいけば以前から決まっていた年末のカウントダウンライブには参加できるだろうし、それはキュヒョンも楽しみにしているイベントだったからそこに焦点を合わせる。
そこまでは「supple」としての依頼は引き受けないことにした。
 
「そういう理由で、ありがたいけど今回は無理だね」
 
イベントライブに誘ってくれた電話の相手は「そっかぁ」とのんびりした声。
ギターテクニックもピカイチで歌う声もカッコいいのに喋る声と口調はゆったりとしてる。
人間の中身ってのが表れてるよなぁと思わせる。
 
「キュヒョナも大変だぁ。…あ。でも、もし問題なかったらシウォナだけでもどう?」
「俺?ひとりで?」
「うん。曲作ってるだけより気がまぎれるっしょ」
 
自分がつくる「supple」の曲は基本キュヒョンの気持ちのいい音に合わせて作っている。
メインで歌ってる奴をどれだけ気持ちよく歌わせてやれるか、俺の手腕にかかっていると勝手に思っているところもあるし、なにより、キュヒョンを歌わせてやれるのは自分の音だと勝手に思ってる。
もちろん自分が歌いたいと思えば、自分の声に会う音で曲を作ればいいだけだ。
つまり「supple」の曲を作るということは、どうしたってキュヒョンの声のことを考えなきゃいけない。
気が紛れるだろうなんて言ってくれるのは、ちょっと前まで同じように、相方基準で曲を作っていた彼だからこっちに沁みたのか。
そんなこっちの気持ちに気付いたのか、またのんびりとした調子でドンヘが笑った
 
「歌より喋る方が長いかもしれないけどさ。まぁ、そこはクリスマスの特別イベントってことでどうかな」
「…ありがと。確かに少しは刺激になりそうだよな」
「刺激も大事よ?」
「前向きに検討します」
「うん。よろしくー」
 
そうして少しばかり近況報告をして電話を切った。
確かに何もないよりは気も紛れるだろうし、自分の曲を歌えるいい機会かもしれない。
 
 
手術前最後のライブが終わったあと、片づけを済ませて車を走らせる。
地方でのライブだったから事務所までの350km
なんかもう、この距離だったら大したことないなーと思う自分の感覚にちょっとびっくり。
高速を降りたところで助手席に座っていたキュヒョンが前を見たままでぼんやりと言う。
 
「あのさぁ、今日シウォナのとこ行ってもいい?」
「かまわないけど…どした?」
「たまには二人で飲もうかな、とか」
「…言葉間違ってないかー?」
「…どこが?」
「たまにって…ほとんど一緒にいるのに『たまに』って、お前」
 
笑うと納得したように「そっか」とだけぶやく。
 
「言っても、最近は仕事終わったら一緒ってそんなにないし」
 
確かに事務所が用意してくれた部屋は隣同士、プライベートも仕事も関係ないくらい一緒に居たけど。
地元でのライブだったりするとお互いに実家だし、地方では支援してくれる人たちが居るから別々で対応するなてかこともザラだったからゆっくり二人で過ごすことは減っては居る。
こうやって車で移動している時くらいか。
なんか懐かしいなーと思ってたら隣からキュヒョンがふふって笑う声が聞こえてくる。
 
「久しぶりだな、こうこうの」
「着くの真夜中だぞ?」
「ごはん作って」
「…お前、人の話を聞いてるのか」
「聞いてる。ごーはーんー」
「どこかで食えばいいだろ」
 
ありがたいことに最近は年中無休の閉店知らずの店も少なくはないのだから。
 
「やだ。俺、久しぶりにシウォナの作った飯食いたいもん」
「そーゆーとこだぞ」
 
俺のセリフを受け流して、鼻歌を歌い始めるキュヒョンについ口元が緩んだ。
こういうとこだよなぁ、本当に。
何年経ってもこいつにだけは敵わない。
惚れた弱みってこういう事。
知ってか知らずか、そういうところはしっかり甘やかされ慣れている相手はさらりと引く気はないらしい。
さて冷蔵庫に何がはいってたっけ、と考えながらハンドルを切った。