徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説 -191ページ目

徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

SJウォンキュ妄想垂れ流し小説ブログです。 
とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

料理を作るのは好きだ。
音楽を作るのと過程が似ている気がする。
ありあわせの材料で出来たのは鶏そぼろ丼とトマトスープ。
炊き立てご飯の上に甘辛醤油のそぼろ、その上に温泉卵を落としただけ。
トマトスープもコンソメにでトマトをサイコロ切りにして入れて、味を調えただけ。
シンプルだけども外さないだろうと思われるそれをキュヒョンは本当に美味そうにスプーンで口に運んでいる。
 
「やっぱり俺、シウォナの作るの好きー」
「それはどーも」
 
あたりまえ。
俺の作るものは自分の好きなものでもあるけれど、それを望む人のニーズに合わせてる。
料理も曲も。
だからお前は責任を持って俺の歌を「supple」の曲を歌わなきゃならない。
 
「俺の作るものが好きだったら…早く帰ってこい」
「うん。そのつもりだし。今は俺の歌を聴いてもらえないことより、歌えない方がきついし」
 
その言葉に懐かしい場面が思い浮かぶ。
ストリートで歌い始めた頃。
誰も足を止めてはくれなくて、今考えてみればそれも当然ある事だ。
けどそんなことを当たり前だと思えなかったあの頃。
入ったファストフード店で目の前に座ってたこいつが不意に泣き出した。
どう考えてもあれはこっ恥ずかしい状況だったけど。
 
「もう、帰る。誰も俺の歌なんか聴いてくれない」
 
元々キュヒョンが持ってるのはそういうネガティブな部分。
二人で音楽を仕事にして、歌い続けることを選んで。
今でこそ、随分と物事をポジティブにとらえるようになったこいつは、今あの状況になってもきっと泣いたりはしない。
歌いたい。その気持ちがなにより大きいに違いない。
 
「ちゃんと帰ってくるために選んだから」
 
全開の笑顔を見せられて、息が止まる。
 
「ちゃんとシウォナの横で立ってられるように、ずっと隣に居られるように選んだことだから」
 
だめだ。こっちの方が泣きそうだ。
ぎゅっと抱きしめると、宥めるみたいにポンポンと背中を叩かれた。
腕の力を緩めて、少し体を離すと笑顔でキスを寄越す。
 
「…キュヒョナ、今、俺、弱ってるんだけど」
「んー?そんな感じだねぇ」
「じゃあ何か、弱ってるとこに付け込んでるのか、これは」
「残念だけど。たぶらかしてるつもり」
 
にっと笑うキュヒョンに天を仰ぎたくなった。
なんだ、この確信犯。
今度はこちらからキスをおくる。
「バカなの?」
「それは、誑からかされないってこと?」
「誑かされてはあげません。俺は自分の意思でお前を襲うつもりなので」
「どんな負けず嫌いなんだよ」
 
ふにゃりと笑って、キュヒョンの腕が背中に回る。
今度はゆっくりと、深く、その唇を塞いだ。
 
 
誘われていたライブに参加をすることに決めたのはそのあとすぐ。
キュヒョンが「いい機会だ」と言ってくれたのもだけれど、隣で歌うためにキュヒョンが選んだことなのなら。
俺もその間に成長しようと思う。
ドンヘの企画ライブはクリスマスライブで、クリスマスより一週間早いけど?と突っ込んだら「あわてんぼうのサンタクロースだから」と笑って返された。
そう言えばそんな童謡があった気がする。
二人で会場からもらったアンケートの質問に答えたり、お互いに自分の曲を披露したり。
クリスマスソングのカバーをしたり。
せっかくだからと二人で書いたクリスマスカードを来てくれた人のチケットの半券をくじ引きにして何人かにプレゼントした。
 
次の日には手術の終わったキュヒョンの病室にサンタの帽子をかぶって襲撃しに行って、プレゼントだけを置いて帰った。
喋れないキュヒョンは唖然とした表情の後に「声出せないんだから笑わせるようなことするな」と書かれたホワイトボードをこっちに向けて微笑む。
腹立たしいくらい可愛い。
二人で撮ったスナップを「サンタが来た。けどプレゼント置いてすぐに帰った。…何しに来たの?」とメッセージをつけてSNSに上げたキュヒョンにファンからたくさんのリプがついていた。
「サンタ、早くない?」「シウォンさん来たんだね」「キュヒョンくんは順調?」
キュヒョンの声を心配するメッセージも多くあって「明日、少しだけ声出していいって言われた。でも一言だけね。初声出し記念! ツイキャスするね」なんて書かれていて。
そしてご丁寧に俺にもメールを寄越した。
見るよ。
見るけど。
こっちの方がドキドキする。
経過は良好だとは聞いてはいるけど、結局カウントダウンも間に合わないと残念がっていたし。
 
次の日、約束の時間に始まったライブ映像。
スマホをセットしたキュヒョンが喉を擦って「あー」と声を発した。
良かった。相変わらずいい声だ。
 
「あー…。シウォナー」
 
手を振って俺の名前を呼んで。
そのままカメラを切った。
なんだ。
なんなんだ、その破壊力。
一言だけ喋っていいって言われて選んだ言葉が俺の名前とか、なんだそれ。
死ぬかもしれない。
スマホを持ったままテーブルに突っ伏して。
恥ずか死ぬってこういうことかもしれない。
反則だ。
こんなの反則だ。
…絶対保存してやる。
 
キュヒョンが楽しみにしていたカウントダウンはタイバンしている他のアーティストやバンドのメンバーがキュヒョンの代わりにパートを担当してくれたり盛り上げてくれて「愛されてるなぁ」なんて実感もした。
キュヒョンの存在の大きさを居ない時にも感じる。
でも、もうそれは不安ではなくて。
帰って来た時の楽しみだけでしかなかった。

そして無事復帰後のライブのMCで。
 
「今、インターネットとか発達してるから怖いよね」
「なんで?」
「僕、相方からソロで参加したライブどんな感じだったとか全然聞いてないんですけど、ツイッターとかで『やっぱりシウォンくんはキュヒョンくんが大好きなんですね』的なのがいっぱいくるから、なんだろうと思って。なんかライブで告白的な事をやったのかと思ったら。もう一人のアーティストを『キュヒョナ』って呼んだらしいね」
 
だから言いたくなかったんですけど!?
恐っ!ネット、怖っ!
 
「ドンヘさんだろ!ちょっとは俺の事気になってんたんだ?」
 
そう言ってキュヒョンが笑う。
分かってて言ってだろ、腹が立つっ!
だから全然違う話題をふったらキュヒョンが爆笑した。
となりでお前が笑って歌ってくれる幸せに感謝して、今日も歌おう。
キュヒョンが頷く。
そして二人で弦を弾いた。