【TVXQ/ミンホ】 crank up 13 | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

テレビ局のリハーサル室ロの字型に並べられた机。

一年前に見た同じ光景に懐かしさと緊張とが同時に襲ってくる。

ネームプレートが置かれた場所に腰を降ろすと、暫くしてその横にユノがやって来た。

 

「まさかの展開ですね」

「そう?俺はありかなとは思ってた」

「じゃあ、あの時の僕の保留を無しに持って行ったのって、コレ見越してたんですか?」

「あれはただはっきりさせたかっただけ」

 

ふふっと笑うユノは相変わらず綺麗だ。

 

「イチャイチャしてんじゃないわよ」

 

ユノの横の椅子を引いて座ったボアがそう言って笑う。

前にもそう言われたことがあったなと思い出した。

置かれているネームプレートを手に取ってじっくり確認するように見つめたボアが目を細めて嬉しそうに笑う。

 

「またあなた達をこき使う上司になっちゃった」

「よろしく」

「お手柔らかに」

 

ドラマの視聴率も人気も好調で続編の制作が決定したとマネージャーに聞いたのは半月程前。

自分の仕事の幅が広がるのはありがたい。

このドラマのお陰で新しい層のファンがついて、ライブにも来てくれている。

次第に揃っていくメンバーを見ながらユノが小さく笑った。

 

「なんかいいな」

「そうね。同じチームで同じ作品作って…続くといいよね」

「歳とって走れなくなったら無理だけど」

「その頃には出世してるんじゃない?」

「テギは無理だよ。自己捜査ばっかりしてるから。ジョンヒョンならいけそうじゃない?」

 

二人してチャンミンの方に視線を向ける。

 

「無理ですよ。ジョンヒョンはテギの相棒なんで」

「もっともね。きっと私も二人が部下だからこれ以上は出世出来ないんだわ」

「えぇぇぇ。俺のせいなの?」

「ユノさんのせいじゃなくて、テギのせいです」

 

声を出して笑ったボアが机に肘をついて組んだ指の上にちょこんと顎を乗せると、顔ぶれが揃ったのと時計を見てプロデューサーがマイクを取った。

前回と同じ流れでスタッフ、配役が紹介されていく。

和やかな雰囲気でボアとユノの挨拶が終わって、自分の順番になったチャンミンが大きく息を吐きだした。

 

「今回もユ・ジョンヒョン役をやらせていただきます。前回は芝居経験の少ない僕を皆さんで支えていただきありがとうございました。また続編が作られるという経験も初めてで嬉しく感じると同時に身を引き締めたい思っています。これから何度でもこの役でクランクインして無事にクランクアップ出来ることを目標に頑張りたいです。よろしくお願いします」

 

周りからの拍手、の後に前回にはなかったどよめきが起きたのはユノが座っているチャンミンの背中にくっついて髪をワサワサと撫でたからだ。

 

「は…?ちょっと、ユノさん?」

「俺の相棒めっちゃかっこいいこと言うなー」

「いや髪やめてください。それと離れてもらえます?」

「照れるなよー」

「照れてねぇっす」

 

一瞬のどよめきはすぐに小さな笑いに変わって、テギとジョンヒョンそのままだとスタッフの声が聞こえた。

なるほど、ここはジョンヒョンとして接すればいいのか。

 

「セクハラで訴えますよ」

「ひでぇ相棒」

「誰が相棒だ。もういいですか?次の方が困ってるんで」

「あ、すみません」

 

どうぞと両手でチャンミンの横を指し示すとその俳優も笑ってマイクを受け取った。

相変わらず楽しい現場で撮影が楽しみだと言ってくれて一安心する。

それにしても心臓に悪い。

 

「ユノさん、さっきの何ですか」

「ん?チャンミンカッコいいーと思って」

「いや、思ってじゃないですよ」

「大丈夫、大丈夫」

 

そう言ってチャンミンの手をぎゅっと握って大きく振ると、リハーサル室の端に居た新しく見かける女性スタッフが悲鳴を飲み込んだ。

 

「ファンサービスになっちゃうから大丈夫」

「なるほど…納得です」

 

そんな二人に呆れたようにボアが二人の肩を叩いた。

 

「ありがたいけど、あまり熱狂的なファンつけちゃったらプライベートまで追っかけられちゃうわよー気を付けて。…逆に見守られる可能性もありだけど」

「薄い本とか送られてきたら末期ですね」

「やだっ!経験あるのー!?」

 

爆笑するボアと苦笑いするチャンミンを見てユノが困った表情をしている。

 

「なんかまた謎の呪文みたいなこと言ってるけど、俺聞かない方がいい気がする」

「そうしてください。それからボアさん」

「何?」

「程々にしようとは思ってるんですが、なんせユノさんがこの調子な上に前回と違って僕がかなり入れ込んでるので加減に油断が生じる可能性があります。…その時はいい加減なところで止めてくださいね」

 

きっぱりと言い放つとボアは目を瞠って、その後ニッコリと微笑んだ。

 

「手のかかる部下達ね」

「すみませんがよろしくお願いします」

「了解。無事にクランクアップ迎えましょ」

 

リハ室を出て行く背中を見詰めながら頼りになる上司で本当に良かったとしみじみ感じていると、目の前のユノが「二人が仲良しだ」などと宣うものだから


「僕とユノさんの方が仲いいに決まってるじゃないですか」


と言ったら、さっきまでのスキンシップぶりが嘘みたいに照れたように笑う。

これは、本当に気を付けよう。

ユノの表情に改めてそう決意した。


今回のクランクアップにはまた何か起こるかもしれないと思いながら。