【ウォンキュ】 刹那的Night (D-550) | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

この話、どこかで書いてる気もしたのですが、思い出せない…。
もしどっかで見た人は笑って許してください…。
 
 
 
◆ 刹那的Night ◆
 
もういい加減にしろ。
最初は普通にみんなで飲んでいただけだったはずだ。
なのになんでこんなことになったのか。
キュヒョンは呆れ果てて目の前の男二人を見遣る。
一人は自分のグループの兄、チェ・シウォン。
もう一人は親友、シム・チャンミン。
 
ひょんな事から飲み比べが始まって。
今現在、チャンミンはかなりぐてんぐてんになっているにも拘らず意識はしっかりしているのか止めようとも言い出さず、かといって倒れるわけでもなく、グラスに注がれた酒を流し込んでいて。
シウォンのほうは相変わらず涼しい顔で酒を口に運んでいる。
その様子をキュヒョン以外にも呆れたように見ている人物。
チョン・ユンホ。
言わずと知れた東方神起リーダーだ。
「チャンミナ、飲みすぎ。もう止めたほうがいいんじゃない?」
 
キュヒョンの言葉にチャンミンはケタケタと笑う。
 
「ここで止めたら俺の負けだろーが。絶対止めない!」
 
確実に一升瓶をお互いに空ける勢いで、いくら酒に強いといっても飲みすぎだ。
 
「シウォナ、お前もそろそろやめれば?」
 
柔らかく笑って問うにユノに食えない笑みを浮かべてシウォンがきっぱりと言い切った。
 
「それはそれで失礼でしょう」
「お。よく分かってる。よし飲もう、シウォナ!」
 
もうこうなればどちらかがつぶれるまでは終わりそうにないと腹を括ってキュヒョンは仕方なくその行方を見守ることにする。
 
「キュヒョナ」
 
ユノに手招きされ、ずるずると四つ這いでその横に行くとユノは自分が座っていた座布団をトントンと叩く。
 
「悪いけど、座るとこ変わってくれる?」
「はぁ。構いませんけど…」
 
チャンミンと並んで、二人の兄とはテーブルを挟むように別れて座っていたので、今度は同じグループ同士が並ぶ形になる。
豪快に飲み続ける二人の横でちびりちびりと飲み、酒の肴をつまんでユノと雑談していると、顔をキュヒョンに向けたシウォンがグラスをゆっくりと机の上に置いて、キュヒョンの頬に手を伸ばしてくる。
 
「なっ…!!」
 
肩を引き寄せられてそのままシウォンの胸に倒れこみそうになったところで、唇を塞がれた。
 
「んーっ!!」
「あ。やっぱり」
 
涼しい顔でそう言ったユノは何食わぬ顔で自分のグラスを口に運ぶ。
 
「おいおいおい…」
 
シウォンにキスされているキュヒョンを見て、チャンミンはグラスに残っていた酒をくいっと煽ると隣のユノの着ているシャツの襟元を引っ張るようにして顔を近づける。
 
「どうなってんの、あれ」
「あぁ。あれは、もう酔ってる」
「はぁ?」
「なんか様子が怪しかったから。シウォナって酔っぱらうと甘えたくなるタイプみたいだし。あのままだと隣にいる俺が危ないからさぁ。キュヒョナなら大丈夫だろうと思って」
 
しれっと笑ったユノにチャンミンは器用に片方の眉を上げて苦々しい笑みを作った。
 
「あんたも大概悪い人だな」
「お前ほどじゃないよ?まぁそれより、この勝負はお前の勝ちでいいと思うし」
 
なにが「それより」なのかは分らないがこの場の空気を上手く纏めたといった雰囲気になったところで。
 
「もぅ何でもいいから助けてくださいよっ!!」
 
必死でシウォンを押し返しながら二人に助けを求めると、やっと視線を向けた二人はきょとんと瞬きをする。
 
「あ。忘れてた」
「俺にはシウォナは手に負えないよぉ」
「はぁぁぁぁぁっ!?」
 
人の悪そうな笑みを浮かべて二人は笑うとさっさと帰り支度を始めてしまった。
 
「会計済ませとくから。そいつつれて帰って」
「ありがとうございます。ご馳走様です…って! そうじゃなくてコレどうにかしてくださいよっ!」
「だぁかぁらぁ。俺にはどうしようもないってば」
「貞操は自分で守れ」
 
ピラピラと伝票を振りながらレジに向かうユノとチャンミンに「そんなもんはとっくにこの人のせいで失くしてるよっ!」と声に出さずに叫びつつその背中を見送って。
二人の背中が消えた店のドアを見つめてきっかり10秒。
キュヒョンが身体の力をすっと抜いた。
そして右手を振り上げると、シウォンの頭にそれを振り下ろす。
 
「シウォナいい加減にしろよ!酔ったふりはかまわないけどっ!よりによってキスするとか何事!? 脳ミソ溶けてんじゃないだろな」
 
くつくつと肩を揺らしたシウォンは顔を上げるとキュヒョンの目を覗き込む。
 
「あんまりな言い様だなぁ。それよりいつばれてたの?」
「ばれないと思ってたのかっ!最初からおかしいとは思ってたんだよ! あんた一升飲んだくらいでで酔うとは思わないし」
「そうか?ほろ酔いくらいに気持ちよくはなってるけどな」
「だろーね。で。なんなの、この小芝居は」
「ユノだよ」
「はぁ?」
 
シウォンが飲みくらべの勝負をし始めてから一度トイレに行くのに席を外したときにユノが携帯にメールを入れたらしい。
『今日は出来るだけ早く帰らせて』
なんだ、それは、とは思ったものの。
先輩の命令とあれば聞いておかなければならないだろう。
そこで返した答えは
『わかった。頃合見計らってキュヒョンと座ってる場所変わって』
 
「…そもそも、この飲み比べ始まったのもユノのせいだったんだけどな」
「そうだったっけ?」
「そう。ほら、ばれてないだろ。あの人そういうとこ得だと思う」
「それにしてもユノヒョンも打ち合わせなしで咄嗟にあんな言い訳よくしたね」
「…言い訳でもないからかな」
「はぁぁ?」
「どうも酔ったら甘えるみたいだよ。滅多にそんなことにならないし、自分の記憶にないからわからないけど」
 
どんだけ飲んだらそんなことに…。
一升でもこの状態の人間なのに。
どこの酒蔵空けるつもりで飲む気なんだか。
キュヒョンの心の言葉が聞こえたかのようなタイミングでシウォンが柔らかく笑う。
 
「あとどれだけ飲んだらそうなるか試してみる?」
「するな。間違っても絶対しないで。俺があんたを連れて帰らなきゃならないとか考えるだけで笑える」
「そうだなぁ。キュヒョナと一緒に居る時はそういう状態になりたくないしなぁ」
 
まだ残っている酒をのんでシウォンは苦い表情をつくった。
 
「どうして?」
「キスだけで済ませる気はないから。酔った勢いとか思われるのも嫌だし、万一覚えてなかったりしたらモッタイナイだろ」
「…毎回さんざんやっといて『もったいない』って…」
「もったいないだろ。可愛い声とか覚えてなかったら」
 
ふふ、と笑ったシウォンの頭にキュヒョンは今度は遠慮なく手を振り下ろした。
 
「うるさい! バカっ!」
 
ふいっとそっぽを向いたのキュヒョンの困ったような表情をこっそりと観察しながら、それを肴に叩かれた場所を撫でつつシウォンはまたまたグラスを口に運ぶ。
 
「まぁ、あれだ。お前ユノに言われただろ」
「…何を」
「『そいつ連れて帰って』って。と、言うことで連れて帰られてあげるから」
 
何かを諦めたように肩を落としたキュヒョンは自分のブルゾンを手元に引っ張ると、帰り支度を始める。
 
「だったら、とっとと帰るよ」
「またいきなりだな」
 
口角をゆるりと上げたキュヒョンは艶っぽい笑みを作って。
 
「もったいないことならないうちにやること済ませたらいいんだろ?」
 
今度はシウォンのほうがあっけにとられる。
 
「ほら。帰るよ」
「あ…」
 
ふぅ、と溜息を吐いてようやくシウォンも自分のコートを手繰り寄せた。
 
「素でやるところが適わないよなぁ」
 
それでも楽しげなシウォンの表情はきっと誰が見ても「にやけ面」でしかないのだろうと自覚しつつ鞄の肩掛けを引っ張ってキュヒョンの後を追う。
こういう夜は刹那的でしかないはずだから。