【ヘウン】Hit My Soul (PROMISE YOU 番外) | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

ウネが揃ったっ!!
おめでたいってことで「ヘウン」です。
PROMISE YOU の設定でお送りいたします。
馴れ初め話なので、ほわほわしておりますよ。
 
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
 
Hit My Soul
 
 
朝からついてない。
歯を磨いて、タオルで顔を拭きながら歩いていたら机の角で足の小指をしこたまぶつけて。
仕事に行こうとバイクに乗れば、ガス欠で。
近くのガソリンスタントまでなんとか運んでガソリンを満タンにし、この時間ならなんとか間に合うかと思ったのにこれだ。
 
「…で、ちょっと急いでた訳なんで…なんとかならないですかねぇ」
「違反は違反なんで」
 
朝からの一連の不幸を並べ遅刻しそうだったから少しスピード出しました、という言い訳をしていたドンヘの前にいる、青い制服のヘルメットの警官はなんの感情も含まない表情と声でそう言った。
 
「ほんと仕事できなくなっちゃうんですよー!!」
「…仕事?」
「バイク便の配達してるんで」
「で、免停になるほど違反してるの?」
「…してません」
「いいこと。じゃ、これにサインして」
 
一点。
たかが一点、されど一点。
ドンヘが渋々サインすると少しだけ微笑んだその人は
 
「ちょっとだけ、と思っても事故起こしてからじゃ遅いから。気を付けて、安全運転で」
 
そう言った優し気な声が特徴的で思わずマジマジと顔を見ていたら、不機嫌そうに「何?」と返された。
 
「あ、別に、何でもないです」
「そ」
 
バイクを出そうとしたら白バイからの無線が耳に入った。
『分隊長』
そう呼ばれているのが聞こえて驚いた。
歳はさほど変わらなく見えるのに肩書き付かと振り替えるとこちらを見ていた彼の口許が声を出さずに【気を付けて】と動いてなんとなく嬉しくなって笑って頷くと、今度は向うが驚いたような表情をした。
ついてないけど、いいに日なりそうだ。
 
「で?遅刻か、いい度胸だなおい」
「ごめーん!ヒョン!」
「免停じゃねぇだろうな」
「俺、今まで違反してないもーん」
「なら、いいや。とっとと仕事しろや」
 
そう言ってケツを蹴ってきたのは、このバイク便の会社の社長キム・ヒチョル。
口は悪いが、容姿はとてつもなくいい。
しかも本人に自覚があるからそれを武器にして仕事をとってくるなんてこともしばしばだ。
苦笑いしながら受付の子に伝票と住所を握らされて、一息つくまでもなく配達に送り出された。
 
 
それから数日後。
自社で半年に一度の割合で行われている特別安全運転講習会。
社長の力が一体どの程度なのか予測がつかない、と毎回思い知らされる講習会だ。
バイク便の会社としては大きい方だとは思ってはいる。
しかしながら、白バイ警官の指導の下で運転技術向上のための訓練を受ける機会が与えられるのはなかなかない。
 
最初の挨拶の後に白バイ隊の演習が行われ、ドンヘはそれを毎回惚れ惚れしながら見てはいるのだが今回はただ一台を凝視していた。
運転技術はもちろん、その警官に見覚えがあった。
あの、ついていない一日を、いい日に変えた人だ。
ヘルメットを取ったその人は警官っぽくはない明るい色のサラサラの髪。
思わず見惚れると、眉根を寄せて首を傾げられた。
こちらにしてみれば切符を切られた特別な日でも、向こうにしてみれば毎日の仕事の中で出会った一人だ。
覚えていなくても当然か、とドンヘは肩を落とす。
 
「毎日点検してるのに燃料確認しなかったの?」
 
そう声を掛けられて顔を上げると彼が面白そうに前に立っていた。
走行前点検。
これは毎日の乗車前に必ず行う。
それを再確認するための講習中だった。
 
「へ?」
「こないだ遅刻したんだろ?」
「…覚えてた」
「うん。だって、あんな渋ってた割に走っていく時凄く楽しそうに笑ったから」
 
なんか印象的だった。
そう言った彼の笑顔の方が余程印象的だと思う。
 
「業務前はするけど、普段はしませんよ」
「した方がいいんじゃない?」
「今度からします…。それにしてもバイク便の安全運転講習に白バイ隊とか贅沢ですよね」
「…いいこと教えてやろうか?」
 
耳元でささやくような彼の声。
この声やっぱり好きだな、と思う。
 
「取り締まりとトレーニング以外の白バイ隊なんて、警察専用のバイク便やってるんだ」
「…確かに確実で速いから業者雇わなくていいですね…」
 
くくっと笑った彼の名札には「イ・ヒョクチェ」と名前が書かれている。
なんだか名前すら特別に見えた。
点検内容、乗車姿勢、ブレーキング、スラローム。
ほぼ一日かけての講習が終わり、終講の挨拶。
特別な名前の彼と会った偶然もこれで終わる。
自分でも何故そんなことが出来たのか、今でもドンヘは不思議で仕方がない。
とっさに彼の制服を捕まえた。
驚いた表情がドンヘの心を捕まえた。
 
「あっ、あの」
「…うん」
「今度、よかったら!…その、飯でも食いに行きませんかっ」
「…ぶっ…ハハッ」
 
くしゃりと笑ったヒョクチェはすっと手を差し出した。
戸惑うドンヘに「書くもの貸して」と笑う。
講習内容をメモするために持っていたノートとペンを渡すと、空いていたページに何かを書き込んだ。
 
「分隊長」
「ん。今、行く」
 
隊員に呼ばれて振り返ったヒョクチェはノートをドンヘに返した。
 
「じゃ。安全運転で気を付けて」
 
そう言って走っていった。
やっぱり無理だったかーと、背中を見送ってから、ノートを開いたドンヘは破顔した。
そこには電話番号らしき番号と名前「飲むときはバイク乗るなよ」と書かれていたからだ。
 
「今、考えたらなんであんなことで来たのか不思議で仕方ない」
 
そういうドンヘに
 
「俺も、なんで教えたかわからない」
 
とヒョクチェが笑う。
 
「要するにそれは運命ってやつだとでも言いたいのか。ただの惚気だよ、それ」
 
と呆れた顔で馴れ初めを聞かされたキュヒョンがワインを口に含んだ。
その彼が「運命」を感じるのはもう少し後のお話。