【ミンホ】心音メロディー 3 | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

「ねぇ、昨日、ユノヒョン平気だった?」
 
いきなりの質問に僕はテミンの顔を見る。
 
「平気ってなんだよ」
「うーん…ヒョンは人見知りだから、大丈夫だったかなぁ、と思って」
「別に、普通だったと思うけど…」
「そう…。そうかぁ…」
 
天井を見上げてテミンは独り言のように呟く。
なんだろう、一体。
テミンは以前から酔うとやたらと従兄の「ユノヒョン」の自慢話を繰り広げる。
自分の従兄で、とにかく美人で、でも可愛くて、素直で…とにかくあげればきりがないくらい褒めちぎるのだ。
それだけ自慢されたら一度はお目にかかってみたいものだと思わなくはない。
先日、たまたま偶然出会った彼がそのユノヒョンだったとは。
しかも話をしてみるとテミンの言っていた事が嘘ではないと納得した。
とんでもなく美形だと思う。
自分と変わらない長身に、信じられないくらいに小さな顔。
そこには猫のような少し跳ね上がった目。そのキツさを和らげる黒いビー玉を嵌め込んだのかと思うほどの漆黒の瞳。
すっと通った鼻筋に、色気のある厚みのある唇。
そして、本当に素直で邪気を感じない。
丁寧に人に接することができるのは天性のものなのだろう。
出来る事ならスカウトしたいくらいだ。
もちろんもう少し積極性と自分を磨く気持ちがあればの話だし、彼があの美しさを隠してしまっているのは内向的で自分に無頓着なところだけだと思う。
 
「でも、テミンが可愛いって言ってたのはよく分かった」
「でしょ?でも手を出さないでね」
 
にっと笑う彼に視線だけで「出すか」と送ると、笑いながらロッカーを開けて着替え始める。
どこまで本気なんだろうか、こいつは。
 
「なんかユノは一緒にいて癒されるね。本来は苦手なタイプなんだけど…」
「でしょ。もうユノヒョンの場合オーラとしか言いようがないんだよね」
「ああ。分かる。…携帯の番号交換したんだけど…。掛けてきてくれると思うか?」
「ユノヒョンが?多分、無理」
 
そこまであっさり言うか? ガンッとロッカーの扉に頭をぶつけた。 痛い。
 
「あ。チャンミニヒョンだから、とかじゃなくてね。ユノヒョンは本当に駄目なんだよ、そういうの。人見知りだって言ったでしょ」
 
タイトなスーツのジャケットの裾を軽く引っ張りながら、テミンらしからぬ苦笑いを浮かべた。
 
「でもチャンミニヒョンが友達になってもいいと思うなら電話してあげて」
「あぁ」
 
テミンの言い方がなんとなく引っかかったけれど、この時にはもうユノに電話する口実を懸命に捻り出そうとしていたのだ。
 
 
 
「そういえば。あの変な人、最近付き纏ってないわね」
 
今日はボアの手伝いをしていて、彼女の隣で生地を掻き混ぜながら先日の偶然を話す。
 
「へぇぇぇぇぇ」
 
にこにこと微笑んではいるけれど不機嫌なボア。
 
「それは、あれよね。デートよね」
「あのさ、ボア。何度も言ってると思うけど俺もチャンミンも男だからさぁ」
「私は女友達と遊びに行くときでもデートって言うけど。何か問題でも?」
 
ニコニコ。
正直、ちょっと怖いんですけど。
 
「こんな可愛い女子が日がな一日クレープ焼いているのに、なんで男同士のデート報告なんて聞かなきゃなんないのよっ!」
 
きーっ!!
叫びながらも注文の入ったクレープを綺麗に巻いていく。
 
「だよね。ボアは可愛い」
 
ぴたりと止まったボアは次にはぁぁぁと溜息。
どうも俺の周りではこの反応が多い気がする。
 
「もぉ…だから憎めないのよねぇ」
 
がっくりと肩を落としたボアに少し笑うとポケットに入っていた携帯が震えた。
 
「うわっ」
 
滅多に鳴ることがないから驚きながらディスプレイの表示を見る。
そこにはチャンミンの名前。
 
「ボア。出てもいいかな?」
「なんで私に許可とるのよ。ユノは手伝ってくれてるだけでバイトしてるわけでもないんだから」
 
それもそうか、と納得して通話ボタンを押す。
 
『もしもし、ユノ?』
「うん」
『今、何してますか?』
「知り合いの店の手伝い」
『じゃあ、忙しいですか?』
「その質問は微妙かなぁ」
『なんですか、それは』
 
笑っているような呼吸が聞こえて、俺の口元も自然に綻ぶ。
知り合いのクレープ屋の手伝いをしているのだと伝えるとチャンミンが真剣に「そこのクレープ美味しいですか?」なんて聞いてきた。
 
「うん。ボアのクレープは美味しいよ。常連さんもたくさんいるくらいだから」
『場所、教えてください』
「え?来るの?」
『僕、食べる事が大好きなんですよ。美味しいものを教えておいて場所を教えないなんてなにかの嫌がらせですか?』
 
なんだ、それは。
思わず笑うと「笑い事じゃありませんよ」と怒られる。
なんか意外性の高い人だ、チャンミンって。
場所を説明して1時間もしないうちにチャンミンが現れる。
 
「ユノ、見つけた」
「…また、新手なの?ユノ」
 
顔中に不審だという言葉を書いているボアが可笑しくてついつい笑うと、二人に「笑うな」と突っ込まれる。
ボケ担当としては非常にありがたいことだけど。
 
「…美味い…」
ボアの作ったクレープを一口齧ったチャンミンは本当に美味しそうにそれを口に入れる。
 
「そりゃあ、そうよー。私が焼いたんだから美味しいに決まってるでしょ」
 
いたく気に入った様子のチャンミンは見ていて気持ちがいい食べっぷりで、高笑いしそうなドヤ顔でボアは満足そうにその様子を見ている。
その間に俺はチャンミンにボアの事を、そしてボアにこれが例の男前だとチャンミンを紹介した。
 
「へぇ…。ユノは芸人目指してるんですか」
「うん。まだまだだけど。頑張ろうって思って」
「ふぅん。僕もね。昔、役者になろうと思った時期がありましたよ」
「そうなの?チャンミンなら何にでもなれそうなのに」
 
また、少し照れたような表情をするチャンミン。
この顔好きだな、なんて思う。
 
「でも、今の仕事も嫌いじゃないんですよね。もちろん嫌なことだってありますけど、そんな事は何をしてたってあるはずですから。いいことばかりなんてありませんよ」
 
何かに納得するように頷いたチャンミンは紙コップのコーラを飲みほして、ゴミ箱に突っこんだ。
 
「美味しかったです。御馳走様。また来ますね、ボアさん」
「また来てねー。男前のチャンミン」
「ところで、ものは相談なんですが…ユノを攫って行ってもいいですか?」
「構わないわよ。お客のピークも過ぎたし、ユノの好意で手伝ってもらってたんだし。何よ、デート?」
 
ボアの言葉にチャンミンは笑う。
 
「ええ。デートです」
「あらぁ、なんだか腹立たしいわね。まぁ、いいけど。ユノ、手伝ってくれてありがとう」
「行きましょう。ユノ」
 
俺の意思なんてまるでお構いなしと言った感じで二人の会話が終わると、チャンミンが俺の手を引いて歩き出す。
視界ではにこやかに手を振るボアがどんどん小さくなっていって。
 
「今日のデートの報告はしなくてもいいわよー」
 
なんて可愛く通る声が耳に届いた。
だから、デートって…。
それから後もそんな感じの「デート」が何度が重ねられるのだけど。
…だから、デートって…ねぇ?
 
 
 
「ユノヒョン最近楽しそうだね」
 
俺の部屋に遊びに来ていたテミンがいきなりそんなことを言う。
 
「うん。楽しいよ」
「相変わらず素直で可愛いなぁ、ユノヒョン」
 
そっちこそ相変わらずだなぁ、テミン。
そんなテミンがにっこりと天使の微笑みで顔を近づけてきた。
 
「ねぇ。チャンミニヒョンのことどう思う?好き?」
「チャンミン?うん。好きだよ」
 
うーん、と唸って頭を抱えたテミンは顔をあげると困ったように笑う。
 
「そう、あっさり言われると…。そうじゃなくて、つまり、その…」
「何だよ?」
「だからさぁ。普通に好きって言うのじゃなくて、恋愛対象としてどうなの?」
「どうなのって…恋愛対象!? いや、いや、いや。何言ってるんだよ」
 
本当に。大丈夫かテミン。
 
「…違う?僕、多分そうなんじゃないかなって思ってたんだよね。チャンミニヒョンと居て楽しいでしょ?他の人とは違うんじゃない?」
 
確かに、他の人とはまた違うけれど。
でも、コレはそう言ったものではないと思う。
 
「違うっていうのなら、それでいいんだけど。ちょっと考えてみて。チャンミニヒョンと居て楽しい?他の人と同じ?だったら…ヒョンはあの人がヒョンの前からいなくなっても平気?今迄みたいに傍に居なくなっても笑ってられる?」
「テミン…」
 
俺は…。
大切なものを失くしたくないから。
もう失くすのは嫌だったから。
大切なものを作りたくなくて。
人と、向かい合う事が出来なくて。
それでも、テミンは俺の傍に居てくれたから、俺は失くさなくてもいい人が居るんだって思えた。
チャンミンは…。
居なくなるかもしれない人だったのに。
絶対、踏み込ませてはいけない人だったのに。
 
俺の中はもうチャンミンで一杯になっている。