【ウォンキュ】 君に架ける橋 13 | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

【D-2】

「一体どういうことだよ」

不機嫌そうな表情で研究室に入ってきたのはヒチョル。

「どうもこうもないよ。キュヒョナは悪くないからね」

同じく不機嫌以外の何物でもない表情で返したジョンス。
相手がヒチョルだからこその態度だ。
奥の部屋ではキュヒョンが申し訳なさそうにこちらを伺っていて、何とか安心させてやりたくて笑って頷くと、ほんの少しだけ表情が緩んだ。
そう。キュヒョンは悪くない。

元々キュヒョンはシウォンの為に作られたヒューマノイドだ。
シウォンが居なくなったとしてもキュヒョンにかかった金額は全て彼の両親が出したもので、実質あの家に所有権がある。
しかし、彼らはキュヒョンを研究所に返したのだ。
理由は「自分たちの傍に置いていても可愛そうだから」
学習型のAIだ。
仕事だって教えれば学習していい働きをするのは間違いないだろう。
それでもキュヒョンの中にはすでにシウォンの為に学んだ知識、そしてシウォンから学んだ知識がある。
それが誰かの役に立つなら。
そのために使ってほしいと申し出た。
寄付も続けてくれるというのだから研究所としてはありがたい話でしかない。
そのため、今現在キュヒョンは研究所内で俺たちの手伝いをしている。
次の場所が見つかるまでの間。

そしてそんなキュヒョンになぜかやたらと絡んでくるのが一人いた。
性質が悪いのはジョンスやヒチョルが居る時には知らん顔をしているくせに、キュヒョンが一人になった時や、自分と一緒の時にだけなのだ。
今日もジョンスに頼まれていた資料を研究室に運んでいた時だった。

「ヒューマノイドがなんで腕時計なんてしてるんだ?しかも結構いいやつじゃないか。誰かの盗ったとか?」

へラッと笑う顔は俺が見ても気分が悪い。

「貰った」

キュヒョンは怒るでもなく、無表情でそれだけ言う。
それが気に入らなかったのか、今度は腕を捕まえられたのだ。

「お前なんかに誰がくれるんだ。誰から盗ったか知らないけど返しておいてやるから外せ」

時計に手がかけられた途端、キュヒョンがその手をねじ上げる。

「触るな。あんたが触っていいものじゃない」

その瞬間。
周りの空気が一変した。
ヒューマノイドは人に危害を加えない。
それなのにキュヒョンはその規定を覆してしまったのだ。

「それで所長からのお呼び出しかよ。やっと帰れると思ったのに」
「まぁ、所長は話の分かる人だからいいとして…」
「あいつなぁ…」

ヒチョルが大袈裟に溜息をつく。
キュヒョンに何かと絡んでくるのは、その所長の息子だからだ。

「親父に泣きついたか」
「泣きついたというか…。キュヒョナが腕をひねった時に目撃者がいるからね。なんか色々言われてるみたいだよ。僕たちが危害を加えないようにプログラミングしてないんじゃないかとか」
「俺様を誰だと思ってるんだ、ここの奴らは全員能無しか?」
「はい、はい。ヒチョラだよね。ヒチョラでも違反はしないよね」
「するかっ!」

いいコンビだよね、ほんと。

「ヒョン、ファイティン!」

ガッツポーズを作ると二人が気の抜けたような顔で俺を見る。

「うん、やっぱりこういう時はドンヘだな」
「だねぇ。ドンヘ、キュヒョナ見ててね。心配するなって言っといて」

二人が所長室に向かうのを見届けて奥の部屋のドアを開けてると、キュヒョンが困り果てた様子で俺の顔を見る。
彼自身もまさかこんな事態になるとは思ってもなかったはずだ。

「ゴメンね、ドンヘヒョン」
「何が?二人とも言ってた。キュヒョナは悪くない。俺もそう思ってるよ?」
「…みんな、優しいから」

ふっと笑ってキュヒョンが腕の時計に触れる。
それはキュヒョンがシウォンからもらったもの。
特別に意味が込められているらしい。
俺にはわからないけど。
キュヒョンはそれを大事そうに胸に抱えて帰ってきた次の日から、ずっとその腕に着けたまま。
ジョンスもヒチョルもそれについては何も言わない。

「でも、どうしてもこれだけはあの人に触られたくなかったんだ」
「それでいいんじゃない?それはキュヒョナのものなんだから。勝手な言いがかりをつけてきたのは向こうだろ」

はぁ、とキュヒョンは溜息をついた。

「僕には人に危害を加えないっていうプログラムが入ってる。普段なら絶対にあんなことできないのに…」

シウォンの事となると別。
そういう事だ。
プログラムを凌駕する感情。
それこそが人が恐れているヒューマノイドが意思を持つこと。
傷つくことを恐れないヒューマノイドが自分の存在意義に疑問を持ち始めたら。
人間の意志に反する意思を持ってしまったら。
それは人の滅亡にすら繋がりかねない危険性を含んでいる。

それなら、どうしてキュヒョンは作られたのだ。
ただの人の好奇心だというのなら、それはあまりにも勝手で残酷だ。