【ウォンキュ】 PROMISE YOU 16 | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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SJウォンキュ妄想垂れ流し小説ブログです。 
とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

キュヒョンの傷は内臓や大きな血管を傷つけるようなこともなく、命に別状はなかった。
オペが終わって外に出るとヒョクチェが真っ赤な目でシウォンを見上げてくる。

「大丈夫。命に別状はないよ。またご家族がいらっしゃったらちゃんと伝えるけど、そう伝えて?この近くで工場火災が起きたとかで救急の手が足りなくて。このままそっちにいかなきゃならないんだ」
「うん。シウォン…」
「なに?」
「キュヒョナを助けてくれてありがとう」
「…それはこっちの台詞だよ。キュヒョナが居なきゃ、俺はここにこうしていられなかった。俺は今ほど自分が医者になってよかったと思ったことないよ」



結局シウォンがキュヒョンと会話が出来たのは5日後だった。
あの後、救急センターに運ばれてきた患者数は予想以上ですべての処置が終わった頃には通常業務の時間になっていた。
スタッフも医者も疲弊してはいたが、患者はまってはくれない。
交代できるスタッフには交代してもらい、数人の医師はそのまま仮眠をして通常業務に就く。
前日もまともに眠っていなかったシウォンも疲れ果ててはいたもののそこからはみ出すことはなく業務を熟す。
何度かキュヒョンの様子を窺いに病室を覗いたが眠ったままの彼の顔しか見ることができなかった。
安定した呼吸と、赤みが戻った頬に安心してやっと自分も眠ることが出来た。
その後も、キュヒョンの顔を見ることはあってもゆっくりと会話ができるような状態ではなく、業務外の時間は警察の聴取などで時間を取られた。
やっとできた就業時間外に病室に赴いたシウォンの顔を見てキュヒョンは怒られる前の子供みたいに肩を竦めた。

「なんか…怒ってる?」
「怒ってるよ」

しっかりと整った貌に多少の怒りが乗るとかなりの恐怖に繋がる。
今のシウォンの表情がまさにそれだ。
少しだけ寄せられた眉間。
腕を組んで、ベッドサイドのパイプ椅子に腰かけるだけで完全に「怒り」を表現できる。

「俺、何かした?」
「しただろ?なんで俺を庇ったの?」
「そんなの…怒ることじゃないだろ。もう咄嗟に動いてたっていうか…。逆だったらシウォナだって同じことしてるよ、きっと」
「するな。確かに。俺はキュヒョナが誰より好きだから」
「ほらみろっ!」
「聞いてたか?俺はキュヒョナが好きだからそうするって言ったんだ。咄嗟になんて理由じゃない」

ピタリと動きを止めたキュヒョンが次の瞬間ガバリと布団を被る。

「は…?なにこれ。夢だ、夢。じゃなきゃシウォナがこんなこと言うはずないじゃん!」

布団の塊からブツブツと声が聞こえて、シウォンは溜息を吐く。

「…キュヒョナ」
「それとも俺、ほんとは死んじゃってるとか?ここはあの世ってこと?」
「キュヒョナ」
「でも、それじゃあこの痛みって納得出来ねぇ…。夢だな。都合よすぎて笑えるわ」
「キュヒョン!」

今度は声がぴたりと止むとゆっくりと布団が下ろされる。
顔だけ出したキュヒョンが怒ったように言い放った。

「は?これって現実なの?」

それにシウォンが同じように返事をする。

「残念ながら、現実だ。悪いけど諦めてくれ」
「何を諦めろって言うんだよ」
「俺がキュヒョナを好きだって事」

またずるずると布団を引き上げたキュヒョンが中から叫ぶ。

「もぉやだ!なんだよ好きって!シウォナの好きなんて今までだって散々聞いた!」

椅子から立ち上がったシウォンがその布団を引き剥がそうとするが、必死に抵抗される。

「だから!ちゃんと聞けってば!俺は誰よりもって言っただろ!それと傷口開くから暴れるなっ!」
「う・そ・だっ!!シウォナはそんなこと言わない」
「言ってるだろっ!!人間が宇宙で生活するようなご時世なんだ、目の前に居るの俺の言葉くらい信じろ!っていうか人が一世一代の告白をしようっていうんだからちゃんと聞けっ!」

力の差でなんとかキュヒョンから盾にしていた布団を取り上げたシウォンがベッドの端に腰を下ろすとキュヒョンと視線の高さを合わせる。
視線が絡んだ時にキュヒョンが瞬間的に呼吸を止めた。

「ほんと、ごめん。俺はキュヒョナが好きなんだ。LIKEじゃなくてLOVEの方で。今までだって本当はそうだったよ。でもキュヒョナに嫌われるのも、一緒に居られなくなるのも嫌だったから何でもないようにしか言えなかった」
「…だったら、なんで今言うんだよ」
「キュヒョナが俺を庇ったから。もしキュヒョナが居なくなったらと思うと怖かった。誰の隣に居てもいいから幸せでいてくれれば、笑って居てくれればそれでいいと思った。それでもきっと俺の気持ちは少しも変わらない。だったらちゃんと伝えなきゃと思った。キュヒョナが俺を嫌っても、傍に居られなくなっても」

視線を逸らせて俯いたキュヒョンが声を出そうとして失敗する。
短く息を吸い込むと、落ちた滴が膝にシミを作った。

「…っ。なんだよ…それ」
「…キュヒョナ?」
「俺は、嫌だ。シウォナが俺以外の誰かの横で笑ってるのなんて、嫌だ。幸せで居て欲しいけど、やだ」
「えっと…?」
「酔ってるからって、好きでもない相手にキスなんてできるか、しかも男に。俺はストレートなんだよ」
「は…?あの、キュヒョナ、それって…その」
「ばかっ!気付け!そこは察しろよ!医者だろ!」

そこは医者は関係あるのか?とか、頭の片隅の冷静な部分で考えてみる。
けれど多分間違っていないはずの答えが幸せすぎてシウォンは笑った。
キュヒョンを抱きしめて。

「笑うな」
「ごめん…でも無理。駄目だ、キュヒョナやっぱり可愛い」
「可愛いって言うな」
「無理。可愛い」

肩を押されて体が離れる。
困ったように睨んでくる目が濡れたままで、シウォンが目の淵を親指で拭うと擽ったそうにキュヒョンが笑った。
涙の跡に慈しむように、頬に労わるように、唇に全ての想いを込めて。
シウォンの唇が触れる。
啄むようなキスに焦れたようにキュヒョンがシウォンの首に腕を回した。

「…んっ…」

深くなったくちづけに二人で夢中になる。
唇が離れて、視線が絡むとキュヒョンが照れくさそうに笑った。
その時、ドアがドンと音を立てる。

「おい、個室だからって油断するなよー」
「全く、バカだろお前たち」

ドンヘとヒョクチェが呆れ顔で笑っていて、シウォンは苦笑いした。

「ごもっともなご意見…」

手に持っていた紙袋をベッドサイドに下ろしたヒョクチェがキュヒョンの頭をポンっと叩く。

「さぁ、やっと何とかなったみたいだから、俺に心配をかけた礼に全部ばらしてやる」

くくくっと笑ったヒョクチェにキュヒョンはヒクリと頬を痙攣させた。