こないだ酔っぱらいに喧嘩を売られた。
どうも俺のことが気に入らなかったらしい。
「偉そうにすんな」「ぼこぼこにしてやんよ 」「逃げんじゃねえよ。口だけの根性なしが!」
とか言うので、
「まぁ、落ち着いて。君は腕っぷしに自信があるんだね。おっきいもんね」
180cmの100kg超えてる感じの大きさ。
「当たり前だ、こら。お前みたいに口だけの野郎は言葉だけじゃわからないからぶちのめしてやる」
「君の今の行為自体は暴行罪といって罪になるんだけど・・・。まあ、つまりあれだね。君は腕力と気合で持って口先だけの私をやっつけて、君をなめてたことを後悔させたい、そういうことだね?」
「しつこい野郎だな、こいやこら。」
ここで大声で、
「はーい、皆さん。ちょっと見世物ですよー。ここにいる彼が、暴力で私を叩きのめしたいそうなんです。180センチの身長、体重も何キロ?」
「110kgだよ」
「見ての通り大柄でとても強そうです。私はですね、喧嘩というのは、手を出さるか出せないかだけの勝負だと思っていて、家族や仕事も無くしかねない、殴り合うという粗暴な行為は残念かな、できません。皆さんもそうですよね。」
そうだそうだ。いい年こいて喧嘩なんかできるわけねえだろ。の声がひびく。
「だが彼をここまで怒らせてしまって私も申し訳ないと思ってますし、腕力で私をねじふせる欲求も叶えてあげたい。そこでです。ここはフェアに腕立て伏せで腕力勝負をしてはどうでしょうか。皆さん、立ち会っていただけますか?」
「はぁ、てめぇ。まじふざけんなよ。こんなたくさんの人の目の前でそんなことできっかよ」
「いやでも君は衆人の前で、私に暴力行為を及ぼうとしたんだよ。腕立ての方がリスクないって。」
そうだ、そうだ、卑怯だぞ。腕立てできないのか~?の声。
「ちっ。じゃ、やってやるよ」
「OK。じゃ、やろう。まず上半身ハダカになって。」
「はぁ、なんで裸になるんだよ」
「少しでも軽い方がいいと思うよ。それとも入れ墨とか入ってるの?」
あいつヤクザじゃね?ブヨブヨしてそう。の観衆の声。
「糞。」
といって脱いだ身体には小さな般若のお面の入れ墨が。
やっぱヤクザだ!の声に
「うっせ。カタギだよ」
思ったとおり。
肥るだけ肥った、生活習慣病一歩手前の、昔の俺のような体型。
ガテン系かな、やや固太りで筋肉はついてそう。
「やっぱ、筋肉でかいね。強そうだなぁ」
と言って、俺も脱いだ。
自慢じゃないが既にベンチプレスは90kgを上げることができる。
ダンベルフライは片手20kg。筋トレは毎週2回。有酸素運動も毎週3回はする。
サンドバッグもメチャメチャ叩いて、パンチも覚えてきている。
彼には悪いが昔の俺ではない。
そこにいた観衆からドヨメキがおきる。
○○さん、筋肉やばい。カットが入ってるよ。強そう。
でも一番ビビって硬直したのは彼だった。
「じゃ俺からいくね。普通の腕立てだけど、喧嘩に使う筋肉は肩から背中にかけての筋肉だと思うから、手はこう真っ直ぐ、そして顔は前を向いて、身体は絶対反らさずに限界まで下げる。こうやってね。では、みなさーん、カウントを数えてください」
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たぶん、30秒もかからずに彼をねじ伏せることができるだろう。
彼も健康の為に、筋トレに目覚めてくれればいいが。。。。
※ほとんど、私の妄想でフィクションです。