スポーツの暴力性 | ボクシングクラブ スタッフブログ

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東京都内にあるボクシングジム "ボクシングクラブ" のスタッフによる楽しいブログです!

以前会員の方からこんな質問を頂きました。

 

「ボクシングの延長に戦争はあるのですか?」

 

とても印象に残っていた質問だったので、改めて考え直して見ました。

 

 

この質問のボクシングと戦争の共通点は何か。それは「暴力性」ではないでしょうか。

ボクシングに代表されるスポーツの暴力性と、戦争の暴力性。この違いは何なのでしょうか。

 

・・・あくまで持論なのですが、

 

以前私が新人ボクサーだった頃、もうすぐ日本タイトルマッチをするというランカーのボクサーとスパーリングをさせて頂いたときのことでした。

 

 

な、なんて事だろう!!

当たらない、いや、触れない!目の前10センチの所にいる相手のガードでさえ触ることができない。

堅く緊張した私の右ストレートは、相手選手に横から添えられた手に抵抗もせず、目標の顔面を数センチそれて抜けてゆく。大ぶりのフックは鼻先をかすめようともしない。

焦り表情をゆがませる私と対照的に、無表情な眼の奥にゆれる青白い炎のような光を、今でもよく覚えています。

その時に垣間見たこの人の努力、苦悩、凄み。殴られてなお感動すら覚え、「何てこの人は強いのだろう」と心底思いました。

 

スポーツはお互い競い合う中から、自身と相手の実力を比べ、そこから自身の努力と相手の努力を感じとることができます。だからお互いを理解し認め合うことができるのです。

 

 

一方、戦争は兵器が新しく開発される程人と人の距離が遠くなってゆくものです。

(刀から銃、銃からミサイルなど)

その最たるものはボタン1つで多くの命を奪う核兵器ではないでしょうか。

 

スポーツの暴力生が人と人とを(理解し合い、尊敬し合うことで)近づけるとするなら、戦争のそれは遠ざけるものだと思います。

 

 

ですので、最初の質問について私としては、それぞれの暴力性の性質が違うので延長にはないのだと思います。

 

皆さんも興味深いテーマですので一度考えてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

 

ハ~~~~~アタマツカッタ・・・。

 

by飯田