道頓堀の橋の上に物乞いが雨に打たれてしゃがんでいた。
ダウンのフードを目深にかぶり俯いて
きのうのから何も食べていません、めぐんでくださいと書かれた段ボールの切れ端を顔の前に持っていた。
俺は何もする事ができなかった。
見て見ぬふりをして通り過ぎた。
一食分の小銭くらいを待ち合わせいたはずなのに
立ち止まることさえしなかった。
勤務先に着くまで何度か振り返った
酷く情けない自分に腹が立っていた。