タンクVS井上を考える | らんぶるライフ

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井上尚弥とのドリームマッチはあるのか?ライト級デービスが一撃必殺のKO防衛

 ”タンク”ことジャーボンテイ・デービスがWBAライト級王者を防衛しました。(以下タンク)

 タンクが防衛したことでまた井上との対決の論争が過熱しそうですね。

 まぁお互いに選手同士としては直接対決とかは考えてないでしょうが。

 タンクは純粋に井上のボクシングスキルにリスペクトを感じてると思う。

 強者は強者を知るという事でしょうね。

 ただ、クロフォードのように

 「俺が1番じゃないと納得いかねぇ~!」

 という人もいるわけですが。

 

 PFP問題はさておいて、タンクと井上は現在のウェイト差でタンクがライト級、井上がスーパーバンタム級、階級では3階級上、実質的に体重の上限でいうと5.89kgです。

 ヘビー級だとこのぐらいの体重で戦うのは普通にあるようですがそれ以外の階級でこの体重差で戦うのは普通ないですよね。

 まぁその体重で戦えって事ではなく上げてこいってことですがただただ不摂生で体重が増えるのと階級上昇を考えて筋肉量を増やして体重上げるのとはではまるで違います。

 先ず、どの部分の筋力を増やせば耐久力、パワーが身についてスピードを落とさずにすむか?とか色々考えて計算しなければいけません…

 そりゃぁたま~~~にジェームス・トニーのようにだ太ったような体で上の階級で通用してるような変質的(変態ともいえる(笑))人はいますがあぁ言うのは例外です、ドネアはぶくぶくではなかったですがフライ級からフェザー級まで減量せずに階級をあげて結局フェザーで限界に達し下げてきました。

 でも、ロイ・ジョーンズとジェーム・トニーは無理に体重を上げてヘビー級を意制覇しましたよね。

 トニーはドーピングしてたみたいですが(結局ヘビー級戦は無効試合で記録上はヘビー級せいははしてないはず)ロイ・ジョーンズはしっかりヘビー級の体重を意作り上げました。

 まぁ二人ともに勝ったのはヘビー級としては小さいジョン・ルイスなんでヘビー級(最もでかい王者)に挑戦するという気概よりも記録を優先した挑戦だと自分は見てますが。

 この二つの事例が注目されたのはヘビー級という唯一無二の階級というだけであってジョン・ルイスを史上最強の男と認めてるわけではないんですけどね、あくまでも記録上の事だと思います。

 要するに二人は皆が思ってるほどのリスクを負ってなかったと言えると思います。

 

 で、体重差のスパー対決として忘れてはならないのはオスカー・デ・ラ・ホーヤVSマニー・パッキャオの闘いです。

 自分はこの時にとんでもないマッチメイクだなって思いました。

 ミドル級でタイトル持ってたデラと当時ライト級のパッキャオですよ!

 それもライト級には上げたばかり…

 パッキャオはライト級取る前はスーパーフェザーで8試合、その前はフェザーで3試合。

 デラは確かにミドルでの初戦、フェリックス・シュトゥルム戦でブヨブヨだったとはいえホプキンスは完全に身体を作り上げていました)(試合はボコボコでしたが)。

 そんなデラがウェルターに落としてパッキャオはライト級から増量してウェルターで対決。

 本当にとんでもいないマッチメイクでアジア人憎しのマッチメイクかと勘ぐったりしたものです。

 まぁ蓋を空ければデラがボコボコに打ちのめされたんですが…

 

 後で考えると、デラホーヤの衰え、ミドルまで作った身体をまたウェルターに戻した体重調整の失敗、パッキャオがウェルター、スーパーウェルターでも無双できるような実力者だったなどの誤算がいっぱいあった奇跡の対決だったんですよね…

 

 ボクサーの引退の理想というのものがあるんと思うんです。

 有終の美を飾って自分の理想のボクシングを追及してきてそれに達したと納得して土つかずで

 「もうやる相手もいなくなった」

 と無敗でグローブを吊るす、メイウェザーやロッキー・マルシアノの辞め方。

 こうい美しい辞め方も理想ですが、ボクシング界全体を見まわしたときの理想はバトンを渡して辞めていくやり方。

 負けはしなかったですがアルゲリョに勝った後に次は君の時代だとバトンを渡したエルネスト・マルセル、これは勝ってバトンを渡してるから格好良すぎですがデラがパッキャオにボコられて次代をパッキャオに譲ったというのは理想の辞め方だと自分はおもいました。

 長期政権を築いたりものすごいスターの最後の相手がそのあと歴史にうずもれていくってちょっと寂しいですよね。

 タイソンは最後の二試合、本当に駆け出し相手に自らの気力のなさで立ち上がりませんでした…

 タイソンは面白い試合をしたし一時期は人類最強との名をほしいままにした強者でしたがボクシング史的にみて評価が低いのもうなずけるんですよ。

 ダメな所見せすぎてるんですよね…

 で、デラの話ですがデビュー当時から公言してきた六階級制、フィリックス・シュトルムに疑惑の判定ではありますが目標通りの6階級制覇を成し遂げました。

 これで引退してたらまぁ有言実行したヒーローとしていられたかもしれません…

 でも、やパリ最強を破っての戴冠こそ最強の証、ホプキンスを破れば史上初の4団体統一王者の称号も!

 そりゃぁやりますよね、でまぁ木っ端みじんにされるわけですがそれを批判はしちゃいけないと思う。

 見事にあたって砕けたからこそのリスペクトは自分にはありますよ。

 メィウェザーはGGGに挑戦どころか挑発さえしてませんよね(笑)

 まぁスタート階級はデラとメイはスパーフェザーと同階級ですがスーパーフェザーではメイはナチュラル、デラは先々の6階級制覇をもくろんでの無理に落とした計算づくの減量。(デラはオリンピックではライト級で出場、大体の選手はプロ転向時は階級を上げる)

 おまけにデラは公式180cmでメイは173cmなんでミドル級の選手としての骨格はかなり無理があると思う、からメイのGGG挑戦はまぁありえないっちゅちゃありえまえませんよね(苦笑)

 

 所でなんで、井上VSタンクの話でデラ、メイ、ホプキンスなんかの話になるかというとタンクと井上が戦うというのはただ単にタンクや井上に対戦相手がいないからというだけではなく井上もパッキャオ並みの選手なら同じことしてみろよ!なんて挑発してるんじゃないかと少し感じたからなんですよね…

 

 ここで井上とパッキャオを比べるとどちらもその階級でずば抜けたパンチングパワーがあって上に行っても間違いなく通用するだろうという予想。

 まぁパッキャオはさすがにウェルター、スーパーウェルターではパワー重視の攻撃じゃなくスピードに重点を置いて打たれないための対策を整えて重量級への対処法を考えた対策をとっていました。

 デラとの対戦を色々と考察してみるとまずデラ、の衰えは如実です、デラもスピードを武器にしていたボクサーですからそれ以上のスピードを持つパッキャオには対応できませんでした。

 それとライト級であるパッキャオに少しでも合わせようとスーパーウェルター級をウェルターまで落としました。

 落とせるというとの動けるというのは違いますからこの減量でまずデラはベストコンディションを作れなくなった可能性もあったと自分は考えます。

 

 タンクー井上は実現はしないとは思いますがもし実現させるならタンクがスーパーフェザーなりフェザーに落としてやるべきですよね。

 後、デラはこの試合で引退したのでわかる通り黄昏時期でした、肉体的にも精神的にもなかなかモチベーションを保つにはしんどい時期でもあったのではと思いますがタンクは今が全盛期と言っても良い時期だと思います。

 で、井上とパッキャオとを比べてみると…

 パッキャオはフライ級上がりとは言え身長170mあるんですよね。

 まぁタンクはライト級なのに井上と身長は変わらないんで大きさには問題はないですが。

 では、なぜ、パッキャオはでかい相手に勝てていたかという事ですがウェルター、スーパーウェルターの階級の選手ではパッキャオのスピードについていけなかったんですよね。

 そりゃぁウェルター級以上のボクシングでもスピードは重要ですがライト級以下のスピードにはなかなか反応が出来ないと思う。

 パッキャオは階級を上げるのにパワーを上げるよりもスピードを維持することに注力したはずです。

 それで見事重たいボクサーを翻弄したんですよ。

 

 で、それをライト級でスピードがあるタンクにスーパーバンタムでのスピードを持ち込めたとして井上に勝機はあるのか?

 いくら井上がタフネスだと言ってもタンクのパンチを貰って耐えれるという事は考えにくい…

 まぁパッキャオがマルガリートのパンチに耐えれたのはスピードで翻弄、まともに受けなかったからだと思うんですけどライト級のパンチに対応するためにはライト級の身体作る必要もあるんで今スーパーバンタムの井上がもし、ライトに行くことがあっても5年以上かかります、まぁその頃タンクはウェルター級ぐらい言ってんじゃないですか(笑)

 

 やっぱり現時点で考えてもこの勝負はありえませんよね。

 井上はブレーンがしっかりしてるしパッキャオの陣営はイケイケは発想なんであそこまで勢いづいたマッチメイクが出来たと思うんで井上とパッキャオを混合してはいけないと思います。

  ただ日本人びいきに思われるかもしれませんが自分はボクサーとしての総合力ではパッキャオより井上の方が上と思っています。

 こないだネリにダウンを取られたとはいえやっぱり井上の打たれなさ(ディフェンス力)には脱帽しますし、パンチ力と攻撃性は群を抜いてる感じるからです。

 ただ、もっと大きい視野でいうと階級制覇の幅、アジア人から初のスパーヒーロー、自国民への影響力という意味ではまだまだパッキャオの方が上でしょうし今後もそういう意味では追い抜けるかどうかは難しいかもしれませんが一アリスリートとしては井上はパッキャオを超えていく存在だと思ってます。

 

 タンクVS井上は二人が現役である限り話題になり続けるのかもしれませんね…