Amazonプライムで「ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン」を観る | らんぶるライフ

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Amazonプライムボクシング映画月間(自分が勝手に思ってるだけ)の4本目は「ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン」です。

 今(3月10日)セールで100円で見れるんですよ、いつまでかわからないんで今、見たばかりですが投稿しました。(他の作品は書き溜めしてます)

 この作品、日本では劇場公開されないんですがなかなかしっかりした作品でした。

 主演も監督も知らない人でしたがアカデミー賞俳優、フォレスト・ウィティかーが出演、フォアマンが職業部隊というアメリカがやっていた職業訓練カリキュラムで出会うボクシングトレーナーを好演してます。

 自分、フォアマンの自伝を読んだことがあるんですがもう20年ぐらい前なんで内容を忘れてるんでどこまで真実のフォアマンの人生に近づけて書かれてるかは正直わかりませんが色々な部分でリアリティを感じました。

 特にわき役にそっくりさん使ってる所が受けましたね。

 フォアマンやアリはそんなに似てる役者を使ってるわけではないですが一瞬、映るようなアリのセコンド「蝶の様に舞い,蜂の様に刺す!」の名言を作ったと言われる(実際は広めただけ)ドリュー”バンティーニ”ブラウンがそっくりだったりフォアマンが挑戦するジョー・フレジャーの顔も面影ありました。

 後、色々と再現度が高いですね、フォアマンに倒されるフレジャーの倒れかたとか、アリ戦のためにアフリカに来た時のフォアマンのファッションとか、ボクサーの動きも良く再現されてました。

 やっぱり有名な人達でアメリカではよく知られてるんでその辺りのこだわりがある方が観客受けも良いんでしょうね。

 大昔で肖像画も不確かな実在の人物ならいざ知らず現在でも存命だったり動画がたくさん残ってる人の伝記だとある程度は寄せていかないとしらけますからね。

 世界ボクシングの一番の主役は歴史的に見てメイウェザーがいくら稼ごうがタイソンがどれだけエキサイティングな試合をしようがモハメド・アリなんですよ。

 そういう観点でみるとフォアマンはいつも悪役になるわけですがフォアマンにはフォアマンの人生がありキンシャサの奇跡はあくまでもアリの視点からの奇跡であってフォアマンにとってはキンシャサの悪夢なわけですよ。

 ただ、そこで終わってたら本当に悪役、敵役、わき役で終わるわけなんですがフォアマンは主役になって本当の奇跡を起こすわけですよね。

 アリのキンシャサの奇跡って大逆転って言われてますけど冷静にポイント見てるとアリが優位だと自分は思いました。

 ノーマン・メイラーがアリVSフォアマンの事を書いた「ザ・ファイトイ」というルポルタージュの名作があるんですがそれを読んでもアリ優位で試合が進んでいくさまが描かれてました。

 でも、モーラーVSフォアマンは本当に奇跡の大逆転ですからね。

 この映画で一つ残念なことはフォアマンの復帰後のもう一つのクライマックスホリフィールド戦の描かれ方です。

 フレジャー、アリ戦などはちゃんと役者を使って展開も現実にそって作られていたんですがホリフィールド戦だけは奥さんが家族と家でテレビで見てるという設定でしかも現実のホリーフィルドVSフォアマンの試合フィルムのフォアマンの顔の部分をCGで役者の顔を張り付けていたことです…

 それとモーラー戦の様に奇跡は起こりませんでしたがあの試合は世代間抗争として大きく取り上げられてフォアマンはすぐに倒されるだろうと言われていたのにものすごい善戦をして株を上げて試合の勝者は確かにホリーフィルドでしたがフォアマンは試合意外での勝者になって本当の意味での”敗者無き”闘いとなった試合なんですがちょっとサラッと描かれすぎてましたね。

 まぁ、ただでさえ長い(2時間ちょい)映画なんでそこを大々的に取り上げると長くなりすぎるしモーラー戦の奇跡感が薄れるのかもしれないんで短くまとめたとかあるのかもしれませんし、映画としての全体のバランスとかもあるんでしょうね。

 

 フォアマン好き、リアルボクシングファンにはいろいろと、とやかく言いたくなる部分もあるかもしれませんがボクシングファン以外でフォアマンの奇跡をちゃんと知ってる人も少ないと思うんで(もっと知られていたら日本でも劇場公開されてたと思う)フォアマンを知ってもらう意味でも良い映画だと思います。

 100円で観れるのは期間限定なんで観るならお早めに!

 

若いころのフォアマンとカンバック後のフォアマン