すぐに「多数決」をしたがる子どもたち | 内山真吾のブログ

すぐに「多数決」をしたがる子どもたち

先日小学生のプログラムをしていて気になったキーワードが2つありました。

それは「多数決」と「ジャンケン」です。 

集団の中で意見が分かれると、子ども達は真っ先にこの2つを口にします。しかし、これらはせっかく生まれた「コミュニケーションの機会」を瞬時に潰してしまう事になります。

「多数決は最終手段だよ。まずはお互いの意見を聴いてみよう」と促すと、子ども達は自分の言いたい事を言って、相手の主張には一切耳を貸しません。
そこで、「自分の意見を言う事も大事だけど、相手の意見を聴く事も大事。最も重要な事は、自分の主張を通す事ではなく、集団としてより良い方向に進む事だよ」と諭すと、初めてそこから本当の「話し合い」が始まります。

私が見ていたチームは、4日間で何度も意見が分かれましたが、最終的に一度も多数決を使わずに、物事を進めていく事が出来ました。
教員からは、「実はいつもすぐ多数決になってしまって、少数派の意見が潰されてしまうんです」と言われました。

「多数決」は最終的には必要な選択肢です。しかし、意見が分かれた時こそ、「コミュニケーションのチャンス」です。
最初からそれを容認する事は、教育者としてもとても簡単な選択肢ですが、「教育」という観点から考えると、やはり好ましくないですね。

ちなみに「小学生」と書きましたが、今回の子ども達は3年生でした。
ですから、小学校中~高学年以上であれば十分に可能です。

なかなか学校では時間が限られていますので、難しい部分もあるかと思いますが、教育現場に携わる方々にはぜひ御一考頂ければと思います。