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横岳山頂 向こうに富士山がそびえる



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横岳山頂 同じようなピークが3つほどあり、そのたびにぬか喜び



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地蔵ノ頭から主稜線上を北へ



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この日は天気良好 北アルプスの雄大な山並みが望めた

肉眼ではよくわからないが、画像を拡大すると槍ヶ岳を発見



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南には富士山がくっきりと浮かぶ



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稜線上をたどる複数の登山客 赤岳と同じく人が多い



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8月末頃のテント泊は寒暖差に気をつけないといけない

起床時、あまりの寒さにスープを沸かす



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バス停前にある八ヶ岳山荘



 赤岳に登った翌日、横岳へ向かう。標高2825m、八ヶ岳最高峰の赤岳に次ぐ高さを誇る。

 前日と同じルートをたどり、地蔵ノ頭から北へ。赤岳の反対方向に位置する。地蔵ノ頭はちょうど、赤岳~横岳のほぼ中間。1時間程度の所要時間で到着予定。行者小屋のテント場を5時24分発、地蔵ノ頭6時5分、横岳山頂7時4分、行者小屋9時54分着。

 赤岳はザレ場の急登が特徴だが、こちらは2、3のピークを上り下りするアップダウンが特徴。鎖場もあり、ガレた足場が登り応えがあり、飽きのこない山行が楽しめる。赤岳と比較した場合のマイナー感は私好み。まあ、通常は行者小屋から文三郎道を経由して赤岳登頂、そこから主稜線沿いを横岳~硫黄岳と進み、赤岳鉱泉に下る縦走コースが主流であるが、前日の疲労を考えると、私には荷が思い。満腹でご馳走は食えない。まあ、赤岳と横岳だけなら1日でピークハントは可能。

 

 8月末だったが、朝晩の冷え込みは尋常ではなかった。3シーズン用のシュラフは仕方ないにしても、ロンTにウィンドブレーカーでは酷だったか、身震いするほどの寒さで2度ほど目が覚めた。テント内の結露も凄まじい。美濃戸口バス停にある八ヶ岳山荘に、最低気温は10℃と明記されていたが、数字以上に寒かった。秋の寒暖差は凄まじいと聞いていたが、テント泊の場合、40リットルのザックしか持っていないので、これ以上荷物が増えるとパッキングに苦労する。

 行者小屋に下山。テントを乾かすために日当たりのよい場所に移動。その間、単独行の中年登山客と山道具談義に華を咲かせる。数十年ぶりに山登りを再開したという名古屋の方で、最近の登山道具は素晴らしいと力説。軽量化を極めたと言う自慢の装備(テント1泊2日)一式を教えてくれた。男はいつになっても道具好き。

 帰路、バスの到着時間まで余裕があったので、八ヶ岳山荘で風呂に入る。5人ほど入ると一杯になるほどの広さの内湯で、沸かし湯だったが、疲れた体には心地いい。入浴料は500円。


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行者小屋のテント場から見上げる赤岳



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赤岳山頂 晴天時は眺望が素晴らしいとのこと

早朝に登ったほうがよい



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赤岳山頂荘から見た山頂



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赤岳山頂荘



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主稜線部の地蔵ノ頭から赤岳を望む



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赤岳展望荘へ荷物を運ぶヘリコプター



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地蔵ノ頭 ここまで来るのが長く感じる



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地蔵ノ頭まで急登が続く



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高度感のある階段



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しっかりと整備されている階段だが、何となく不安がつきまとう 心配性か



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地蔵尾根



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バス停から林道へ 美濃戸山荘まで車で行ける



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登山口の手前にある美濃戸山荘



 夏の最後の休日を利用して、南八ヶ岳の最高峰、標高2899mの赤岳へテント山行を決行。

 JR茅野駅~(バス30分)~美濃戸口~行者小屋(テント1泊)、翌日に赤岳ピストンで帰宅予定だったが、思いの外、早く行者小屋に到着したため、赤岳へ向かい、翌日にお隣の横岳を目指すことにした。金も時間も余裕のない貧乏性が抑えられない。これが失敗したのか、あれから2日経過した今、何とか仕事はこなしているが、テントや登山靴の手入れもできないほど疲労困憊。久しぶりにテント装備込みのザックの重さが足首と膝を苛め抜いたようだ。


 美濃戸口バス停に到着後、登山口のある美濃戸山荘まで約1時間。ゆるやかな登りの林道をひたすら進む。赤岳山荘を通過し、美濃戸山荘へ。ここから北沢ルートと南沢ルートへ登山口が分岐。行者小屋~赤岳へは南沢ルートが近い。沢沿いの登山道を行く。ここから行者小屋までは急登は皆無。3000m近い山に登っているという感覚はない。行者小屋までの標準タイムは2時間強だが、テント場で出会った健脚登山者は1時間で到着したと言っていた。足元に転がる石が多少歩きづらいが、余裕を持って臨める快適な登山道である。休日のため、ひっきりなしに行き交う登山客への挨拶が若干煩わしいが、踏み跡もしっかりしているし、道迷いの心配がないのも初心者にはうれしいところである。

 バス停を10時15分に出発し、12時50分に行者小屋へ到着。すでにテント場には多くのテントが並び、日当たりの良い場所はなく、ぽつんと離れた木陰へテントを設営することに。テントは200張りはいけるとのことだが、そこまで広いとは思えない。どう見積もってもその半分ほどだろうか。

 さすがに3回目のテント泊ともなれば設営もすぐに済んでしまう。13時を少し回ったところ。雲も出ていない。赤岳山頂までは標準タイムで1時間40分ほど。熟慮した上、15時までに到着できなければ下山、雨が降ってきたら下山という条件付きで、赤岳へ登ることにした。行動食とレインウェア以外、不要なものはテントに置いて出発。

 地蔵尾根から山頂へ。林道を進むと本格的に傾斜がきつくなり、岩稜が姿を現す。“岩の山”といわれる所以がよくわかる。主稜線部に至る地蔵ノ頭まで急登が続き、梯子の連続や鎖場では気を抜けない。一歩足を進めるごとに微妙に軋む梯子や階段に恐怖を感じる。山の中の人工物はその違和感からか、信用がおけないのだ。

 上部になるにつれて背の低いハイマツ帯になる。この辺りから赤岳展望荘や、そのむこうに赤岳山頂が目に入るので精神的にゆとりが出てくる。山頂にも山小屋があるので、悪天候に見舞われても安心だ。ご来光目当ての登山客はここを利用するのがよい。赤岳展望荘を通過すると、最後の登りが待っている。小石の上を歩くため、スリップしやすく、鎖場もあるので注意が必要。登り切ると赤岳山頂荘に到着。50mほど奥に行ったところが山頂になる。15時6分に山頂到着。周囲を覆うガスのため、眺望はほとんど望めず。テントを背負った分の疲労を鑑みて、登頂結果の達成度は著しくマイナス。予定外の行動は良い結果を生まないことが身にしみた。

 山荘宿泊客が山頂に陣取っていたため、即退散。16時28分に行者小屋着。

 翌日は早く起きれたら横岳へ。そうでなければ下山しようと心に決める。




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山頂



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山頂のど真ん中に巨岩があり 狭い



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山頂からの眺望



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山頂に近い神社 ニホンオオカミ像が特徴



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清滝小屋 避難小屋として利用できる



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清滝小屋の内部



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鎖場は5、6ヶ所ある



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山頂に近い登山道が崩落していた 左側の尾根上に別ルートあり



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右側が正規ルート この岩場を直登すると別ルートにでる



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大雨後のため、いつもより増水 流れも急で足場が見えない



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日向大谷口を登ってすぐに位置する両神山荘



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お父さん犬を彷彿させる両神山荘の飼い犬(メス) 息子犬あり

登山者が来ると入り口まで出迎えるという特技がある



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当初の予定ルートだった坂本~八丁峠コースの登山口



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沢に行き当たってから林道が極端にわかりづらい

雨が降ったので撤退



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両神山荘に宿泊中 落雷で停電 窓の外から雷光のみ輝く 



 東京近郊から日帰りが可能な両神山。日本百名山に数えられ、休日には多くの登山客が訪れる。メインルートの日向大谷口から山頂まで約3時間。沢越えや鎖場があるものの、難度はそれほど高くないとのことで、林道、沢沿い、岩場など、バラエティに富んだ内容で登り応えのある山である。ただ、この山は、北側の八丁峠から登る急峻なルートが有名で、かなり危険。あえてそちらから登るのが通なのだとか。山友達にそそのかされ、このたび、噂のルートを挑戦することになったのだが…。


 マイカーがないため、八丁峠に行くためには西武秩父駅からバスで坂本へ。坂本から八丁峠まで林道を歩くこと約2時間。そこから30ヶ所以上の鎖場を登っていくのだが、この坂本~八丁峠間の林道が正直ひどい。ゴミは多いし、基本的に整備もしていないのだろう。沢沿いの道はゆるい土道で何ヶ所か崩落しかけていた。八丁峠からの登山客はマイカー利用が大半を占め、このルートの整備には力を入れてない模様。また、当日の気温は30℃。八丁峠にたどり着くまで蒸し暑い林道をひたすら歩くのは堪えた。

 何とか八丁峠まではたどり着いたものの、突然の雨。やむ気配はなく、雨に濡れた鎖場を登りきるのは無理そうなので、この時点で撤退を決意。しかし、このまま帰るのもシャクである。そこで、メインの日向大谷口へ向かう。しかし、時間的にも厳しい。無理を承知で両神山荘に連絡し、1泊させてもらえることになった。バスの待つ間に拝借した宿のパンフレットが役に立った。

 両神山荘に着いたのは16時半。風呂と食事をいただき、就寝。この日の宿泊客は私のみ。

 夜、激しい雷雨に見舞われた。翌日の天気予報は晴天だったが、山沿いは不安定とのこと。嫌な予感がした。

 翌日は快晴とはいかないまでも晴れ間がのぞき、6時半に宿を発つ。前日の雷雨の影響で沢が増水しているので気をつけろとのアドバイス。

 日向大谷ルートは危険ヶ所が少なく、登りやすさに定評があるとのことだが、大雨後は結構大変だった。最初の林道を抜けると七滝沢コースと清滝小屋コースの分岐点に出る。清滝小屋コースが一般で、七滝沢コースがマイナールートである。ただ、地形図を見る限り、清滝小屋ルートのほうが沢越えが多い。増水の心配もあり、一度は七滝沢コースに向かおうと考えたが、宿のご主人から最近、事故があったと聞いた。験が悪そうなので清滝小屋コースを選択。しかし、最初の沢越えで増水のため、足場が見えない。で、わざわざ上流まで上り、何とか渡ることができた。この時点で、楽な登山との考えは捨てた。また、この沢沿いの登山道は土砂崩れが起こり、何ヶ所か登山道がつぶされており、足場も不安定。ルートもわかりにくくなっていた。これで昨夜級の雨でも降ったら…と思うと気持ちが急かされる。

 沢沿いを登りきると清滝小屋へ。ここまでで約2時間。標準タイムよりも若干遅め。清滝小屋は現在は営業しておらず、避難小屋として活用されている。中は比較的きれいで、フトンなどもおいてあった。登山者用のノートを見るとここで1泊する人が多いようで、緊急時の避難小屋ではなく、無料の山小屋といった感じだ。水場もトイレもあるので利用しやすいのだろう。

 清滝小屋を出ると山頂に向けて急登が続く。4ヶ所ほど鎖場もあるが、ほとんど鎖を使わないでも登れる。ただ雨で滑りやすくなっていたので必要以上に慎重になった。鎖場を越えると神社がある。信仰の山としての証でもある。神社を越えるとあとは山頂に向けて緩やかな登りになる。地権者によって今は廃道になった白井差ルートと平行して登山道があるのが奇妙な感じだ。白井差ルートは歩きやすいのだが、途中途中に縄を張っている。 

 で、ここまで順調にきていたのだが、神社~山頂のちょうど中間地点に差し掛かると登山道が2mほど完全に崩落してしまい、滑りやすそうな岩がむき出しになっている。これは通過するのは難しい。せっかくここまできたのに山頂に立てないのは運が悪いとしかいいようがない。

 で、一旦は下山しようと引き返したのだが、周囲の地形を見ると崩落した登山道の左側の尾根上を辿れば山頂に行けそうではないか。ちょうど登りやすそうな岩場があったので、そこを登ると、何気に登山道と変わらない踏み跡が残っている。そういえば、現在でも白井差ルートは地権者に頼めばピストンのみ利用できると聞いた。恐らくこれが白井差ルートなんだろう。そのまま登り続けると山頂直下で正規ルートと合流する。

 山頂は狭く、岩場のため、長居できない。晴天時は富士山も見られるが、ガスが出始め、眺望はそんなによくなかった。


 両神山は標高1723mと数字上では登りやすそうだが、雲取山や大菩薩嶺よりも楽勝で危険度は高い。不注意とはいえ事故を起こす人がいるのもうなずける。そんな山だ。八丁峠ルートがどれだけきついか想像に難くない。

 


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栗沢山山頂 岩場のため登りがいがある

登山客は皆無



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栗沢山山頂の北側に見える甲斐駒ヶ岳



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山頂付近では日の出と共に虫が白く輝いていた



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小規模な岩場もある



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甲斐駒ヶ岳山頂へは登山客が列をなしていた



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雪と見まごうばかりの花崗岩の山肌



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白い岩肌に刻印されたような奇妙な模様



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ガスにまかれながら登る行列は巡礼者のよう



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山頂にある祠



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山頂



 8/6(金)。北沢駒仙小屋テント場。早朝3時。あたりは暗闇に包まれているが、すでに今日の山行のために登山客が準備を始める。それまでの静寂が嘘のように活気づいた空気。今日は甲斐駒ヶ岳に登り、13時のバスで帰宅予定。往復の標準タイムは約7時間。朝5時に出発すれば恐らく間に合うだろう。シュラフに再度もぐりこむ。

 昨日テントで横になっている間に地形図を確認した。仙水峠を経由するルートを計画していたが、突発的に予定変更。多少遠回りになるが、鳳凰三山方面へ向かう栗沢山へ登り、甲斐駒ヶ岳の全容を撮影した後、山頂を目指すことにした。暗がりの中、4時半にテントを立つ。

 ほとんどの登山客は正規ルートに向かったようで、栗沢山へ向かう登山客は私のみ。暗闇の中、ヘッドライトの明かりだけを頼りに進むのはなかなかオツなものだった。

 栗沢山に辿り着いたのは6時頃。標高2714m、テント場から約700m登り続けなくてはならない。前日の仙丈ヶ岳で多少体力を削られていたが、朝露を含んだ空気が火照った体を癒してくれる。山頂直下で日の出を迎えたが、周囲を埋め尽くす雲海に加え、小さな虫が陽の光を浴びて輝く様は幻想的だった。ひと手間かけたかいがあった。

 栗沢山から甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山の山容を撮影した後、すぐに仙水峠に下り、駒津峰まで再び急峻な登りが続く。駒津峰に辿りつくとピラミッド型の甲斐駒ヶ岳が目の前に迫る。山頂部は花崗岩で覆われ、残雪のように白く輝くのが特徴で、南アルプスの山々の中でも一際異彩を放つ存在。かつては信仰登山のメッカとして栄えたという。

 駒津峰を越えると岩場が多いヤセ尾根を進むことになり、多少危険度も上がる。さらに巨大な奇岩が並ぶザラ道を進む。ふんばりのききにくい山肌を一歩一歩進むのだが、登山客が列をなして山頂を目指す様は巡礼者を彷彿させる。ガスに覆われていたが、時折山頂が顔を覗かせ、雄大な姿に目を奪われる。

 山頂には祠があり、信仰の山を偲ばせる。ガスに覆われ、眺望は見込めなかったが、樹林帯、岩場、ザレ場と変化に富んだ登山道は飽きがこない。帰りは駒津峰まで戻り、双児山を経由して北沢峠へ。12時にテント場に戻り、撤収作業。13時のバスの乗り、南アルプスを後にした。1泊2日で充実の山行だった。


 現在は北沢峠からの登山道が距離も短く人気だが、かつては韮崎駅方面からの黒戸尾根が主流ルートだったという。その標高差2200mを常に登りっぱなしということで、次回はそちら側から登ってみるのもよさそうだ。


 

 


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新宿駅発のムーンライト信州 日本アルプス登山客ご用達



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北沢峠には山荘や山小屋が豊富 バス停から10分ほどの北沢駒仙小屋



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駒仙小屋前のテント場 学生山岳部が目立った



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五合目の大滝頭 この辺りまで樹林帯



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森林限界を越える 振り返ると甲斐駒ヶ岳が目に飛び込む



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途中の小仙丈ヶ岳 眺めは抜群によく、ここを目的地にする人も



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小仙丈ヶ岳から望む仙丈ヶ岳



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仙丈ヶ岳直下に位置する仙丈小屋



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真ん中に見えるのが仙丈ヶ岳



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途中の稜線上から山頂が見える


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山頂は絶えず多くの登山客で賑わっていた


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山頂からの眺め(南側) 大仙丈ヶ岳へ尾根道が続く



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帰路にライチョウを見かけた

 「山高きが故に尊からず」とはいえ、やはり登った山の標高は気になるところ。山登りを始めて約5ヶ月、遂に3000m超の山に挑むことにした。

 その相手に見初めたのが南アルプス、標高3033mの仙丈ヶ岳。美しい山容と多数の高山植物が楽しめることから“南アルプスの女王”の異名を持つそうだが、危険ヶ所も急峻な登りもないとなると、3000m初体験の筆おろしのお相手としてはまさに申し分なし。標準タイムこそ約7時間とそこそこかかるが、北沢峠に相対する甲斐駒ヶ岳の荒々しさ比べて、誰でも受け入れてくれる慈愛に満ちた母性の山といったところである。


 8/5(木)。1泊2日の日程で、仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳に登るため、新宿~松本駅を結ぶ夜行列車「ムーンライト信州81号」を利用し、甲府駅へ。乗客の大半は登山客ばかり。平日であったが、車内放送で座席はすべて埋まっているとのこと。通常料金+指定席分500円で利用できるのがうれしい。ちなみにこの列車を利用しない場合、甲府駅発のバスは早朝4時の後は9時まで待たないといけない。となると、最終的な到着時間は11時半。1日目は時間の浪費になり、貧乏性には向かない優雅なスケジュールになる。

 で、甲府駅に2時24分下車、4時発の南アルプス行きバスを待つため、浮浪者同然にベンチに横になる登山者で溢れ返る。1時間30分の待ち時間は暇を持て余すかと思ったが、眠気に任せてまどろんでいると、すぐにバスがやってくる。約2時間で北岳への登山口となる広河原へ。目的地はその先、広河原からバスを乗り換え、約30分、北沢峠に到着。バス停に近い北沢駒仙小屋前のテント場をベースとして、当日、仙丈ヶ岳へ。明日、甲斐駒ヶ岳へ登る予定である。このテント場は、どちらの山にも往復7時間ほどでアクセス良好。私が到着した時もすでに多くのテントが並んでいた。小屋でテントの申し込みをした後、すぐに設営。行動食や着替えなど、最低限の装備のみを持ち、残りの装備はテントに残して身軽に。前回のテント縦走で懲りたため、定泊型に変更。力のない私にはちょうどよい。

 テント設営の後、8時に仙丈ヶ岳に出発。最初は樹林帯の中をひたすら登る。五合目の大滝頭を通過してしばらくすると森林限界を越える。背の低いハイマツ帯になるため、一気に眺望が開く。北岳や甲斐駒ヶ岳など、大パノラマが目に飛び込んでくると3000m峰に登っているという実感が湧く。

 最初のピークである小仙丈岳には10時24分に到着。ここからカールを抱えた仙丈ヶ岳がよく見える。目的地がわかるとおのずと力も漲る。ハイマツ帯を一度下り、岩が転がる稜線を進む途中、60リットルのザックをパンパンにした女子一行を追い抜く。この先、テント場はないため、縦走訓練か。素直に感心。

 仙丈ヶ岳山頂に11時32分着。山頂からの眺望に疲れも吹き飛ぶ。多くの登山客で賑わい、中には2人の幼児に加え、赤子を背負って登ってきたご家族もいた。山頂からの眺めを楽しみつつ、食事をしていると急激にガスが発生。瞬く間に視界が閉ざされる。回復の見込みがないため、すぐに下山。明日の甲斐駒ヶ岳に向けて休息を優先することに。

 

 初めての3000m峰だが、北沢峠~仙丈ヶ岳の標高差は約1000mほど。以前に行った乾徳山とほぼ同じため、体力的な問題はなかった。眺望はさすがに目を見張るものがある。