奥佐間の正体は・・・ part2 | 奥さま聞いてよ!ブログを愛すネット体質人間の生活

奥佐間の正体は・・・ part2

皆さま聞いてください・・・

そして、私を叱ってください・・・

 

 

 

 

激しい一夜を過ごした元カノと私は、ファミレスで

朝食を取ったあと駅で別れました。一人になった

私はカバンに入れていた携帯電話を取り出し、歩

きながら通話とメールの着信を確認しました。

 

 

 

 

  「計画通りだな・・・」

 

 

 

 

メールや通話の発信者だけを簡単に確認して

一言つぶやくと、それまで通りに通勤ラッシュで

ごった返す駅の雑踏の中を職場へと向かった

のです・・・。

 

 

 

 

その日は、普段忙しいエリートビジネスマンの

にしては珍しく外出することもなく、一日中社内で

事務的な作業を淡々とこなしました。明け方ま

愛の野獣と化してヘトヘトだった私にはありが

たいスケジュールで、我ながらエリートとして

つのない自己管理能力感心したものです。当

然、残業をすることもなく定時で職場をあとにする

と、婚約者が待っているであろう自宅へと家路

を急ぎました。

 

 

 

 

小一時間ほどで我が家へとたどり着きました。婚

約者がいることは、マンションの敷地に入る前に見

える自室に点いた照明で確認しています。私は玄

関ドアをすぐに開けることはせずに深呼吸をする

と、まるで死刑判決を受けた直後の死刑囚の様な

絶望感を想像し、意図的に自分自身の気持ちを

深く落ち込ませました

 

 

 

 

出来るだけひっそりと音を立てないように玄関か

らリビングへと移動すると、やはり婚約者は一足

先に帰宅していました。しかし、テレビもつけず定

位置とは反対の場所で、私に背中を向けたまま

微動だにしません。エアコンが動いているとはい

え、さほど涼しくもないのに私の背筋に冷たいも

が走りました・・・。

 

 

 

 

  「た・・だ・・い・・ま・・」

 

 

  「・・・・・・・・・・」

 

 

  「た・・・・だ・・・・い・・・・ま・・・・」

 

 

  「・・・・・・・・私からのメール見ていないの?」

 

 

  「あ、あぁ・・・、見たからこうして早く帰ってきたんだけど・・・」

 

 

 

 

そうです、朝、駅で確認した携帯電話には、婚約

者からの通話とメールの着信が山のように表示

されていたのです。昼休みにメールを確認したと

ころ、私の浮気を疑うどころか確信して、私を

める内容のものばかりでした。会社で痴話げん

をするわけにもいかず、こうやって早めに帰っ

てきたのです。

 

 

 

 

  「夕べは誰と一緒だったの?」

 

 

  「夕べって・・・、夕べは接待で・・・、そのあとはサウナで・・・」

 

 

  「あなたがそんなに嘘つきだとは思わなかったわ!」

 

 

  「・・・嘘なんか・・・ついてないよ・・・、何を根拠に・・・そんなことを言っ

てるの・・・?」

 

 

  「証拠を見せろってことね・・・いいわよ。じゃあ・・・あなたの携帯の発

  信履歴を見てみたら?」

  

 

 

 

私はカバンから携帯を取り出すと、婚約者から言

われたとおりに発信履歴を表示させました。

 

 

 

 

  「一番最後の私への発信記録を見てよ・・・」

 

 

  「ん・・・?・・・あ・・・」

 

 

 

 

私の携帯には、夕べまさに私と元カノが野獣と化

していた時間に婚約者へと発信した履歴が表示

されていました。

 

 

 

 

  「自分で浮気現場の実況生中継しておいて、証拠を出せなんてよく言

   えたものね・・・」

 

 

  「・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

  「こんな状況じゃ、結婚のことも考え直した方が良さそうね・・・」

 

 

  「ご、ごめん!!!僕が悪かった!!!全面的に非を認めるし、君の

   要求は何でも聞くから・・・婚約破棄だけは勘弁して・・く・・だ・・さい・

   ・・」

 

 

 

 

私はエリートのプライドを投げ捨てて土下座しま

した。

 

 

 

 

  「私だって子供じゃないから、男性の浮気心にある程度の理解はある

   つもりよ。でも、音だけとはいえ、浮気現場を見せつけられるような目

   にあって、黙って耐えていられるほど都合のいい女にはなりたくない

   の」

 

 

  「も、も、もちろんだよ!これからは君中心でやっていくよ。出来ること

   は何でも君の言うとおりで構わないよ」

 

 

  「ふぅん・・・、なんでも?」

 

 

  「はい・・・なんでも・・・」

 

 

 

 

この時、婚約者の妖しく輝き冷たい微笑み

を浮かべた事を、私は見逃しませんでした。

 

 

 

 

  「じゃあ前から気になってたこと・・・、あなた、自分ではさりげないつも

   りだろうけどエリート意識が強すぎるのよ」

 

 

  「エリート意識・・・?」

 

 

  「そう、あなたがどれだけ優秀だろうと、どんなに立派な友人がいようと

   私にはほとんど関係ないことだから、必要以上にひけらかさないで欲

   しいの」

 

 

  「はい・・・」

 

 

 

 

もはや私に反抗する権限は残されていません・・

・。

 

 

 

 

  「時間にルーズなのもなおしてくれる?最初から無理な時間に約束

   して、何度も変更されると時間の無駄なのよ」

 

 

  「はい・・・」

 

 

  それに子供じゃないんだから、ちょっとミスを指摘したくらいで無視し

   ないで」

 


  「はい・・・」

 

 

  「他にもたくさんあるけど、それはその都度なおしてもらうとして・・・最

   後にひとつ・・・」

 

 

  「最後に・・・?何かな・・・」

 

 

  「ん・・・言いにくいんだけど・・・あなたのエッチって粘着質であぶらぎ

   った中年オヤジみたいで・・・私の趣味とは合わないのよ・・・」

 

 

  「合わない・・・?」

 

 

  「そう、自分で言うのもなんだけど、私は竹を割ったような性格だし、ど

   っちかというと攻撃的な面が強いのよね・・・」

 

 

  「うん・・・」

 

 

  「だから、あなたの好きにされるより、私の好きにしたいって気持ちの

   方が強いの・・・」

 

 

  「つまり・・・女王様タイプってこと・・・?」

 

 

  「そういうことかな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

キ、キ、キ、キタ━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!

 



 

ついに私の長年の願望が叶う時が来たのです!





賢明な読者の皆さまならもうお分かりでしょう。

 

 

 

 

そう、私、奥佐間はマジョマゾだったのです!

 

 

 

 

幼少時代からエリートコースを歩き続けてきた

私は、常に周囲の期待に応えなければならない

と言うプレッシャーと戦い続け、その結果、平凡

な人生を送ってきた皆さまには想像も出来ない

トレスを抱えてしまっています。それを解消しよう

と頑張れば頑張るほど自分の優秀さをアピー

してしまい、逆にストレスが増大するという矛盾

悩まされてきました。

 

 

 

 

そんな私に残されたストレス解消の方法は、情

けない惨めな自分をさらけ出すことしかなくなっ

ていましたが、故意に仕事で失敗したりするなど

とうてい出来るわけもなく、いつしか私の興味は

性的なものへと移っていったのでした。愛する

女性を女王様とあがめ、惨めに虐げられつつ

も喜びに浸る自分を長いこと夢見ていたのです

。元カノとの情事の際に決心した計画とは、こ

のためのものでした。

 

 

 

 

昨晩、元カノとの二回戦に臨む前、私は自分の

携帯電話に婚約者のメモリーを表示させ、ベッ

ドの脇のティッシュボックスの陰に置きました。

そして、元カノを抱き寄せた時にそっと発信ボタ

ンを押したのです。あとはお分かりの通り、当然

のごとく二人の野獣のような歓声が婚約者の携

帯へと送り続けられました。電池が切れてなかっ

たことから、婚約者は聞くに堪えず途中で切った

のでしょうが。

 

 

 

 

とにかく、私の計画は計算通りに実現し、その後

の私はストレスを溜めることなく公私ともにエリー

トの王道を順調に歩んでいます。もちろん、婚約

者は今では妻として女王様として、日常生活にも

夜の生活にも君臨しています。私はと言えば、

ログで読者に喧嘩を売り批判の嵐に晒されると

いう新しいストレス解消方法も見つけ、幸せな毎

日を送っています。

 

 

 

 

夜も更けて参りました・・・。

この話はこれで終わりといたします。

機会があれば、また私の女難ストーリーを聞いていただけたら幸いです。

それでは

 

 

 

 

            -完-

 

 

 

 

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