栗東トレーニングセンターの石坂正厩舎、ここに、ヴァーミリアンが長く入厩していました。
「ヒュヒュヒュヒュ~ン!」
ヴァーミリアンは、大きい雄たけびで、いななき、過ごしていました。
調教の時間になると、ヴァーミリアンは、調教助手が乗り込み、パカパカと歩めていました。
キャンターに入ると、ヴァーミリアンは、パカッ、パカッ、パカッ、パカッ、と走りだしては、調教されていました。
朝の餌やりが始まると、ヴァーミリアンは、飼葉桶に、飼葉を入れては、食んでいました。
「ウーーーー!」
う
「ボト、ボト、ボト ボト、ボト。」
ヴァーミリアンは、大きなうんこを落としては、体を整えて、レースに備えての休養をしていました。
月曜日の、栗東トレセン、石坂正厩舎も、休日になり、調教師以下スタッフも、一部を除き、休んでいます。
ヴァーミリアンは、エルコンドルパサーを父に、スカーレットレディーを母に持つ、黒鹿毛の男馬で、朱色という意味のイギリス語に由来する、きれいでたくましい体を持つ馬です。
シャワーを浴びていると、大きい雄たけびを鳴らし始めました。
「ヒュヒュヒュヒュ~ン!」
ヴァーミリアンの雄たけびです。
2歳の時に、競走馬デビューを果たして以来、19戦5勝を中央競馬で挙げ、13戦10勝を、地方交流競走で挙げた、ヴァーミリアン、最初は、芝でデビューし、後にダートコースに変更して、今年の12月8日現役を引退するまで、競走馬として活躍した、ヴァーミリアンの功績は大きいのです。
「ブルルルルルルル!」
ヴァーミリアンは、鼻息を鳴らしては、生まれ故郷・北海道の雄大な大地を想い出しては、見つめていました。
厩舎に夜の暗さが来て、明りを付け始めました。
水やりの時間になり、ヴァーミリアンなどの競走馬たちが、一斉に飲み始めました。
「ゴク、ゴク、ゴク」
ヴァーミリアンは、美味しい水を飲んでいました。
おちんちんが、長く伸びて来て、放尿が始まったのです。
「バシャーーーーーー!」
ヴァーミリアンは、いいおしっこを出して、体を整えていました。
ヴァーミリアンは、ごろんと横になり、眠りにつきました。
こうして、ヴァーミリアンの、月曜日の休日の一日が終わりに着いたのです。
ヴァーミリアンも、すやすやと眠りながら、北海道の夢を見ていました。
エルコンドルパサーを父に、スカーレットレディーを母にもつ、美しくきれいな黒鹿毛の馬、朱色という意味の、イギリス語に由来する、大きく、優しい、男馬、それが、ヴァーミリアンです。
「ヒュヒュヒュヒュ~ン、ブルルルルルルル!」
砂の絶対王者・ヴァーミリアン(8)へ続く。