すかいうぉーかー -12ページ目

すかいうぉーかー

CRAZY=SPELL−BOUND









なんでかよく分かんないのだが



頭に浮かんだのは、滋賀の熊さんだけだった










白いエナメルシューズでも、龍の刺繍の入ったネクタイでもなく


シックなスーツに、整髪料で髪を上げ

綺麗で堅苦しくないメガネをかけて
「はい、どーもー」と言った感じでマイクの前に立つ












いきなりブログの話、始めやがった








もうね

言ってはあったんだ



「何も気にせず、好きなように喋ってくれ」と




予想通りというか


それでも「そこは気を使うかな」とも思ったのだが

逆に「そこを話したいと思うかもな」 とも






本人が「是非コレを話そう」と思ってたと
おもっきし顔に書いてあるので仕方ない

嫁キンも横で苦笑い





両家の両親や、親族にいたっては『なんのこっちゃ』である
















「夫婦で歩む人生に
一番大切な事は『腹八分目』です」





軽妙な喋りの中に、真摯な気持ちと優しさが滲み出る








「“めおと”がイイと思いますね、女が先です」









この人は、一見分かりにくい



初対面で、ちょっと喋る事が出来たとしても、恐らく全然分からないだろう



実物は、優しい肉食獣であり
語り口調は穏やかで優しく、強く鬱陶しい自己主張とかも無い


聞いていると
常温の生理食塩水のプールにでも浮かんでいるかのような気持ちになる












1番分かるのは「文章」だ






始め方

選ぶ言葉

紡ぐリズム




およそ、日本語ほど その人の本質が分かる言葉なんて無いだろう



無機質な携帯やPCの画面の中の、設定された無味乾燥なフォントの羅列が



目に飛び込んで来た瞬間

その改行やレイアウトや送り仮名の配分で
1つの何かを形成する



逆に、全員が同じ条件という
“あの”状況だったからこそ


ソレは余計に伝わって来たのかも知れない





それが、あの ガラケーの画面にバッチリ ハマった

俺は、そう思っている





それぞれの携帯がバラバラなのだから

それぞれの画面じゃ

一度に表示される文字数なんかも違っただろうに














「お幸せに」













半分うたた寝のような、昔を辿る思考の海から引き戻され


耳触りのよい声が、そう    少し強い語尾で結んだ時


















俺の胸の中には

その何倍
幾つもの言葉達が、いっぺんに飛び込んで来た







(続










さて、俺も一旦 中座である( げぇえええップ)


控室に戻ると、嫁キンが かなり悩んで選んだ珊瑚色のドレスに着替え 髪型もチェンジしていた

このヘアメイクのオバちゃん、かなりファンキーな人で
口に出して「やってくれ」と言ったが最後、どんな悪ノリにでも応えるらしい

この時の髪型は、別に変な注文をした訳ではないらしいが
なかなか格好良くて、俺は勝手に気に入っていた


勿論俺は、お色直しなんかしないし
特にメイクもしていないが

自分の事では、特に何か楽しもうとも思ってなくても
こういうのを見るのは楽しかった



アテンド「では、こちらの裏手からテラスに出ます」







本当に裏手だった
RC造りの建物の、1階部分の張り出したルーフの上

非常口から出てみると、手摺も何も無い殺風景なコンクリート

エアコンの室外機がブーンと音を鳴らしている




おい(笑)





落ちる事は無いだろうが
本気かよと苦笑しながら、嫁キンの手を引いてテラスに回る

会場は窓にブラインドが降ろされ、中を暗くして俺らのプロフィールムービーが流されているところだ



ちょうど、俺のムービーか「Champagne Supernova」が、聴こえて来る

二人で顔を見合わせて、ニヤリとする



音楽は2人で本当に拘ったし、選んでて1番楽しかった
基本的に趣味が合うので「入場ならこういう感じで」とか、「フラワーシャワーにこの曲だと」とか、ワイワイ話し合いながら決めたのだ


新郎→新婦と、順番に
生い立ちから大人になるまでが写真で流されて行き

最後に2人で撮った写真が流される
曲は「歌声よおこれ」


担当者に「凄く、お2人らしいですね」と言われた曲








ムービーが終わり
司会者の音頭でブラインドが上がり、外には俺達がいるという趣向


外から、よく見えない中に手を振れと言われ
物凄く恥ずかしくて、盛大に苦笑いしながら手を振る






中に入り、席につくと
キャンドルサービス







・・・なんて、つまらない事はしない

用意されたたくさんの皿から1枚を持ち、各テーブルへ





社長「ん? コレは何かな」













フォーチュンクッキーです(超ドヤ顔)









順番に回りながら、1人1個ずつ配る
何人かが、反応して笑う


全て配り終わり、せーので割ってもらうと
中から紙が








当たった人ー




ハーイ!!(×10)






前に出てきてもらい、1言ずつ貰う
景品は、超高級「グランカルビ」だ(←ポテチ)



しっかりと、俺の横にいぶ姐がいた



俺「姐さん、流石ですな」



いぶ姐「まぁ、当然やな。 ただ・・・」













「一昨日食べたけどな」

「返せよ」








まぁ、そんなこんな









いよいよ、友人代表の祝辞である






キーコ?





ウッちゃん?





アラブさん?











いやいや(笑)
















「どーもー、つくねと申しますー」











(続















披露宴が始まった

俺らの挨拶に続き、ウチの社長・嫁キンの職場のボスの主賓祝辞

社長が明らかにその場で考えてるのに対して、ボスさんは完全に仕込んで来ていて

こういうのが、好きなのか
今日が特別なのかは分からないが、社長の倍以上も喋っていて
それが何だか、俺の方が嬉しくなって来る



俺は少し肩の力を抜く事が出来た




嫁キンは、この診療所の 自分が居る科のオープニングスタッフであり
今や、この診療所にとって 無くてはならない存在だ


しかも、かなりの重鎮な上に
下からは恐れ崇められてるぐらいの気風の良さで、職場内では皆のオカンみたいな存在らしい

Duo連中からは「可愛い~ドキドキ」とか言われてるし、そこは俺も否定はしないが



皆は、このトチオトメのもう1つの顔は知らないのだ

まぁ、昔から末の妹みたいな扱いされてて
実際に会った時だって、常識的にキチンと遠慮してるしな








乾杯の挨拶は、ウッちゃんだ


ウッちゃんはかなりキチンとした事を言ってくれて、ああ ちゃんと調べて考えて来てくれたんだなと嬉しくなる(最後に余計な事言いやがったが)


多分、立場が逆でも 俺も同じ事をする気がした


10年来




そういう歳

そういう立場









シャンパンが喉を通り、少しホッとすると
随時食事が運ばれ始める

雲丹、マグロとアボガドのタルタル等の綺麗な前菜の盛り合わせから、大和しじみとフカヒレのコンソメ

白くフワッとした何かの皮のような物で薄っすらと包まれた手長海老に、トリュフの入ったソースがそえられた物




あんまり食べれなかったが、ちょこちょこ口にする1口1口が、いちいち美味い




嫁キンの1番の腐れ縁友達のスピーチを交えながら、祝宴が進んで行く


RADが乱さん、ケルさんと喋っているのを面白く眺めていると

新婦がお色直しでの中座となった



広域指定系の組長みたいな叔父さん(実際は、お茶目でメチャクチャ良い人)にエスコートされて中座すると

様々な人がビールを次に来てくれた




アテンドさん「テーブルの下にバケツがありますので」




舐めんな












俺も、暫くして中座となったのだが


後半、ビールで殆ど腹一杯になってしまい

メインの肉は一口も食わずに終わった









(続





























































マジか





いや、本当にマジか










いやー



えー(笑)















悪くない


いや、結構好きなんだけど



なんかこう、イタリアに被れたGACKTと言うか


プロアームだの 星型ホイールだの トラスフレームだの
パニガーレそっくりな顔だの





素直に受け入れられない物を持ち過ぎてないかコレ





本当にKAWASAKIが出すのかよコレ










でも、考えちゃうなー(笑)




























降りきって振り向き



さぁこれから、ブーケトスだの 記念撮影だのを

という、時だった























担当者「あの、パツ様すみません。今、受付の方から連絡がありまして


“○※∈ヨウコ”様がフラワーシャワーから

“◇◎▽”様と言う方が1時間後ぐらいからご出席したいとの事らしいのですが






















◇◎▽ってのは、中佐くんだ

来れないって話だったが、まぁ 急遽そうなったんだろう





それよりも ○※∈ヨウコ









そんな名前の知り合いに心当たりは無い


だが、知りもしない人間が こんな所のこんなイベントにわざわざ来る筈もないし


それなら、Gが何か仕込んで 偽名でも語らせているんだろう







九州か?

あの人か、それともあの人辺りが







考えても分からないので、直接顔見てから考えりゃイイか   と
































どう思います?


これから、ブーケトスだって時に

ふと、横を見たら
全く心当たりの無いコレが居たら












体格が男じゃない

じゃあコレが ○※∈ヨウコ か?




思ってた、九州支部の人間でも無い
それは、雰囲気ですぐに分かった

俺の知る限り、こんな人物は居ない









すぐに切り替える
今、考えても意味が無い


全く知らない人間だとして
特に何か危害を加えようとかしてる訳じゃないのは、お面の下の目を見れば分かるし


何かしようってんなら、その場で動けなくしちまえばイイだけの話だ







和やかにブーケトスが行われ

全員での集合写真



寄せ書きがたくさんされたボールを、撮影スタッフがニヤニヤしながら俺に渡し

「はい皆さん! 両手をこうして、上に上げながら “フーッ♪”と、叫んでくださいね!!」








“分かっている”何人かの人間がニヤリとしながら







披露宴が行われるテラスに移動


俺らは、一旦控室






















喰らうの  か



















もう、それしか考えられなかった




そして、俺らもテラスに移動し
披露宴が始まる前に、みんなと喋ったり 写真を撮ったりする時間があり



乱さんと 秋雨と Gが一緒になってニヤニヤしながらコッチに来たのを、ニヤリと迎える


うわー

すげー


でも、まだ序の口(笑)












席につく










一人の女性スタッフが話しかけて来た












「喰らうの  です」




俺「やっぱりね」















「何やソレ(笑)」と、苦笑いしながら そそくさとテラスの方に消える姿は この世の物とは思えないぐらいに美しく





だが、そんな事よりも
俺が雷に撃たれたのは


















彼女が、式場スタッフにしか見えないパンツスーツに身を包み

この式場の、本物のマークとロゴが入った
名前の箇所には“倉宇野”と書かれた名札を胸に付け


インカムみたいなのを耳にして、それっぽいファイルまで持っていた事だった








(調べたのか  ネットか何かで)



その完成度は

Gのレベルを遥かに越えていて  










しかも、旦那も子供も居る身で

ブログの事だって理解されているのかも



京都から、コッチまで

これだけの物を仕込んで








多分、すんなり決めた訳じゃないだろう

だが、やると決めた途端に
プロ並みの隙の無い手際




峰不二子みたいだ


















俺はこの人を
一瞬で「凄え」と認め、嬉しくなってしまった(笑)










(続














安楽亭の






石焼きブリュレ







すんげー美味い









久々の衝撃だった







ラウンジで、どのような邂逅が行われているのだろう



それだけでも、楽しくなって来るが
俺らは俺らの1日を進める








両親と共に
式のリハーサルをそそくさと行ない

脇の小部屋に入るとほぼ同時に、出席者の入場が始まる




まずは、俺が1人で行く
足音が大体中に入ったと思ったら、すぐに扉の前でスタンバイし

インカムで連絡し合うスタッフ達の、隙の無い進行に従い
ガラの悪い坊主頭が、似合わないタキシードでバージンロードに踏み入る



もう、自分の頭で考える事は何も無い


列席者の方に向き直ると












うわ








そうそうたる


いや、そんなもんじゃ済まない




嫁キン側も、例の動画に沢山送って貰っていて

それが半端なく面白いのばかりだったので、殆どの人の顔が分かるのだが


それにも増して、俺側








非道い

非道過ぎるwww





そりゃ、一見 そんなに柄悪いのは居ないですよ



でもさ、分かる人には分かるような

『目が違う』のしか居ないんだよ


バイクにしてもDuoにしても





素人じゃないっつーか

ひと癖とか、そんな可愛いもんじゃない









だが、そんな事も一瞬


すぐに、集中する




多分、顔に出てただろうが

俺は、完全に走ってる時の状態になっていた








人前式なので、コチラで選んだ10人が薔薇を1輪ずつ持って歩き


立会人を頼んだ滋賀の夫妻が署名や宣言のスピーチ





チェッカーは近い













一旦退場

前室から、もう一度場内









そして











怖いぐらいの快晴


























そりゃそうだろ
















メンツもメンツ




そして何より















俺は、これから共に歩んで行く伴侶の笑顔と
眩しい青空を交互に見ながら



花びら塗れになって、階段を降りた







(続















「当日は7:45に出よう」と話してた









7:40

完全に熟睡していた俺を、「嘘でしょ!?」と嫁キンが起こしに来た








別に楽しみにしてない訳じゃないが


自分“個人”のお楽しみではない事と
今日はもはや、一瞬一瞬の判断とかが必要ない操り人形状態で良い事で、俺には一切の緊張感が無かったのだ





普段は音頭を取った上に、アレコレ取り仕切らにゃならないパターンばっかだから

大型イベントとしては、物凄くラクな方である








ほぼ定刻通りに到着すると、程なくウチの親が来た
お袋が着付けとメイクを頼んでるので、入り時間が同じなのだ






「んじゃ、後でね」






花嫁はここから既に闘いが始まるが
俺はカーテン1枚隔てた横で、1時間近くボケッと待ってるのみである


メイクが施され、髪が綺麗にセットされて行く

程良く採光の調整された室内で、コーヒーメーカーが湯気を立て

i podのセットされたスピーカーから、ゆったりとしたBGMが流れる










(眠い)








受付開始までは、まだ1時間以上ある



祝電やお祝いのリースが置かれたテーブルをボンヤリと眺めていると

アテンドさんが「新郎様もそろそろ」






カーテンの向こうを覗くと


嫁キンが
別人になっていた(笑)











ここからが酷かった

カメラとビデオを構えたスタッフがワッシャカ入って来ると

何かのモデルのようにアレコレと、こっ恥ずかしい ポーズや目線を要求され

なによりも兎に角 笑顔を要求される






俺は 100万人の前でスピーチしろと言われても平気でやるタイプだが

コレは、異様に恥ずかしい




あっと言う間に、身体に汗が滲む








両家の親が部屋に呼ばれ、挨拶

その後、出席する親戚が一堂に会する部屋に移動して親族紹介




嫁キン側の親族は数が凄い

「父の従兄弟の娘と旦那」とかまでが仲が良く

何かあればすぐに集まるので、俺が最初に挨拶に伺った時も「サマーウォーズ」みたいな状態





だが、俺はこの人達がかなり好きだ

皆気さくで、明るく楽しい人ばかりで
俺は、あっと言う間に打ち解けたぐらいだ







済むと、軽く写真撮影
すぐに式のリハーサルだ



もう、今日呼んだ友人関係が受付を済ませ ラウンジに居るだろうが、既に列車は走り出している

線路が交わるまでは、誰とも何も話せないし
何かが起こっていたとしても、俺には時刻表も路線も動かせない








嫁キン「どしたん?」


俺 「いや、ちょっと」











俺はほくそ笑んでいた




裏でも勝手に進んでくれてるのだ

物凄い『宴』が
















俺らの式なんか、ついででイイ



楽しんでくれ





(続