なんでかよく分かんないのだが
頭に浮かんだのは、滋賀の熊さんだけだった
白いエナメルシューズでも、龍の刺繍の入ったネクタイでもなく
シックなスーツに、整髪料で髪を上げ
綺麗で堅苦しくないメガネをかけて
「はい、どーもー」と言った感じでマイクの前に立つ
いきなりブログの話、始めやがった
もうね
言ってはあったんだ
「何も気にせず、好きなように喋ってくれ」と
予想通りというか
それでも「そこは気を使うかな」とも思ったのだが
逆に「そこを話したいと思うかもな」 とも
本人が「是非コレを話そう」と思ってたと
おもっきし顔に書いてあるので仕方ない
嫁キンも横で苦笑い
両家の両親や、親族にいたっては『なんのこっちゃ』である
「夫婦で歩む人生に
一番大切な事は『腹八分目』です」
軽妙な喋りの中に、真摯な気持ちと優しさが滲み出る
「“めおと”がイイと思いますね、女が先です」
この人は、一見分かりにくい
初対面で、ちょっと喋る事が出来たとしても、恐らく全然分からないだろう
実物は、優しい肉食獣であり
語り口調は穏やかで優しく、強く鬱陶しい自己主張とかも無い
聞いていると
常温の生理食塩水のプールにでも浮かんでいるかのような気持ちになる
1番分かるのは「文章」だ
始め方
選ぶ言葉
紡ぐリズム
およそ、日本語ほど その人の本質が分かる言葉なんて無いだろう
無機質な携帯やPCの画面の中の、設定された無味乾燥なフォントの羅列が
目に飛び込んで来た瞬間
その改行やレイアウトや送り仮名の配分で
1つの何かを形成する
逆に、全員が同じ条件という
“あの”状況だったからこそ
ソレは余計に伝わって来たのかも知れない
それが、あの ガラケーの画面にバッチリ ハマった
俺は、そう思っている
それぞれの携帯がバラバラなのだから
それぞれの画面じゃ
一度に表示される文字数なんかも違っただろうに
「お幸せに」
半分うたた寝のような、昔を辿る思考の海から引き戻され
耳触りのよい声が、そう 少し強い語尾で結んだ時
俺の胸の中には
その何倍
幾つもの言葉達が、いっぺんに飛び込んで来た
(続


」とか言われてるし、そこは俺も否定はしないが


