Rさんと走った帰り道
近所の、ちょっと変わったバイク屋に寄った
社長が趣味で立ち上げたという店内には、輸入物の雑貨と工具・アパレル類が並び
バイク用のエアジャッキや工具入りのキャビネット等は揃っているが
置いてあるのは知り合いから委託されたファットボーイやKSRで
最新なのは自転車、所謂スポーツバイクだ
俺も最初は「何がメインの店なんだろう
」と首を傾げていたR1を停めて中に入ると、店長のタカさんがコチラを見てニッコリと迎えてくれる
今日は他に、若いカップルがいた
今風だが真面目そうなお兄さんと、更に今風な バキバキに茶髪の女の子
なかなかの美男美女
逆にこの店にはあまり来なそうな
このお兄さんがバイク乗りで、彼女を連れてきたってとこか
「こんにちは」
「お疲れ様です」
勧められた椅子に腰掛け、脇にSHOEIのフルフェイスを置くと 早速それに反応が
「わぁ
ショーエイだ。アタシと同じですね!」椅子からズリ落ちそうになる
よく見ると、なる程 白地にピンクのピンストだか花びらだかをあしらったグラフィックのフルフェイスが置いてある
・・・あれ?
お兄さんのヘルメットは
タカさん「パツさんは、R1に乗ってるんだよ」
「えーっ!? カッコいい
」R1が分かる時点で全てが理解できた
どうやら彼女が「こちら側」らしい
今日のコースや、一緒に行ったRさんの事をちらほら話しながら
ほとんどカップルとタカさんの話を聞く側になって お茶を飲む
彼女はバイクにドップリで
AT限定からいきなり大型の教習に通い
スカブーから600のCBRかGSX-Rに乗り換えようとしているらしい
サーキットまで行きたいと言う
服のセンスなんかも悪くない
こりゃあ、なかなかカッコいいバイク乗りが出来上がりそうだ
彼女「だからぁ バイクの免許取りなよぉ」
彼氏「嫌だっつってんじゃん
」むー・・・
なる程 そういう事か
俺にも覚えがある
歴代の彼女に対し、さすがに「バイクに乗れ」とは言わなかったが
バイク屋Rには連れて行ったし、それでせっかくのデートなのに彼女が楽しかったかと言うと・・・
案の定 彼氏の方はつまらなそうだ
俺までバイク話をしたら、彼は完全にアウェーだ
おとなしくしてよう
聞けば地元・山梨から高速バスで会いに来てるらしい
それで来たのがこんな(失礼)所じゃ、良い気はしないわな
複雑な心境で話を聞いていると
彼氏の方が、「そろそろ帰ります」と席を立つ
新宿まで出て高速バスで
見送りに出た2人には付いて行かず、タカさんが戻って来るのを待つ
・・・キミ 新宿まで見送らないんかい
「あ~あ、もうバイク乗りの彼氏が欲しい」
適当に切り上げて辞去した
「バイク乗らなきゃ、別れる」まで、言ってるらしい
一緒にツーリングしたいとか、イベント行きたいとか、気持ちは分からないでもない
好きな事を好きな人としたいってのは、まあ純粋な考えである
だから、逆に
好きな事の邪魔になったりして来ちゃうと・・・
まあ、若さもあるよな
本当 何かこう、見ていてムズ痒いのである
“アタシとバイクとどっちが大事なの?”
“バイク”
おっと
まあ、昔の俺の事はイイんだよ
多分、あの娘は
そこそこ速くなると思う