シモンチェリ選手の葬儀で、ロッシが書いた記帳内容を見て 胸が熱くなった
「チクショー 寂しくなるよ」
マスコミ向けでも何でもない感情の吐露
自分が乗った船を充分に理解した、大きな大きな誇りとほんの少しの空虚
何をしてるのかって
ただ 走っているだけである
それでどうやら順位が付いて
明暗が分かれ
莫大な富だの栄光だのが 煌びやかに周りを彩る
そこに何かは“ある”のかも知れないけど
でも
俺の感覚だと、そんな事はどうでもよくて
危なくて素敵な事を前提に
時には全く理解されないような探求を続ける事への、愚直なまでの純粋さ
そんな
“やった奴にしか分からない世界”を共有する連帯感
「ああ、いいな」と、思ってしまう
俺は、結局バイクだった
それまでの何よりも
今知っている限りの、他のどれよりも
あの
血液までもが移動してしまいそうなG
力を引き出し
速度を編み上げ
慣性を捻り
遠心力をなぶって
失敗しない為、死なない為に
否が応でも 針のように研ぎ澄まされた集中力で
ただ1点を撃ち抜く
理屈じゃない
あの場所には、朧気ながらも1つの真実が確かに“在る”
世の中に溢れかえった嘘もごまかしも、入り込む余地は無い
それ以上、説明のしようが無い
そして常に死の影がつきまとう
笑ってしゃべり
共に走った奴等の、何人が
俺と同じ物を感じたのかは分からないけれど
「彼」もまた
きっと、ソレを見ていたんだと

