リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている岐阜県瑞浪市で、2024年2月下旬ごろから、井戸やため池などの水位が相次いで低下しています。
2024年5月15日 FNN
2025/6/4 東海テレビ
2025年6月4日 配信
この水位低下や地盤沈下は本当にこの見通しくらいで収まるのか?
現在停止している工事の進行により、さらに被害が拡大してゆくのではなかろうか?
このニュースで伊豆出身の私が思いだすのは丹那盆地です。
日本列島は至る所に地下水脈があり、水が流れています。
富士山を有する静岡県や南アルプスは地下水脈の宝庫と言って良いでしょう。
“「白糸の滝」”も日本三大清流の一つの‟「柿田川」”も、富士山の雪解け水が地下を流れてきた伏流水です。
また北伊豆、静岡県田方郡函南町、標高250mの丹那盆地は、かつては至るところから水が湧き出る水の豊富な処で、水田やワサビが作られていました。
しかし大正7年から昭和9年の東海道線丹那トンネルの工事によって、丹那盆地という水がめの底が抜けてしまいました。
出典:”丹那の大地の物語”
”丹那の大地の物語”
ーー前略ーー
旧丹那トンネルの掘削工事は難航した。西の函南側から掘り進めたトンネルが丹那盆地の真下に到達したころから、おびただしい湧水が発生し、それにともなう落盤事故もたびたび起きて、殉職者が増え始めた。
湧水の元になっていたのは、丹那盆地を南北に通過する活断層・丹那断層沿いに発達した破砕帯であった。仕方なくトンネル本坑に並行した水抜き坑をいくつか掘り、水を逃してから本坑を掘り進める作業を進めた。
ところが、大量の湧水が水抜き坑を通ってトンネル外に流出した結果、地上に異変が生じ始めた。丹那盆地周辺を流れる川の渇水である。それまでの丹那盆地は、豊富な湧水を利用した稲作とワサビ栽培で生計を立てていた土地だった。渇水は深刻化し、作物は壊滅状態となった。
ーー中略ーー
北伊豆地震の衝撃
1918年に着工されたトンネル工事が12年経っても湧水によって難航していたころ、さらに衝撃的な事件が起きた。1930年11月26日の北伊豆地震の発生である。この地震は、丹那断層を震源として発生した大地震(マグニチュード7.3)であり、震源付近で震度7、静岡・神奈川両県で250人余りの犠牲者を出した大災害であった。トンネル工事による地下水の状態変化と地震との因果関係が疑われ、当時の学者は否定的見解を述べたが、本当のところは今もわかっていない。以下省略
丹那トンネルの工事によって流出した水量は芦ノ湖3杯分の6億㎥ と膨大な量で、トンネルからの湧水は現在でも1日10万トンで、函南町と熱海市の上水道に使われています。
当然ながら丹那盆地の水が回復するわけはなく、JRは未だに補償金を払い続けているらしい。
出典:特集80年前そして現在(PDF:2847KB) - 函南町
科学を過信する人が多いですが、現代科学ではまだ地下水脈も断層も破砕帯もほんの一部しか分かっていません。
長さ36,924mの第一首都圏隧道、長さ34,210mの第一中京圏隧道、そして25,019mの南アルプストンネルはじめ、全長の9割がトンネルのリニア新幹線。
トンネルによる水脈への影響はやってみなければ分からないというのが本当のところでしょう。
実際これまでにも山梨県大月市や笛吹市ではリニアの実験線で水枯れが起きていますし、"新東名トンネルと伊勢原市の三段の滝枯れ"などトンネル工事によって想定されていない水枯れを起こしています。
掛川では新東名の「粟ヶ岳トンネル」を掘ったことで、倉真地区の松葉の滝と倉真川が水枯れを起こしました。
そして一度壊した自然を元に戻すのはほぼ不可能。
人口減少が続く小さな日本列島、日本の未来にとって本当にリニア新幹線が必要か否か、もう一度真剣に検討する必要があると思います。




