走るスマホにスマホメーカーが参入 | 夢老い人の呟き

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走るスマホかコンピューター

 

走るスマホと言われるEV。

スマホどころ走るコンピューター、いやスーパーコンピューターと言っても良さそうなのがテスラ車と一部の中国製EVです。

 

中国車と違って情報が得られやすいテスラ車を見ると(多分情報をチラ見せして投資家に期待を持たせ、資金を集めやすくする目的もあるのだと思う)テスラ車のECUはスーパーコンピューターと呼べそうです。

 

 

テスラ車のECU

 

現在のテスラ車のECUは2016年から搭載されているHW3と昨年から搭載され始めたHW4の2種類がああり、写真上がHW4、下がHW3です。

 

消費電力が大きいため液冷のためのパイプのカップリングがついています。

HW3は消費電力100Wですが、HW4はその倍くらいだと思います。

 

 

HW4の中はこのようになっており、TESLAと書かれたチップ(Processsor)が二つありますが、驚くほどのち密さです。

裏からみるとこのようになっています。

 

チップの中には20個のCPUがあり、CPUのFrequencyは2.35GHZで、三つのNeural Network Processor があります。

HW3もHW4もチップはサムスン製で、HW3は回路幅14㎚、HW4は現時点では最新世代と言える7㎚のようです。

ちなみにTSMC熊本工場で作るのは2世代遅れの22㎚までのようですが、計画中の第2工場では回路線幅6~40ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の半導体を製造する予定です。

 

 

なおテスラはすでに次のECUも開発中ですが、名称はHW5ではなく、AI5と決まっています。

AI5のチップはTSMCとなり、回路幅は4㎚と最先端のチップとなりそうですが、10ナノメートル以下の半導体を量産できるのは、台湾のTSMCと韓国のサムスンだけのようです。

 

 

シャオミとファーウェイが参入

 

走るスマホどころか走るスーパーコンピューターとでもいえそうな、自動運転にも対応可能な最新鋭のEVですが、米欧の旧来の自動車会社が半導体や、OSなどソフトウェアでテスラや中国新興EVメーカーに敵わないのは当然の結果だと思いますし、そういう分野で最も得意なのはシャオミやファーウェイのようなスマホメーカーでしょう。(ソニーやアップルが出来なかったのはなぜなのか気になりますが)

 

しかも悪いことにテスラが「ギガ上海」という最先端の工場を作り生産しているため、中国企業が最新のEVの生産ノウハウを学んでしまい、さらに悪いことにはテスラが採用してしているギガプレスというイタリア製の巨大な鋳造マシンの企業を香港の企業が買収し、今では中国で内製しているとのこと。

日本企業も中国社と組まないと生き残るのが難しそうな状況になっています。

 

 

■シャオミ

2024年4月24日 

 

2024/05/08  President Online

 

 

 

■ファーウェイ

2023年11月14日 Bloomberg

 

日本企業もファーウェイと組むようです。

2024.05.30 日経

 

2024年6月29日 日本経済新聞

 

乗客を楽しませることにかけては世界最高ではないかと思います。

我が家にも欲しいびっくりマーク

でもフィリピンには急速充電器が無いし、ワランペラ(お金が無い)です。

 

 

そしてテスラよりも安いファーウェイやシャオミに負けないように、BYDなどもさらに安く価格を設定して販売します。

 

 

EVは終わったのか?

 

というと「中国もEVはもう終わったのだ、中国のEVの墓場を知らないのか!」という人もいるかと思います。

 

しかしこれは全くの間違いで、中国政府は新しい分野に取り組む時に、スタートアップ企業を育てるために補助を行い、雨後の竹の子のようにスタートアップ企業が誕生し競争します。

そして技術力に劣る企業、競争力の無い企業は淘汰され、強い企業だけが生き残りますがEVも同じで、敗れた企業は倒産し、そのEVはレンタカーなどで使用された後に廃棄されますので大量のEVの墓場ができました。

 

 

ですから日本で大騒ぎするEVの墓場は、中国にとってみれば当たり前の想定内のことでしょう。

そしてEVの生産はおちこんでいるどころか、2023年のEVの生産台数は前年比22.6%増670万4,000台でしたが、2024年は前年から少なくとも49%増え、生産台数が1,000万台!を突破するとの見方をされています。

 

6月28日 Yahooニュース

 

 

さらに東南アジアでも中国製EVが急激に伸びており、どれだけ日本は情報が遅れているのでしょう。

2024/06/27 VIET JO

 

そして現在自動車輸出台数世界一は中国です。

 

 

自動車各社米国に巨額のEV投資

 

と言ってもEV嫌いの日本、「欧米を見てみろ、EVシフトは終わったんだ」「やっぱりEVは使いものにならないから終焉した」「トヨタのマルチパスウェイが正解でこれからはトヨタの時代だ」と信じたい人もたくさんいるでしょう。

しかし自動車メーカーはそうは考えていないようです。

 

各社ともこれからアメリカでEVで勝ち残らねばならないと考えているようで、アメリカでのEVへの投資は、ざっと新聞のニュースを拾っただけでもご覧のとおり

 

■トヨタ

2023.05.12 日刊自動車新聞

 

2024年02月08日 JETRO

 

2024年2月7日 Bloomberg's (13億ドルは2080億円)

 

2024/4/26 Bloomberg (14億ドルは2240億円)

 

2024年5月8日 日経新聞

 

 

■ホンダ

ホンダはトヨタを上回る10兆円のEV投資。

  • ホンダは2030年度までにEV・ソフトウェアに10兆円を投じる計画を発表。

2024.5.21 Diamond Online

 

日産自動車も同様に巨額のEV投資をしますが、ホンダとの協業も視野に入れるなど悩んでいるようです。

 

ただEV関連投資はライバルと競合しなければならないアメリカと中国に集中し、日本国内は蚊帳の外です。

数年先を考えると怖いですが、今の日本は船の進路を決めるのに、船内の様子しか見ていないようなものではないでしょうか。

 

 

深刻な事態 アメリカ・欧州が中国に太刀打ち出来なくなった

 

そしてますます深刻に思えるのが中国製EVに対する米欧の関税。

 

〇アメリカは8月から中国製EVに対してこれまでの4倍の100%の関税を課します。

〇EUも既存の10%にプラスして最高38.1%の追加関税を課すとしていましたが、次のように微修正されました。(最高47.6%)

上海汽車集団(SAICモーター)吉利汽車比亜迪(BYD)

旧  38.1% 20% 17.4%
37.6%  19.9%  17.4%

 

 

これはアメリカと欧州がEVで中国に太刀打ち出来なくなったことを示すと言って良いでしょう。

テスラでさえ中国市場で押され気味ですが、GMやフォードやその他の旧来の自動車メーカーは中国社に太刀打ち出来なくなっており、関税は中国に追いつくための時間稼ぎではないかと思います。

欧州車で唯一好調なボルボも、実は中国吉利自動車(ジーリー)傘下です。

 

 

そしてもうひとつテスラと中国社が競い合っているのがAIと自動運転。

これも今はテスラが先行していますが、中国社も追い上げています。

 

まもなくテスラのFSDが中国でも開始されますが、中国新興EV御三家の一社、XPENG(シャオペンもAIと自動運転を開発しています。

 

そしてXPENG(シャオペン)のCEOはアメリカに来てテスラのFSDを試乗して、自社の自動運転との比較を行い、これからの開発につなげようとしています。

アメリカでもレガシィ企業がどんどん新興企業に追い越されていますが、こういうところが新興企業の強い理由ではないかと思います。