円は1ドル152円を一気に突き抜け153円台。
アメリカの利下げを期待していたが、物価上昇率の統計を見るとFRBの利下げは遠のいたようで、円安はさらに進みそうな様相。
口先介入など効果なく、為替介入をしても効果は一時的。
かといって利上げをすれば日銀は債務超過に陥りそうだし、いったいどうすれば良いのか?
そもそも円安の原因は何なのか・・・・ネットでちょっと注目されている理論を紹介します。
輸出による収入にしろ、国際収支で唯一黒字の第一次所得収支(対外金融債権・債務から生じる利子・配当等)にしろ、企業に入ったドル収入は銀行が円に換えます。
そして銀行はそのドルをアメリカに投資します。。
その結果、日本の経済は疲弊する一方でアメリカ経済は過熱し、インフレ率が下がらず金利は引き下げできず。
ゼロ金利の円は売られドルが買われて円安加速。
そして輸出や第一次所得収支が増えて輸出企業・グローバル企業に入るドルが増え、どのドルを銀行が円に換え、銀行のドルはアメリカ経済のために使われる・・・・・
日本にとっては悪循環のサイクルです。
東京大学法学部卒で元野村証券の三國陽夫氏は、日本がデフレに陥っているのは輸出による利益が日本経済ではなく、アメリカ経済に使われているのが原因であると主張。ドル円153円も輸出企業にとって有利な相場だが、内需がGDPの85%を占める日本にとっては苦しい展開。 pic.twitter.com/0IV3ifKIZ9
— あいひん (@BABYLONBU5TER) April 10, 2024
■円は一人負けのアジア最弱通貨
ところが国内しか見ない日本人は日米金利差の問題で、円安は対ドルの問題だと思うでしょうが違います。
他の通貨に対しても同様に下がっており、今や円は一人負けのアジア最弱の通貨と言えます。
それでは1円が他の通貨に対してどれほどの価値があるか見てみましょう。
◆対ドルに対してはこのように推移していますが、、、、
◆中国人民元に対しても、、、、、
◆韓国のウォンに対しても、、、、、、、、、
◆ベトナムのドンに対しても、、、、、
◆タイのバーツにたいしても、、、、、、
◆フィリピンのペソに対しても同様に下がっています。
そして訪問客が「旅費も食事もフィリピンより安い」と言うまでになりました。
というと「円安は経済にいいんだ~」と絶叫する人達も増えるでしょうが・・・・
■円安で貿易赤字
いまだにマイナス面を考えず、円安は輸出が増えるから良い事だと思い込んでいる人が多いですが、円安は輸出が増えてもその割にドル換算の収入金額は増えず、一方輸入金額が増えるため、2021年の後半以降、貿易収支は殆どマイナスです。
■円安は暮らしを貧しくし、日本経済の足を引っ張る
GDPの85%は内需ですが、円安による輸入物価の上昇は内需の足を引っ張ります。
その結果実質賃金は23ヵ月連続マイナスとなり、GDPの6割を占めGDPの大黒柱と言われる民間消費支出もマイナスが続きます。
出典:家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)2月分 (2024年4月5日公表)
日本からの送金に頼る海外在住者は特に苦しいが、この円安はどうにかならないものだろうか?
いや円は大丈夫だろうか?