「電気自動車なんかモーターと電池を買ってきて組み立てれば良く、自動車会社以外でも出来る」そんな声を聴くこともあり、以前‟ダイソンが参入する”というニュースも流れました。
結局ダイソンは断念しましたが、トラディショナルな自動車メーカーで最もモーターと関わりが強かったのは、膨大な台数のハイブリッド車を生産しているトヨタ自動車だと思います。
ですからモーターについて世界で一番進んでいたのはトヨタではないかと思いますが、モーターが自動車好きに興味を持たれることも無く、ほとんど知られてきませんでした。
■誘導モーターも永久磁石同期モーターも時代遅れ
電気自動車のモーターについては「‟誘導モーター”」と「‟永久磁石同期モーター”」のいずれかについてしか語られませんが、どちらも一長一短がありますし、もはや時代の最先端とはいえません。
- 「‟誘導モーター”」は始動時のトルクと巡行時の効率が劣ります。
- 「‟永久磁石同期モーター”」は高回転時にロスと発熱が多い欠点があります。
- また永久磁石を使用しない「‟リラクタンスモーター”」もありますが、力率、効率共に落ち、EVでは使用されていません。
これらの良いとこ取りが「‟(内部永久磁石)同期リラクタンスモーター”」で、トヨタのプリウスでは以前から使用されていました。
といっても特にアナウンスがありませんが、下図を見ると間違いないと思います・・・・もっと大威張りで宣伝しても良いと思います。
このコンセプトモデルにも多分使用されていると思います。
このトヨタのハイブリッド車のモーターについてはもっと詳しく知りたいと思っていましたが、資料が見つかりませんでした。
■内部永久磁石同期リラクタンスモーター
しかし誘導モーターを使用していたテスラ社がモデル3から‟(内部永久磁石)同期リラクタンスモーター”に変更し、このモーターについて詳しく説明されましたので、紹介します。
この新しいモーターの特徴は磁気作用とリラクタンス作用の両方を使用していることで、モデル3では最初から採用され、さらにモデルSでは誘導モーターをこれに交換し始めています。
誘導モーターの欠点:1分40秒から
永久磁石同期モーターの欠点:4分55秒から
内部永久磁石同期リラクタンスモーター:6分から
もちろんモーターだけでなく交流回転磁界をつくる「‟インバーター”」や制御するコントローラーはじめ諸々の要素がありますが、それらでは日本は負けていないと思います。
問題は電池のコストとサプライチェーンかと思いますが、日本の産業構造が変わらなばならない大変革の時代に来ているようです。