コロナ禍ですっかり忘れていましたが、5月は‟Flores De Mayo”、5月の花祭りです。
残念ながら去年に続き今年もできませんが、例年ですと街々には花の香が漂い、1カ月間続く、聖母マリアに捧げるフェステイバルです。
‟Flores De Mayo”の起源はスペインとメキシコの両方の影響があるようです。
‟The origins of the Flores de Mayo festival came from shared Spanish and Mexican influences. The Filipino pioneers evolved the Mexican Santa Cruz de Mayo to the Santa Cruzan, as it is now widely known with the Flores de Mayo devotion, especially amongst Marian devotees. ”とありますので、フィリピンを支配したのはスペイン人ですが、メキシコのサンタクルスデマヨの影響が大きいようです。
また、 especially amongst Marian devotees とあることからも、フィリピンの聖母マリア信仰の強さが分かるかと思います。
異教徒が捻くれた見方をすれば、ユダヤ民族史と言いたくなる旧約聖書の記述を全て正しいと信じる、パレスチナ紛争の元凶のプロテスタント原理主義と違って、フィリピンのマリア(こちらではママメリーといいます)信仰には旧約聖書などありません。
‟「きよしこの夜」”の家畜小屋から始まるママメリー、サントニーニョ(イエスの幼少期)、イエス信仰の、愛と赦しの宗教がこの辺りの代表的なキリスト教です。

といってもカトリックにもいろいろな教派があり、ホーリーウィークに自らを鞭打ち血を流したり、十字架に貼り付けになりイエスの苦痛を自ら体験しようとするような人たちもおり、様々ですが・・・・。
宗教嫌いの日本人には迷信を信じる人達と見えるでしょうが、日本人だって古事記を信じる人達もいますから、あまり大きな事は言えないでしょう。
そのフローレス・デ・マヨのハイライトが‟Santacruzan(サンタクルーザン)”のパレードです。
santacruzanを辞書で引いても出てきませんが、多分santaは聖、cruzanは十字架で、聖十字架というような意味だと思います。
これは聖ヘレナ(レイナエレナ)が西暦321年にキリストの聖十字架(真の十字架)をエルサレムで発見し、ローマに持ち帰られたことを讃えて祝われるものです。
聖ヘレナ(レイナエレナ)はローマ皇帝コンスタンティヌス大帝(コンスタンティノ)の母であり、ローマの最初のキリスト教皇帝です。
写真出典:Understanding the Santacruzan
Santacruzanでは次のReyna(王女)がパレードします。
Reyna Banderada、Reyna Mora、Reyna Fe、Reyna Esperanza、Reyna Caridad、Reyna Abogada、Reyna Sentenciada 、Reyna Justicia 、Reyna Judith、Reyna Sheba、Reyna Esther、Reyna de las Estrellas (Queen of Stars) 、Reyna Paz (queen of peace) 、Reyna de las Propetas、Reyna del Cielo (Queen of Heaven) 、Reyna de las Virgines、Reyna de las Flores (Queen of Flowers)
そして真打ちが、
聖十字架を発見した Reyna Elena (Queen Helena) です。
こちらはうちの奥さんの宝物の写真。
本人は「アタシReyna Elenaダッタヨ」と言っております。

なお"Flores de Mayo"を英語にするとMay Flowers。
何かメイフラワー号と関係ありそうな感じがししませんか?
