最初にお断りしますが、震源地の左の島がマスバテ島、右の大きな島がサマール島、そしてサマール島と繋がって見えるのがレイテ島です。
下図の上半分はルソン島で、上中央からサマール島の方に伸びてきているのがビコール半島ですが、マスバテ島はビコール地方、サマールやレイテ島は東ビサヤに属します。
今回の地震はビコール地方か東ビサヤか迷いますが、ニュースでもまちまちなようです。
昨日の朝8時3分のマグニチュード6.6の地震以来、M5.1や数度のM4以上を含む余震が数分おきに続いていますが、最も被害が大きかったのはマスバテ島のCataiganのようです。
上記記事によると2名が亡くなり、170名が負傷しています。
現在までに319名が避難していますが、まだ最大6000名が避難する必要がありそうです。
この記事では1時間または30分ごとに余震が続いているとありますがPHIVOLCS(Philippine Institute of Volcanology and Seismology)のEarthquake Informationを見ると数分おきに起きています。
なお震源地はSamar Seaの地下10㎞ですが、さぞかし魚も驚いたことかと思います。
深海の魚もビックリして浅瀬に出て来てしまったのでしょうか。
この地震の数時間後、ツババオ島のサンタモニカ村で、普段は水深500mの深海に棲む巨大魚が捕まえられました。
この魚はOpah(発音はオパ?かオーパ?でしょうか?)と呼ばれ、温血魚で刺身にする高級魚だそうです。
なお今日は新月です。
新月の時は太陽と月と地球が一直線に並び、太陽の起潮力と月の起潮力が重なり、最も潮汐力が大きく大潮となります。
この潮汐力は地震にも影響し、大潮の時は巨大地震が起きやすいという論文が東京大学研究チームより出されています。
残念ながら英文ですが・・・・・・・。
こちらは日本語でかいつまんで書かれています。
以下引用
地震が潮汐によって引き起こされるかは古くから興味の持たれてきた問題であり、現在でも未解明のことが多くあります。プレート運動によって、年間30kPa(キロパスカル)程度の割合で断層面に応力(単位面積あたりの力)がたまっていきます。地震が起こるには数MPa(メガパスカル)の応力蓄積が必要です。潮汐による断層面の応力変化は数kPaで、通常、それだけでは地震を起こすのに足りません。しかし、ある断層にあと少しで地震が発生するくらい応力が蓄積されていた場合には、潮汐力が最後の引き金となって地震が起きることがあります。どのくらい応力が蓄積されているかは断層毎に違います。そこで、多くの断層について、潮汐力の時間変化と地震発生時間を調べることで、潮汐力がどの程度、地震発生に影響するか、統計的に見積もることができます。
最近の研究から、巨大地震の震源域の一部で、地震発生の10年程度前から、潮汐によって小さい地震が引き起こされやすくなるという現象(例えばTanaka, S., 2011)や、微動や低周波地震などのスロー地震が潮汐で引き起こされるといった現象が報告されています(論文多数)。これらは、1日以内の周期の短周期の潮汐に対する応答を調べたものがほとんどです。
以下省略
こちらもどうぞ。
地表面は月の潮汐力により、毎日2回20㎝程度の上下変動をくりかえしているそうです。
以下引用
月の潮汐力は、ある程度の運動を地球の地殻に引き起こせるほどの力をもっている(「地球潮汐」とよばれる現象で、地表面は1日2回、20cm程度の上下変動を繰り返している。地震が発生する地下数十kmにも影響し、断層には数十~数百ヘクトパスカルの力が加わる(PDF)という)。
潮汐が地震の引き金となりうるかどうかについて、科学者たちは以前から推測をめぐらせてきた。そして、学術誌『Nature Geoscience』に9月12日付けで発表された最新の研究は、これが本当である可能性を示唆している。少なくとも、最大規模の地震に対しては。
以下省略
月の潮汐力は馬鹿にならないようです。