概要のおさらい
22日、 ラホール(パキスタン北部、インド国境近くの都市)から乗員乗客合わせて99名(第一報の乗員8名、乗客99名から訂正されました)を乗せカラチに向かったパキスタン航空PK8303便は、午後2:30頃ジンナー国際航空近くに墜落しました。
最初に事故に至るまでの記録を見てみると、この一度着陸を試みGo Around(着陸復行)して(※動画の1分の所)上昇しています。
交信記録を見ても最初の着陸でパイロットは全く異常を感じずに着陸しようとし、突然Go Around(着陸復行)しています。
もしもLanding Gear(着陸脚)が出ていない事をパイロットが認識していれば、空港当局にEmaergenncy
Landingを要請します。そして上の写真のダメージは着陸前にはなく、エンジンが接地後に加速(運用上許容される最大出力)して着陸復行したように思います。
このため両エンジンにダメージを負い、またエンジン火災に至り両エンジンが停止した(あるいは消火作業のため停止した)のではないかと推測されています。
ちなみに飛行中に両エンジンが停止しするのは極めてレアケースで、過去の事例(パイロットのミスは除く)で思いつく原因は3つくらいしかありません。
- 激しい乱気流による失火。(これは航空機メーカーは想定済みで、両エンジンの発電機が停止してもエンジンを再始動できるように蓄電池で作動する非常用の電源を設けています。
- 鳥の大群に突っ込む。(これは有名な“ハドソン川の奇跡です)
- 燃料切れ(昔、燃料計の故障で燃料を過小に搭載し、墜落した事例があります)
そして墜落前にはLanding Gear(着陸脚)は出ているのが目撃されています。
omar r quraishi@omar_quraishi
PK8303’s nose was up and landing gear seems to have been deployed as it’s last moments were caught by a CCTV camera… https://t.co/1Dqq56gxmg
2020年05月23日 00:11
エンジンからのスモーク及びエンジン下部のダークマークが確認されています。
またRam Air Turbineが出ていますので、この時はすでにエンジンは停止していると思います。
JACDEC@JacdecNew
Allegedly #PK8303 final minute images before it crashed in a Karachi suburb. The Ram Air Turbine (RAM) is deployed.… https://t.co/WFPmpWVVTZ
2020年05月22日 22:10
考えられる原因はパイロットがLanding Check Listを行わず、Landing Gear Downの操作を忘れたということでしょうか。
しかしLanding Gear が出されないままフラップをランディングレンジにセットすれば、Horn と Red Alert のランディングウォーニングが発せられ、これはリセットできませんので嫌でも気がつくと思います。
実際はどうだったのかフライトレコーダーとボイスレコーダーの解析が行われれバすぐにはっきりすると思います。



