これから日本も都市封鎖という事が真剣に議論されるようになるかもしませんが、フィリピンが行っているような地域隔離、強制的自宅待機を行っても、それだけでは時間稼ぎにしかなりません。
地域隔離によって新たな感染者の増加を抑えると共に、発見と隔離によって感染カーブの立ち上がりを抑え、医療の限界を超えないようにApex(頂点)低く、後ろにずらし、その間に医療と隔離のキャパシティを増やし、やがて隔離者よりも退院者の方が多くなり隔離者数が減ってゆく・・・・。
日本のリーダーたちと違って、毎日国民に向かって詳しく説明している、NY州知事のクオモさんのブリーフィングを見てもそのようなシナリオではないかと思います。
これは韓国のグラフですが、3月10日ごろから感染者数(灰色の棒グラフ)の増加は抑えられはじめ、また退院者数(青い棒グラフ)が増え始め、3月12日くらいを頂点に隔離者数(オレンジの折れ線)は減少しています。
https://www.cdc.go.kr/board/board.es?mid=a30402000000&bid=0030
はたしてフィリピンもこういうパターンに持ち込めるか?
そのためには大規模なPCRテストが必要ですが、残念ながらキャパシティが足りず、これまでのテストの陽性率は57%、最近の数日は7割以上ではないかと思われます。(これは非常にまずいです。)
あと10日後ぐらいでMass Testingできる体制にするそうなので期待しますが、それは同時に隔離者が大幅に増えることを意味しますので、それに対応できるかが焦点かと思います。
という事で昨日のマップを見ると、全土さらに広がっていますがマニラ首都圏はさらに感染拡大し、その周辺も増えています。
ケソン市は480人、マニラ市200人、マカティ市158人・・・・・といった具合です。
こちらは10人以上の市の一覧です。
気になるのは下図のようにPatient Noをクリックすると地図上に場所を示すとともに、患者の詳細を表示します。下図の例ですと国籍はふぃりぴんで、住所はカインタ市で、PH5の患者の妻という事が表示されます。
ところが最近は殆どfor validationと表示されますが、これは何を意味するのか、悪い予想が当たらない事を祈ります。
https://ncovtracker.doh.gov.ph/
という事で、BAHALA NA(タガログ語で何とかなるさ)、ナンクルナイサー(沖縄の方言でなんとかなるさ)と呟く日々を過ごしております。
この二つの言葉、上から目線でフィリピンの人や沖縄の人のいい加減さを表すかのように言う人がいますが、私は違うと思います。
沖縄やフィリピンの歴史を見れば、共にもっと重みのある、苦しい中にも未来に望みをつなぐような意味があるのではなかろうかと考えています。
ちなみに「ナンクルナイサー」には 「挫けずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつかきっと報われて良い日がやって来る」 という意味があるそうです。(出典:ニコニコ大百科)
BAHALA NA~、ナンクルナイサ~



