日本人には当たり前の戸籍制度ですが、国際的に見ると極々少数派のようです。
家族関係を基本とする戸籍制度は東アジア特有のようで、今でも残っているのは日本の他には台湾と中国だけだとか。
ヨーロッパでもドイツやフランスのように日本の戸籍制度に似た家族の情報を記載する制度もあるようですが、全体的に見ればアメリカのように「Social Security Number(=SSN/社会保険番号)」などで個人を特定するような国が多いのではないかと思いますが、いずれにせよ戸籍制度は日本独特といって良いかもしれません。
この戸籍制度、実に不便ですが、地元を離れた事が無く、配偶者も地元の人というのであれば、それほど不便を感じる事も無いかもしれません。
しかし地方出身者にとっては、これは困った制度です。
失意の男性はその後の手続きに女性の結婚前の本籍地、結婚後の本籍地、そしてマイホームを持った後の本籍地の3通の戸籍謄本が必要となります。
では本籍が現在の居住地以外の戸籍謄本を取るにはどうするか?
居住地の役所に行って、本籍地から戸籍謄本を取り寄せてくれと言っても相手にされません。
いったいマイナンバーは何のためか?
戸籍データをマイナンバーに紐づけてどこでも発行できるようすることなど、簡単なように思いますがそのような事は出来ません。
戸籍制度が市町村の管轄だからでしょうか?
実際にマイナンバーカードを持ってみると身分証明書以外の効用はなく、普及しないのも当たり前と思い知らされます。
それどころか戸籍謄本を取り寄せるのに、本籍のある役所に電子申請さえできません。
振り込みもインターネット送金も出来ません。
本籍地のある市町村役場に戸籍証明書等請求書、返信用封筒、所定の定額小為替を郵送し請求しますが、面倒くさいうえに手数料の他に最低限切手代が82円×2、定額小為替発行手数料100円掛かります。
はっきり言って後進国ですが、日本の困ったところは、日本人は日本が先進国だと思い込んでいて、他国を見ようとも学ぼうともしないことです。だから日本の行政システムはいつまでたっても進歩せず時代遅れのままです。
これが海外からの申請だとさらに大変です。
人によっては2か所、3か所以上の戸籍謄本が必要という人もいるでしょうが、海外在住の邦人が亡くなった場合には遺族は大変です。
※下は東京大田区の例
しかし本籍地ってなんでしょう?
私の場合出生時の本籍地が、すでに実家の住所と違っていました。
そして結婚してもアパート住まい、社宅住まいの転勤族だったため、誰が住んでいるのか分からない田舎の住所が本籍地のままでした。
マイホームを持ち住所が定まってから本籍地を移しましたが、現在そこには住んでいません。
いったい何のための戸籍制度なのか?
ただひとつ、誰かが亡くなり相続関係を証明するためには戸籍謄本が必要ですが、そんなのはマイナンバーに紐づけて電子データにしておけば済みます。
第一、戸籍謄本には家族関係が記載されますが、現住所などは記載されません。
家族関係を証明するためだけの、他の制度で代用できる、相続や家系図を作る以外には役立たない無駄な制度といって良いと思います。