高齢者向け新免許制度 これでは重大事故は防げず、地方の庶民層切り捨ての可能性もあり | 夢老い人の呟き

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高齢ドライバーの事故が相次ぎますが、高齢者向けの新免許制度が浮かび上がってきました。

高齢者の事故を防ぐために条件を加えた新免許制度が必要という事は大賛成ですが、問題はその中身です。

現在はまだ案を練っている段階であり、批判するのは早計かとも思いますが、報道されている内容に対しては疑問を感じるところもあります。

 

報道されている内容”からはポイントは3つのようです。

  • 新免許の対象は75歳以上
  • 義務付けは見送り、選択制
  • 限定免許で運転できるのは 自動ブレーキなどの安全機能がついた車のみ

まず選択制という事について考えると、安全機能の付いた車を買える人は選択するかも知れませんが、そんなお金の無い人は選択しないでしょう。

かといってこれを強制にしたら、古い軽自動車などを生活の足にしている、公共交通機関が発達していない地方に住むお年寄りが困ってしまいます。

 

75歳以上という年齢による区分けはどうか?

これは個人により認知力や身体機能に差があるので、年齢のみによる区分けでは駄目だと思います。

しかし現在行われている検査はこれで良いのか?と疑問に感じる認知機能検査のみ。

単純に危険回避のためにブレーキをかける動作にしても、単純反応(例えば赤ランプが点いたらブレーキを踏む)の踏みかえ時間にしても、複雑反応(例えば青ランプが点いたらアクセルを踏む、黄色が付いたらアクセルを離す、赤が点いたらブレーキを踏むなどのルールで反応時間を測定する)にしても、年齢とともに衰えていると思います。

特に複雑反応の衰えが大きく、判断を迫られた時に混乱をきたす要因になるのではないかと思いますが、これらの機能検査を厳密に行う必要があると思います。

 

こんな検査で良しとするのはいかがなものか?

 

 

安全機能付きの自動車についてはどうか?

これはあるに越したことはありませんし、確実に事故件数が減ります。

しかし“池袋の事故”や“福岡の事故”が自動ブレーキが付いていれば防げたかというと否です。

 

アクセルとブレーキを踏み間違えてフルスロットルで加速する車を停止させることは、自動ブレーキには無理です。

アクセルを踏んで加速するという「ドライバーの意思」と「自動ブレーキ」のどちらが優先するかというとドライバーの意思です。

 

これは航空機の自動操縦においても、パイロットの意思と自動操縦のどちらを優先するかは永遠の命題で、これまでエアバスは自動操縦優先(故に名古屋空港で中華航空機がパイロットの意思に反して機首上げを続け、失速して墜落しました)、ボーイングはパイロット優先とされていましたが、ライオンエア機とエチオピア航空機墜落の原因となったボーイング737MAX8機のMCASは自動機能優先です・・・・故にパイロットの意思に反してノーズダイブし墜落しました。

ただ、“池袋の事故”は途中赤信号を突っ切っていますので、赤信号で停止する機能(スバルなどは可能だが国交省が認可しない)がついていれば、停止まで至らなくとも速度を落とすことは出来たと思いますが・・・・・国交省さん、認可お願いします。

 

 

そこでヘタレ爺がわが身を振り返り考えたアイディアがシティコミューターです。

カッコつけてシティコミューター( 主として都市内の移動や近郊からの通勤に使われる小型乗用車)などと気取ってみましたが、要するに安価で小さく、しかも高齢者用に対象を絞るのであれば最高速度を抑えた車。

トヨタが開発しているようなカッコ良いものである必要はありません。

もっと低性能で安価なもの、いうなれば低速コミューターで良いのです。

 

日本社会は、これから開発する超小型EVについても「時代の先端を行く性能を備えたものでなければならない」という固定観念に取りつかれているように思います。

しかしこれからの高齢化社会、必要となるのは暴走するほどの動力性能など無く、例え事故になっても被害の少ない超小型車こそ、認知機能や身体機能に問題ある高齢者に義務付ける必要があるものだと思います。

 

 

これはスターティングプライス1000ユーロ(約12,3000円)。

これなら馬鹿高い軽の中古車など買う数分の1の価格です。

 

 

しかし遅い乗り物に対して優しくないのが現在の日本。

特に高齢者を目の敵にする分断社会で、高齢者の運転する低速コミューターは目の敵にされるかもしれません。

 

優しい国と思われているかもしれないが、弱者に優しくない社会。

 

一方治安には問題があり混沌としているが、こういう乗り物がハイウェイ(高速道路ではなく主要街道)を走るフィリピン。

貧富の差が激しく圧倒的に低所得層の多い新興国では、いろいろな乗り物が邪魔もの扱いされずに走っています。

若者は新興国を見、年寄りは昔を思い出し、弱者への思いやりを持って欲しいと思います。