昨日は貸し手が誰にしろ国債は償還しなければならず、歳出には国債費を計上しなければならないという事と、「貸し手は国民」といっても貴方や私ではなく、ほとんどは機関投資家だという事を書きました。
それらは国債価格下落やインフレとなれば売られて、不動産など値上がりする資産が買われる、あるいはドルや海外債券や海外不動産など円の下落で儲かるものに投資される、などが考えられますが、するとインフレは加速され機関投資家はインフレで利益を上げ、政府債務はいわゆるインフレ税、インフレによって減少してメデタシメデタシ・・・・・・・めでたくない!貧乏人はどうなる
さらに日銀は仮に長期金利が1%上昇した場合、2016年9月時点における計算で時価評価の減少額は23.8兆円になります。また仮に物価が2%上昇すると長期金利は3%上昇するといわれます。
すると物価目標2%を達成すると、計算上は「23.8×3=71.4兆円」の評価損が生じます。
そこで日銀の出口戦略としては国債保有高を減らす必要がありますが、日銀が国債買い入れを減らすと市場価格は下がり、長期金利が上昇してしまう可能性があります。
■ステルステーパリング
そこで市場に悟られないようにテーパリング(量的緩和策による金融資産の買い入れ額を順次減らしていくこと) するステルステーパリング(日銀の政策修正はステルステーパリングに向いている-翁元金融研所長)という事が言われますが、今年4月にはこういうニュースがありました。
「日銀の3月末国債保有残高、前年比増加額が50兆円割れ 4年4カ月ぶり」
このニュースでは日銀が3月末に保有する国債残高は、前年同月に比べて約48.6兆円(額面ベース)の増加 です。
しかし、.それから半年、10月31日時点では日銀の国債保有高は467兆6544億9894万1千円と、昨年10月31日の440兆3930億1565万2千円からの増加額は27兆2614億8328万9千円と、3月末よりもさらに減っています。
■統合政府
「ひょっとしてステルステーパリングが始ったか?」と黒田さんの手腕に期待しながらウォッチをしていますが、そんなのそんなの必要ねえ!!、それどころか消費増税も必要無い、いや税金さえも必要無いのでは?と思わせてくれるのが統合政府論です。
統合政府の連結決算とはいかなるものか?
それは後編とさせていただきますが、少しだけ紹介させていただきますと、政府と日銀を連結させれば、バランスシートは次のようになりますが、日銀が国債を全部吸い上げてしまえば、負債の「国債」と資産の「資産+国債」は常にバランスします。
そして残るのは「銀行券」ですが、銀行券は、統合政府にとって利子を支払う必要もないし、償還負担なしなので、実質的に債務でないと考えていい・・・・いくら国債を発行しても政府の債務は増えず銀行券だけが増えてゆくという夢のようなお話し。
ならば消費増税などするな!と貧乏な私は考えてしまいますが、はたして・・・・・?
出典:高橋洋一嘉悦大学教授「国会公聴会で話した「アベノミクス擁護」の理由」
安倍首相と黒田日銀総裁がこれを導入し、財政再建など必要無い、テーパリングなど必要無いと、政府はどんどん国債を発行し日銀はどんどん国債を購入すれば、このお二方は歴史に名を残す事になると思います。