極東、Far East 、、、、、、、
昔、沖縄に住んでいた時にFEN(Far East Network※現在は AFN:American Forces Network )というラジオ放送がありましたが(多分テレビ放送もあったと思いますが記憶に無し)、東京から遥か西の地で「Far East」といわれると、なにか寂しさを感じました。
沖縄返還が1972年、私が沖縄に住み始めたのはそれから15年くらいあとですが、「琉球の風」というNHKの大河ドラマが始まった頃まで住んでいました。
このドラマ、琉球の側から見た薩摩との歴史、中国との歴史、考えさせられるものがありましたが、アジアが変ろうとしている今、そして物事を一面的にしか見ない人が増えたように感じる今、もう一度再放送して欲しいと思います。
通りすがりの異邦人のような転勤者の眼から見ると、米軍がおり、自衛隊がおり、地元の方々がおり、地元の人もまた氏素性、出身地いろいろあるようで、見方を変えれば見え方も変わる万華鏡のようなものかも知れません。
ところがいろいろな見方でみると物ごと難しくなり、理解する事も説明することも難しくなります。
その点、極右民族主義者や極左革命主義者のような人の言葉は歯切れがよく、社会や現状に不満を持っている人の心に受け入れられやすいように思います。
地政学という言葉があります。
「地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、
私は地政学のことは分かりませんが、これからの極東を考える時、地図と経済の視点をもっと重視すべきだと思います。
そうやって見ると韓国と北朝鮮が仲良くなられると、日本としては素直に喜べない、さらに南北統一となると困るのではないかというような見方も出来ます。
もし南北平和条約が結ばれ融和に向かったとしたら、在韓国連軍はどうなる、在韓米軍はどうなるという事は誰でも考えるでしょうか、韓国自身はどちらの方向に進もうとするでしょうか?
そのカギの一つは経済だと思います。
するとさらに中国の方を向かざるを得ず、米軍も「米ミサイル防衛システム=THAAD韓国配備にまつわる攻防」は諦めざるを得ないし、対北朝鮮を名目にした対中国の軍備はしにくくなると思います。
【韓国の貿易相手国】
一方中国はとっくにEUとの関係を築いており、さらにEUとの距離を詰めようとしています。
日本が「一帯一路」がどうの、「AIIB」がどうのと言っている間に、「100円ショップのふるさと」と呼ばれる義烏 (イーウー)からロンドンやマドリードに鉄道(貨物線)で繋がっています。
※「中欧班列(チャイナ・レールウェー・エクスプレス)」
「日通/クロスボーダー輸送、ユーラシア向け専用化 定時運行で信頼性向上」ご参照
幸い?旧ソ連の国々が線路のゲージが合わないのでノンストップではゆかず、貨物の積み替えが必要で、通関以外にも、そのための国家間の調整などもあるのでしょうか?、昨年初めて運行された列車は義烏からロンドンまで18日かかっています。
それでも船便の半分の日数であり、航空輸送よりは圧倒的に安く、定期運航化すればEU・中国共にメリットは大きいとみられます。
出典:東洋経済「日本の脅威か?「中国-欧州」貨物鉄道の実力」
EUの2016年度の主要貿易国はご覧のとおり中国が大きなウェイトを占めますが、地図で見ますと中国とヨーロッパの距離は意外に近く、「中欧班列(チャイナ・レールウェー・エクスプレス)」に対する、欧州の自治体や欧州企業の期待は大きいようです。
輸出:米国(20.8%),中国(9.7%),スイス(8.2%),トルコ(4.5%),ロシア(4.1%),日本(3.3%),ノルウェー(2.8%)
輸入:中国(20.1%),米国(14.6%),スイス(7.1%),ロシア(6.9%),日本(3.9%),トルコ(3.9%),ノルウェー(3.7%)
世界最大の自動車市場といえば中国ですし、航空市場でも5年以内にアメリカを抜くとみられていますが、中国は「購買力平価GDP」ではとっくにアメリカを抜いています。
これを見ればEUがチャイナ・レールウェー・エクスプレスに期待するのも分かります。
出典:世界経済のネタ帳「世界の購買力平価GDP(USドル)ランキング]
こうやって見ると、中国とEUの地政学上の距離は、軍事以外は我々が思っているよりもずっと近いような気がします。
またアメリカにしても政権は反中国ですが、経済界は親中国・・・というか、中国のおかげで痛手を被っている業界もありますが、グローバル企業は中国で儲けています。
アップルはじめ米企業は中国生産で儲けており、ワシントンポストを買収したAmazonのジェフ・ペゾスが大統領選でトランプ攻撃のキャンペーンをはったのも、中国製品で儲けているからです。
また中国は世界最大の市場でもあります。
債務上限を短期の「つなぎ予算」で何とかしのいでるトランプ政権が在韓米軍、在日米軍の費用を削減したいのは当然ですが、仮に日本が中国と衝突した時に米議会はどう出るか?
トランプがどう言ったこう言ったではなく、日米安保条約には何と書いてあるか、米国憲法には何と書いてあるか、読んでみた方が良いと思います。
もっとも日本相手に儲け、日本企業を買収し、メガソーラーはじめ土地を取得している中国にとって、日本との衝突はマイナスにしかなりませんが。
「日韓トンネル」の事はご存知の方が多いと思います。
戦前の 「大東亜縦貫鉄道構想」 が出発点ですが、現在は嫌韓の中に埋もれています。
ところが東洋経済「日本の脅威か?「中国-欧州」貨物鉄道の実力」にコメント欄に次の様なコメントがありました。
もしこれが実現すると、可能性としてはロンドンから九州まで陸路が繋がることになり、その中心にあるのは中国、まさに中華思想。
このままでは日本は飲み込まれそうだが、ところが日本人は「ニッポンはスゴイデスネ」。
中国経済崩壊本や韓国経済崩壊本から抜粋した情報で得意になっています。
これで日本は大丈夫でしょうか?