「テスラ・モデルXの死亡事故」の続報です。
カリフォルニア州マウンテンビューのフリーウェイ101で起きたテスラ・モデルX の死亡事故ですが、事故時はオートパイロットが使用されていたと発表されました。
以下にテスラ社のブログの和訳を全文紹介します。
先週の事故に関するアップデート
このポストは米国時間3月30日にポストされたブログの抄訳です
今週始めにこの件に関する第一報を投稿してから、テスラでは出来るだけ早くこの事故に関する事実を確認できるよう努めてきました。私たちの心は、この悲劇により影響を受けたご家族やご友人の皆さまと共にあります。
お客様の安全性はテスラにおける最優先事項です。テスラでは実際に何が起こったのかを理解して再発を防ぐため、当局の調査に協力しています。車両に搭載されていたコンピューターのログが復旧されたため、事故発生時の状況がより明らかになりました。
3月23日金曜日の午前9時27分に発生した衝突事故の直前には、オートパイロットが作動しており、アダプティブ クルーズコントロール機能の前方車両との車間距離は最短距離に設定されていました。ドライバーはその日運転し始めてから、ハンドルに手を触れていない時に発される視覚的な警告を数回、音声警告を1回受けていました。衝突の前は約6秒の間ハンドルに手が触れられていませんでした。ドライバーが破損した衝突衝撃緩衝具の付いた中央分離帯を、遮るものがない状態で目視できた時間は5秒間、距離にして150 mありましたが、車両ログによるとその間には衝突を回避するための行動が一切取られていませんでした。
この衝突が非常に激しかった理由は、コンクリートの中央分離帯との衝突による衝撃を軽減するために設置されている衝突衝撃緩衝具が、以前の事故により破壊されてしまっていたからです。過去の衝突事故でModel Xがここまでの損傷を受けたことはありません。
1年以上前に、米国政府が行った調査によると、初期のオートパイロットの使用により事故率が最大で40%低下することが分かっています。それ以降のアップデートにより、オートパイロット システムの信頼性はさらに向上したことが、社内データで裏付けられています。
米国における自動車による死亡事故の発生頻度は、すべてのメーカーの全車両の平均で走行距離1億3,840万kmにつき1件です。テスラのオートパイロット ハードウェア搭載車による死亡事故の発生頻度は、歩行者の死亡事故を含め、走行距離5億1,500万kmにつき1件です。つまり、オートパイロット ハードウェアを搭載したテスラ車を運転している場合、死亡事故に巻き込まれない可能性は3.7倍にもなります。
テスラのオートパイロットはすべての事故を完全に防げるわけではありませんが、事故が発生する可能性を大幅に下げられます。乗員、歩行者や自転車に乗った人の安全性を確実に向上します。
発生しなかった事故については誰も知ることがありません。知り得るのは発生した事故だけです。オートパイロットの使用は危険であるという間違った認識からオートパイロットを使用しなくなることは、非常に深刻な結果につながります。交通事故による死者は世界全体で年間約125万人です。すべての車両がテスラ車と同等の安全性を持っていれば、毎年この内の90万人の命を救うことができます。テスラでは自動運転車は人間が運転する車の10倍安全になるだろうと考えています。
以前私たちが安全性に関する統計学的な情報を持ち出した際、たった今起こった悲劇に対する感情が欠けているのではないかと批判されました。それはあまりにも的外れな発言です。私たちはテスラを信頼して下さる皆さまを心から大切に思い、ありがたく思っています。一方でオートパイロットが安全性を向上するということを知っていれば救われるはずの、現在と未来の命についても考えなければなりません。
このような痛ましい事故が起こってしまったことと、大切な人を失ったご遺族とご友人の方々の悲しみを変えることはできません。改めてお悔やみを申し上げます。
出典:https://www.tesla.com/jp/blog/update-last-week%E2%80%99s-accident?redirect=no
ドライバーがなぜ回避行動をとらなかったのかは不明ですが、自動運転は下表のようにSAEレベル1~5に定義され、現在レベル3が可能なのは道交法が改正されて可能となったドイツのみです。(アウディA8が条件付きレベル3、 関連記事:ハイテクの塊アウディA8 レベル3の自動運転)
テスラも認可されているのはレベル2ですので、運転の責任はドライバーにあります。
自動運転レベル2(部分的な運転自動化)
アダプティブクルーズコントロール(ACC)機能がより進化した部分的な自動運転化で、ハンドル操作とスピード調整など、複数の運転を車両が支援します。ただし、運転の責任はドライバーにあるので、走行の際には常に周囲の状況を確認する必要があります。
しかしなぜテスラは障壁に向って行ったのか?
ABC7NEWSによりますと、死亡したアップル社のエンジニアで前EA(Expert Advisor)programmer のWalter Huang氏はオートパイロットの問題をディーラーに訴えていて、同じバリアに7~10回向かって行ったことがあるそうです。
ABC7 I-Team は現場の検証をして、舗装の継ぎ目?と2本の白線が問題の可能性ありと指摘しています。
向って左側が一般のレーン、右側が特定車両の実が通行できるCarpool Lane ですが、その間の舗装を車線と認識したのでしょうか?
この写真では緩衝用の Attenuator barrier は正常ですが、事故時はこのバリアは完全に潰れていました。酔っ払い運転のプリウスが70MPH(112km/h)で衝突したためだそうです。
Tesla says Autopilot was on during deadly Bay Area crash
以下一部引用
アスファルトとコンクリートと2本の白線の間のbreak?(意味分かりません)を指摘して、「舗装のラインが問題の可能性があります。」と言った。
The Autopilot guided Huang's SUV right into the barrier.
"I mean, you have to think like a computer, right? A computer doesn't know. It has no logic, so if it sees a line, it might think that's a lane," Price added.
(コンピューターには) ロジックがないため、ラインが見えれば、それをレーンだと思うかもしれません」とPriceは付け加えました。
Tesla emphasized this crash was so severe because the safety barrier "had been crushed in a prior accident." Google Maps showed the barrier in a more upright position. It was in a collapsed condition the day before Walter Huang hit it.
That happened, as Dan Noyes reported this week, because an alleged drunk driver in a Prius hit the smart cushion at 70 miles an hour -- he walked away with minor injuries.
最後に次の動画もご覧ください。
Attenuator barrier に衝突する実験も映されています。