仮想発電所と欧州の系統連携・・・日本は周回遅れ | 夢老い人の呟き

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仮想発電所の説明の説明の前にNHKクローズアップ現代「なぜ今中国で加速?再エネシフト」の13分50秒から19分45秒をご覧ください・・・・なぜ日本の事業者が撤退するのか理由が分かります。
次に少し前に戻って11分50秒からをご覧ください・・・・日本の事業者が撤退した土地と事業権を指揮力がある中国企業が安く手に入れることが分かります。
そしてその結果はこの日経新聞のニュースのようになります。
メガソーラー、外資が席巻 初の売電入札で安値連発

※ カナディアン・ソーラー はオーナーも生産拠点も中国の、実質中国企業です。

 

外資=中国と言っても良いと思いますが、これでエネルギー安保は守れるのか?

国土は守れるのか?

国の安全保障は大丈夫か?

核兵器や南シナ海がどうのこうのという前に、国内をもっと見た方が良いと思います。

 

 


■仮想発電所
日本が「原発が無いと電力が足りなくなる」、「原発はベース電源として絶対必要」、「送電線の空き容量が無い」と10年一日の如くいってる間に、欧米は日本を周回遅れにして仮想発電所をすでに事業化しています。

実は仮想発電所はそんなに新しいものではなく、 2014/2/5 の日経新聞にすでに紹介されています。

欧州で成長する「仮想発電所」 電力自由化時代の調整役

 電力市場の自由化が進む欧州で、「バーチャルパワープラント」(VPP:Virtual Power Plant)」と呼ばれるビジネスモデルが成長している。

 

 複数の小規模な自家発電設備や電力の需要抑制を統合することによって、あたかも1つの発電所のように制御することから「仮想発電所」とも呼ばれる。電力市場の自由化に向けて取り組みを進めている国内の電力ビジネスにとって、今後を考える上で参考になりそうだ。

 

 バーチャルパワープラントビジネスを手掛けるベンチャー企業の一つが、ドイツ・ケルンに本社を置くNEXT KRAFTWERKEである。欧州最大の研究機関であるフラウンホーファー研究所に所属する研究者がスピンアウトして、2009年に設立された企業だ。同社CEOのJochen Schwill氏によると、売り上げは2013年に1億ユーロ(1ユーロは約140円)に達し、収益も黒字化する見通しという。2014年には売り上げは倍増し、ベンチャーキャピタルから5億ユーロの資金を調達できるとしている。

 

■再生エネ率向上へあの手この手

 同氏によると、ドイツでバーチャルパワープラントビジネスが成長してきた背景には、欧州の電力市場が「垂直統合型」から「構造分離型(発電、送電、配電、小売りを分担する形態)」に転換され、誰でも発電事業に参入できるようになったこと、さらに再生可能エネルギーが総発電量に占める割合が上がってきたことがある。ドイツでは2012年に総発電量のうち再生可能エネルギーの比率が22%に達し、これを2020 年に35%、2030年に50%にまで上げる考えだ。

 

以下省略

 


南オーストラリア州は7日までに、米テスラと協力して世界最大級の「仮想発電所」を構築する計画を発表しました。

 

■南オーストラリア州の仮想発電所計画

 

南オースとラリア州政府は州内の住宅の少なくとも5万戸に太陽光発電システムとテスラ製の家庭用蓄電システムなどを無償で提供 します

設置費用は発電した電気を売る収入分でまかなうことができるため、支払う必要がないそうで、事業は4年計画。

第一段階の1100戸から段階的に増やし、4年後に50000戸とします。

 

日中ソーラーで発電し、蓄電池に蓄える。

余った電力は売電する。

 

夜間は蓄電池の電力を使用する。

 

各世帯の太陽光パネル蓄電池のデータを常時監視して、安定した電力供給を図る

 

 

設置するシステムは、発電能力5kWのソーラー発電システム、容量5kW/13.5kWhの「Tesla Powerwall 2」バッテリシステム、そしてスマートメータで構成されます。

予定通りに設置すれば総発電容量250MW/650MWhの「世界最大の仮想発電所」 が誕生します。

これは約7万5000戸分の電力に相当し、南オーストラリア州で消費される1日の電力の約20%を賄えるそうで、 各世帯の太陽光パネルと蓄電池のデータを常時監視して、安定した電力供給を図ります。

以上出典;世界最大の「仮想発電所」構築へ、米テスラが協力 豪南部

       太陽光パネルとテスラ製バッテリを5万戸に無償設置--豪で世界最大の仮想発電所

 

 

■欧州の系統連携

 

ヨーロッパは系統連携で異なる電力系統間電力のやり取り(売買)を行い、国境を超えて電力を融通しあっています。

例えば原発比率の多いフランスは夜間余る電力をスイスなどに輸出し、スイスは安く輸入した電力でダムに揚水し、日中の水力発電に利用します。

また日中電力が足りない時間帯はドイツから輸入するなど、国内だけでなく欧州全体で発電変動、負荷変動を吸収しています。

 

欧州の電力系統は下図のように連係していますが、図で隣り合ったどうしだけでなく、例えばフランス(FR)からドイツ(DE)を経由してスイス(CH)に送られるなど、ネットワークとなっています。

「関東と関西では周波数が違うから連係出来ない」などと思い込んでいる日本人はいかに時代遅れの民族か・・・・・・・。

出典:国際連系に関する調査・研究 - 経済産業省 P17

国名コードは国名コード / Country codes 国番号(国際電話番号)/ Country calling codesをご参照

 

 

■デンマークの風力発電・・・系統連携で再エネの発電変動を吸収する欧州

 

欧州で最も再エネ比率が高いのはデンマークだと思いますが、 2016年12月1日、デンマークの風力発電の発電量2時30分頃から5時30分頃の間、国内の消費電力を上回り,最高111%を記録 しています。

ではどうやって国内消費を超えた電力、不安定な風力の発電量の変動を吸収しているかというと欧州の電力連系網との間で輸出入し調整しています。

 

出典: 神話を破壊、111%の電力生むデンマークの風力

 

 

下図はデンマークのノルウェー、スウェーデン、ドイツとの間の電力輸出入のグラフですが、時間帯によって輸出したり輸入したりしています。

出典: 神話を破壊、111%の電力生むデンマークの風力

 

 

こうやって見ると日本は先進国どころが周回遅れの感がしませんか?
そして一番の問題は国民の多くがそういうことを知らず、日本はトップランナーだと思い込んでいる事ではないでしょうか?