昨日は肝心のES8を紹介出来ませんでしたので、改めて紹介させていただきます。
【概略】
ES8はホイールベース3010㎜車重2460㎏、アルミボディの2モーター4WD、出力 480kW (約640馬力)で0–100km/h加速 4.4秒の俊足の大型SUVです。
バッテリー容量は70kWhで1回の充電で約500キロの走行が可能とのこと(但し、「EVの航続距離 日米の違い 400㎞ vs 240km」に書きましたが、日本の基準では走行距離400㎞の日産リーフはアメリカの基準では240㎞となるように、計測方法の基準により走行距離は大きく異なります)。
自動緊急ブレーキ/レーンキープアシスト/トラフィックジャムアシスト/パーキングアシストなどかなり進歩したAdvanced Driver Asistance System、車高調整できるアクティブエアサス、空調その他を音声で操作できる人工知能NOMIなど装備と、「テスラモデルX」や「BMW X5」と真っ向勝負できる内容です。
しかし価格は「テスラモデルX」の83万6000元、「BMW X5」の59万6300元に対して44万8000元(約760万円)とかなり割安になっています。
【バッテリー交換及び交換ステーション】
上に書いたようにバッテリー容量は70kWhで、リチウムイオンバッテリーのタイプなどの詳細は分りませんが、100㎞走行分バッテリーを充電するのに10分だそうです。
しかしバッテリーパックは3分以内で充電済みのものと交換でき、これはテスラよりも進んでいます。
バッテリー交換については2020年までに中国でバッテリー交換ステーション1100カ所以上を整備し、「パワー・モバイル」サービス車1200台余りを保有する計画です。(バッテリー交換ステーションは移動可能のようで、1日以内に組み立てることが出来る。)
さらに、ロードサービスなど他の無料サービスも提供する方針だとのこと。
バッテリーはテスラ同様床下にバッテリーパックが取り付けられており、次の動画のように全自動で3分以内で交換できます。
【アルミボディ】
世界で最もアルミ使用比率が多いと書かれていますが、その材質はなんと7000シリーズ。
7000シリーズというとジュラルミンの中でも最も固く強度が高い材質です。
熱処理にもよりますが、固く加工性が悪く、航空機でも主翼の上面など特に強度が要求される、主に曲げや圧縮応力がかかる部位にしか使用されません。
身近な使用例としてはiPhone6がポケットに入れておくと曲がってしまうと批判され、 iPhone6Sから材質を7000シリーズに変更しましたが、 「筐体には、航空宇宙産業で使われているものと同じグレードである7000シリーズアルミニウムの新しいアロイを採用しています」 という謳い文句を覚えておいででしょうか?
アルミボディの説明については次の動画をご覧下さい。
【運転支援システムAdvanced Driver Asistance System】
自動緊急ブレーキ、レーンキープアシスト、トラフィックジャムアシスト、パーキングアシストなど自動運転に近い
運転支援システムを備え、センサーはレーダー5台、超音波センサー12台、そしてTRIFOCAL CAMERAを装備しています。
TRIFOCAL CAMERAはあまり聞きなれないと思いますが、下の写真(ボルボの自動運転用)のように3つのカメラが一体になっています。多分、遠・中・近の3焦点のカメラだと思いますが、という事は相当高速走行に対応した運転支援システムだと思います。
【人工知能NOMI】
車もコネクテッドカー、人工知能の時代になってきましたが、人工知能NOMIを装備しています。
中国は今、驚きの「速攻開発」で雨後の竹の子のようにスマートスピーカーの新機種が誕生しているそうですが、NOMIはスマートスピーカーにカメラを組み合わせたような感じで、音声で 車内温度調整からドライバーとのコミュニケーション、写真撮影などいろいろなものをコントロールします。
正直ここまで進歩しているとは思いませんでした。
ショーモデルならともかく、これが市販車となるとテスラや日本のメーカーにとっても相当厳しい戦いになると思います。
最後にフォーミュラEの動画をご覧下さい。