■三菱MRJ またまた延期
国産旅客機復活の期待を担う三菱MRJ。
最初2013年度に初号機納入予定だったが、その後2014年度、2015年度と延び、さらに2017年第二四半期とされたが、またそこから1年程度延び、現在のところ2018年度となっている。
最初予定されていたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic炭素繊維強化プラスチック)製主翼はアルミ合金に変更されたが、それでも予定通りに納入されていれば、競合機に大きなアドバンテージとなる先進技術が導入されている。
大きなアドバンテージになるはずだったGeared Turbofan Engine
特にプラット・アンド・ホイットニー社製<<ギアード・ターボファン・エンジン>>は従来のエンジンに比べて、15%燃費が良く、75%騒音が少ない。
ターボファンエンジンはファンを大きくして、バイパスレシオを大きくした方が効率が良く騒音も小さくなる。
しかし、あまりコンプレッサーとタービンに対してファンを大きくすると、ファンブレードの先端速度が音速を超え造波抵抗が増え効率が落ちてしまう。
そこでギアード・ターボファン・エンジンは、減速機を介してファンの回転速度を落とすことにより、ファンブレード先端速度が音速を超えないように抑える。その結果従来エンジンよりも効率が良く騒音が小さい。
ところが納入が2018年になると、競合機の<<ボンバルディア Cシリーズ>>と<<エンブラエルE2>>も納入される。
この両機ともプラット・アンド・ホイットニー社製ギアード・ターボファン・エンジンが使用され、エンジンによるアドバンテージは無くなり、競争は厳しいものとなる。
ボンバルディアCシリーズ
エンブラエルE2
現在3社による受注競争が繰り広げられているが、先月デルタ航空がボンバルディアCシリーズを125機と大量発注する事が発表された。
日本航空、全日空ともにMRJ導入を決め後押しするが、熾烈なシェア争い、果たしてどうなるだろうか?