やはり原発は国家事業・・・・東芝巨額の損失 | 夢老い人の呟き

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■原発はもはや商業的には成り立たない。

2013/10/10付け日本経済新聞「米製造業、復活は本物 GEイメルトCEOが断言(真相深層)」の中で、GEイメルト会長は日経記者に対し次のように語っている。

(記者)

――GEが原子炉を設計した東京電力福島第1原子力発電所の事故後、原子力ビジネスには逆風が吹いている。

 

(イメルト)
 「私に言わせれば、いまの原子力は『国家事業』だ。つまり、商業的には成り立たないということ。ただ、我々は原子力事業を維持し、将来への投資も続ける。将来、大きな役割を担わないとは言い切れないからだ


記事全文はこちらからお読み下さい。

米製造業、復活は本物 GEイメルトCEOが断言(真相深層)

 

 

新しい原発ほど発電コストが高くなる皮肉な事実
米欧の原発は新しいものほど安全のための付加物が増え建設費が増大している。米国でほぼ同程度の規模の原発を比べると、1970年代初めは1億7000万ドル、約10年後の1983年になると10倍の17億ドルに。そしてその約5年後には更に3倍の50億ドル
さらに計画中の第3世代+原子炉になると100億ドルになる。
原子炉が新しいほど建設費が増え、従って発電コストが高くなる。
欧州EPRも建設費が増大し、発電コストは風力発電に敵わない。

 

 

■そして東芝の不正会計も原子力事業が原因となっている。


以下引用

2006年、東芝は米ウェスチングハウスを買収する。
買収額は4900億円。
※日経ビジネスによると5400億円、のちに6600億円に増加


だが、この買収は、当時から「高値づかみ」の見方が強かった。米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製作所の連合や、三菱重工と競合し、当初言われていた金額の2倍ほどに買収額が膨らんだからだ。

東芝は、ウェスチングハウスの「のれん」を4000億円前後資産として計上している。これは、買収時の収益想定のもとで、東芝と監査法人が協議して決めたものだ。

 「のれん」とは何か?
企業を買収する場合、相手のその時点の価値より高い買収額になることが多い。買収元の企業は、買収した相手の価値を資産として計上するが、その時点の価値だけを資産計上すると、買収額との差額が中ぶらりんになる。

 この差額を資産として認めないと、企業が価格を上積みして買収をした時に、損失を計上しなければならなくなる。そうなれば企業買収をしにくくなる。このため、この中ぶらりんの差額を「のれん」と名付けて、資産計上を認めているのだ。

引用終了


 

2004年8月9日の3号機水蒸気噴出事故で、死亡者5名、重傷者6名の犠牲者が出た美浜原発1号機ウェスチングハウス製
※主契約は1号機はWH、三菱原子力工業、2号機は三菱原子力工業、3号機は三菱商事。

※事故の概要と原因は⇒ こちら・・・・・・・・
 



■そしてウェスチングハウスは東芝の説明とは異なり、1600億円の減損処理をしていた。
スクープ 東芝、米原発赤字も隠蔽” 日経ビジネス
2015年11月12日
内部資料で判明した米ウエスチングハウスの巨額減損

以下引用
WHは原発の新規建設が不調だったことなどを受け、単体決算で2012年度に9億2600万ドル(約1110億円)、2013年度に約4億ドル(約480 億円)を減損処理した。資産価格を大幅に切り下げたことが損失となり、2012年度と2013年度はWH単体で赤字に転落している。

不正会計が発覚した今年4月以降、東芝は社内の特別調査委員会に続いて、弁護士など社外専門家による第三者委員会でも調べを続けてきた。その結果、7年間で2248億円の利益水増しを認め、過年度の決算を訂正した。

東芝における原子力事業は、2006年に約5400億円を投じてWHを買収した頃から大きく変容する(後に出資額は計6600億円に増加)。買収当時の社 長の西田厚聰や副社長の佐々木則夫は、2015年度までに30基以上の原発新設を受注し、原子力事業の売上高を1兆円規模に伸ばすと公言していた。

本誌(日経ビジネス)が入手した内部資料は、WHの実情が東芝の説明と乖離していたことを示している。経営不振を続けるWHの処理に苦慮した経営陣が、 様々な手法を駆使して本体への飛び火を防いできた姿が、克明に記されている。仮に東芝本体が抱えるWHののれんの減損につながれば、「配当の財源がなくな る」(内部資料から)などの可能性があるからだ。
引用終了

 

 

原発は商業的には成り立たなくなった。
米電力会社 三菱重工に9300億円損害賠償請求に書いたように、安全で低コストの発電という位置づけとは裏腹に、実際には高コスト高リスクの原発。
英国の原子力発電所を中国が作ると話題になったが、当然の結果かも知れない。