新しい彼と交際し始めた直後、彼は前の彼女と別れていない事が発覚した。
そしてその彼女のお腹には彼の子供がいた。
私は彼との関係を続けられないと言ったが、彼は私の事が好きだから彼女とは別れるとと言った。
嬉しかったけれど、納得出来なかった。
彼の彼女と子供はどうなるんだろう。納得するだろうか…。
彼は金を作る為に車の窃盗をしていた。
そして彼は束縛がひどく激しかった為、私は店には行けずほとんど常に彼と行動を共にした。
私も窃盗をやむ負えず手伝わされた。
GTR・STI・RX8・WRX・スープラ等のスポーツカーを盗み、それを別の遠い街のとある場所まで運び、外人に売る。
それはエンジンだけが目的らしい。
車体は最後にはプレスしてしまう。
彼が盗んだ車を運転して、私は帰りの為の別の盗難車を運転しなければならなかった。
一晩で何台も盗んだ時には勿論私もそれを運転して運ぶ。
私は嫌だと言ったが、
「じゃぁ、お前身体売る以外、一体何が出来るの?でもそれは俺が許さない。何も出来ないでしょ?だったら生きてく為に手伝うしかねぇんだよ!」
と彼は言った。
その作業は常に緊張状態だった。
高速道路で覆面パトカーに追いかけられたりする毎日だった。
私の神経は益々擦り減って行った。
3ヶ月ほど経ち、彼は依然と彼女と別れられないでいる。どのような状況なのか私にはわからないけれど、やっぱりこんな形は良くないと、私は何度も別れようと言った。
次第に彼は苛立ち、
「別れねぇってんだよ!」と暴力を振るうようになった。
常に私の身体や顔には痣が残った。それでもまた、私は別れようと言ったある日、彼の苛立ちは頂点に達し、
「俺は別れたくねぇんだよ!」
と、逃げようとする私の右手の人差し指をねじり折った。
私の人差し指は隣の中指に絡まってあり得ないほどねじり曲がっていた。
「はぁ?この指何⁈どうすんのよ!」
と私はパニックに陥った。
彼も顔色が真っ青になった。
ポン中が病院にかかるのは難しい。
医者に覚醒剤をやっていると気づかれる、あるいは血液検査などで発覚すると普通の病院の医者は通報する義務がある。
更に第三者行為となると尚更通報される。保険も効かない。
でも、一刻も早く病院に行かなければ私の人差し指は生涯中指にねじり絡まったままだった。
私達は無理矢理これは事故だと言いう訳を創り、病院へ行った。
すでに夜遅かった為、レントゲンなどは撮れなかったけれど、私の指が複雑骨折しているは一目瞭然だった。
添え木を添えられて、また明日の朝一で入院&手術の準備をしてきて下さいと言われた。
手術の為の血液検査を恐れた私は、病院へ行かずに1週間ほど覚醒剤を抜く事にした。
それから手術を受けようと。
1週間後、違う病院へ行き全身麻酔をし手術を受けた。
昼に終わった手術が、私が目を覚ましたのは夜だった。
それは私は強い麻酔を使ったからだった。
以前、私は19歳の時に心臓の手術を受けた。
本来なら自然と消える事も多いWPW症候群の源が、薬物摂取の為に物凄いスピードで悪性のものとなってしまった。
少しジャンプしただけで急に心臓がぐぅ~っと苦しくなり、脈拍が200回を超え不整脈が起こった。
もう手術せざるを得なかった。
心臓の腫瘍を焼く手術の最中、全身麻酔をしていたのにも関わらず私は目を覚ましてしまった。
2回も。
それは丁度、心臓の腫瘍に電気を通して焼いている時に運悪く目覚めてしまった為、何とも言えない苦しさだった。
もう本当に死ぬと思った。
薬物常用のせいで私の身体は普通の麻酔が効きづらくなっていた。
医者は驚き、
「ちょーっと今苦しいねー‼︎がんばってねー‼︎すぐ楽になるからねー‼︎」
と言い、看護師が慌てて追加の麻酔を打った。
その後21歳の時、子宮頸がんの手術をした。
もう2度と前のような経験をしたくなかったので、私は念入りに麻酔科にもかかり、強い全身麻酔を使って手術をしてもらった。
指の手術が終わり、激痛と共に泣きながら目が覚めた。
指には沢山の繊細な神経が通っている為に、心臓や子宮等の内蔵の手術以上に痛みが激しかった。
彼はごめんよごめんよ、もう2度としないからと言って側にいた。