彼氏と別れた2ヶ月後、私はある売人とネットで知り合い付き合い始めた。
彼は私の以前付き合っていた若頭の舎弟の地元の後輩だと言うことを後で知った。
覚醒剤の世界で知り合いと繋がることはとても簡単だった。
彼氏は主に女性を利用し覚醒剤を手に入れ売買していた。
私のようなポン中(ポンプの覚醒剤中毒)で売女な女に金を作らせる。
交際して日が経つにつれ、自分が利用されている事に何となく気がついた。
前の彼女とダラダラ縁が切れないのも、金と覚醒剤の都合のせいだろう。
「元カノと別れる為に話し合ってくる」
と言って出掛けると、必ず携帯の電源を切り次の日まで連絡が取れなかった。
とある日、会う束縛をしていたので彼氏の実家へ行くとまた携帯の電源が入っていない。
部屋には豆電球が灯っている。
寝ているのかな、どうしようかな、と考えていたら、彼氏の先輩で私の元彼の舎弟の人が丁度車で通りかかった。
「あれ?△△ちゃん何してるの⁈」
私はいきさつを話した。
「あ、じゃあ俺ヤツの親に聞いてあげるよ。」
と言って、彼氏の家のピンポンを鳴らした。
彼氏のお母さんが出てきた。
彼は出掛けて家にいないという。
途方にくれた私はとりあえず一発覚醒剤を打ちたかった。
若頭とは自然消滅しているような感じだったけれど、私はまだ関係があった。
絶対にご法度だったけれど、すみません、今、品物持ってる?と私は我慢出来ずに舎弟の彼に尋ねた。
「うん。あるよ。ていうか、△△ちゃん、カシラから何か聞いてる?その様子だと、まだ知らないかな。
実は俺さ、何日か前にカシラんとこから飛んだ(バックれた)んだよ…だから俺の事を誰にも言わないで欲しい。」
私はとても驚いた。
彼は舎弟の中でも一番舎弟だったから。
私は了解して彼の車に乗り込んだ。
場所を移して車の中で品物を頂いてその場で打った。
もうその舎弟の彼とも5年の付き合いだったけれど、若頭の前で私達がたくさん話す事はあり得なかった。
しかし若頭のいない今、お互いにダムが決壊したかのように車の中で喋りまくった。
3時間ほど経った時、彼氏から電話がきた。
どこに行っていたの?と尋ねると、彼は実家で寝ていたと言う。
とりあえず舎弟の彼に、彼氏の家まで送ってもらった。
「お前嘘つくなよ。俺さっきピンポン押してお前の母親に聞いたら出掛けてるって言ってたぞ。」
と舎弟の彼が言った。
「いや、俺マジで寝てました。多分おふくろ勘違いしたんですよ。ご迷惑お掛けしてすみません。」
と彼氏が言った。
「ふーん。まぁ、△△ちゃん、また何かあったら連絡してきなね。でも、俺の事は誰にも言わないでくれな。」
と言って彼は帰って行った。
以前から私は少しだけ舎弟の彼の事が気になっていた。
でも若頭の手前、そんな事はおくびにも出さない、出せなかった。
数日後、彼氏の家でぐうたらしていると彼氏の携帯に舎弟の彼から電話がきた。
今からお前の家に行ってもいいか?という事だった。
数十分後に現れた彼は、覚醒剤を沢山持ってきた。
「いいのが入ったからよ、分けてやるよ」
と言って沢山くれた。
その後もちょくちょく遊びに来るようになった。
私は彼に会えるのが嬉しかった。
相変わらず嘘ばかりつく彼氏に呆れ疲れ果てていた私の心は、ほとんど舎弟の彼にあった。
思い切って、彼に2人で遊ぼうと連絡してみた。
2人でホテルへ行き、事が終えた。
彼はお土産に覚醒剤を沢山くれた。
そして彼は私と付き合いたと言った。
勿論OKだった。
その後すぐに、彼氏は私と彼の関係に気づき私を引き止めた。
でも私は無理だった。
私は彼の事が好きだった。
少しづつ会わずに少しづつ無理やり別れた。
舎弟の彼との交際が始まった。
と同時に地獄の始まりだった。