来日したゲーツ米国国防長官が北沢防衛相に対して、移設計画の早期履行を求め、
「代替施設なしでは在日沖縄米海兵隊のグァム移転はない」
「キャンプ・シュワブ沿岸部への移設が唯一の道だ」
と、日本側の計画見直しの動きを牽制しました。
雇われていた用心棒の方が、「帰って欲しかったら、旅費と帰国先の滞在費用とついでに宿舎建設費用もよこせ」
と言い放題なんですから、横着な主張です。
一方で、那覇市の翁長市長は、21日の記者会見で、
「民主党が不退転の決意で県外移設をやるなら期待し、応援したい。政府がぶれずに県外と決断すれば、知事も名護市長も必ず従う」と表明し、政府に対応を促しています。
翁長市長は、自民党県連幹事長も務めていた保守派ですが、
11月に宜野湾市で開催される予定の県内移設反対集会の共同代表を務める人物でもあります。
同市長が言い添えた次の話は、沖縄が抱えているジレンマを適切に表現しています。
「名護市民は過去の市民投票や市長選で、家族が憎み合う状況を経験した。
二度と市民に踏み絵を踏ませてはいけない」
これまで、日米軍事同盟は強化されていると世論は考えていますが、
実際には、強化されていないどころか、空洞化しているとも言われています。
戦後ずっと日本に駐留し、在日米軍司令部として機能していた第5空軍の拠点は2004年に横田基地からグァム島に移転されています。
2012年には米韓連合司令部が廃止される予定であり、米国が朝鮮半島から実質的に撤収するということです。
米国は、北朝鮮関係の緊張緩和に苦心しているし、
中国は日本に代わってアジアにおける米国にとっての強力なパートナーともなっています。
東アジア地域では、戦争の危機は他の地域と比較して格段に小さいものとなりました。
ですから、米軍の「グァム移転」は日本や沖縄にとって「渡りに船」だったのではなく、米国にとって「渡りに船」だったとも言われています。
沖縄における米軍基地問題は、中々解決することが出来ない国家的な課題です。
「理」と「情」が複雑に絡み合い、縺れることがあっても解けることはありません~
そこに「政」が強力なリーダーシップで決断をするべきなのですが、
米国側の「理」に翻弄されて「情」に偏った「政」になるから~
我が国の国家戦略は「迷走」していると言われるのです。
「国家もメディアも民衆の水準も低い」とまで酷評されているのです。
来年1月の名護市長選の結果を踏まえて判断する、と結論を先延ばししている我が国首相の「理念」が問われています。
(参考資料)
・田中宇「国際ニュース解説」記事
・西山太吉元毎日新聞記者インタビュー記事