大人の文化祭 | お茶どうぞ(仮)

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映画はSFホラー系を好む


コメント歓迎

2022年のGWは開催が延期となっていた
こちらのイベントへ行ってきた



ギタリスト、コンポーザー
フォトグラファーと
肩書きがどんどん増えつつある
「斉田和典」氏が主役のイベントが
ついに開催された


この日のセットリストは
ゲストの兼ね合いもあってか
現在の活動における二本柱である
「ZILCONIA」「大山まき」の
オリジナル楽曲が約半数
残りを洋楽のカバーによる
セッションが多くを占めた


それにしても改めてセトリを
眺めているとセクションごとに
上手くブロック分けされていて
よく考えられていたなという印象

ざっくり分類すると
「洋楽セッション・ブロック」
「ZILCONIA・ブロック」
「しっとり(ルーツ音楽)・ブロック」
「大山まき・ブロック」
といった感じである


特に最初の洋楽セッションは
意図していたのかどうかは不明ながら
曲順が意味深(詳細は後述)


それでは毎度お馴染みで
遅くなりましたがライブレポ開始




ライブの口火を切ったのは90年代初頭
当時の世界を席巻していたHR/HMブームに
終止符を打ちそれまでシーンを牽引していた
若手やベテランバンド達が築き上げてきた
ロックの世界地図を一夜にして塗りかえ
数多のスター達をあっという間に
オールドスクールの座にまで追いやった
NIRVANAの曲でSHOWは始まった

このNIRVANAを筆頭とするシアトル勢
によって隆盛を極めたムーヴメント以降
今やクラシックロックと呼ばれる
ようになったジャンルが
メインストリームに浮上する事は
無くなってしまう訳だが
そのあたりの歴史的背景を鑑みると
それを受けての次曲がLenny kravitzの
「Rock And Roll Is Dead」とは
タイトル的に皮肉が効いてる


続いては「Back In Black」
かつて成功への階段を確実に登り始め
間違いなくロックアイコンの一人だった
ボン・スコットの突然な死は
AC/DCに苛烈な試練を与えたが
結果的に「再出発」が裏テーマとも言える
歴史的スタンダードを生み出し
バンドは劇的な復活を成し遂げた


続いては以前にASTERISMが
大山まきをゲストにドロップした
Rage Against The Machineの楽曲を
久しぶりに演奏すると続けざま

「リハーサルはなし!ぶっつけ本番!」

というゲストプレイヤーとは思えない
扱われ方の旧友Mickを招き入れ
復活というキーワードに呼応させたのか
80年代後半より再ブレイクを果たした
エアロスミス「Eat The Rich」を炸裂させる


Mick「俺だけリハないーっ!」
と言いながらも痺れる仕上がりだった



そしてセッションブロックの最後は
KISSの「Rock And Roll All Nite」という
問答無用のパーティーロックで終了






ここでMCを挟んでもう1人のゲスト
ZILCONIAのVoである今津直幸が登場
このイベントは時短要請の煽りを受けて
開催延期となった経緯がある訳だが
結果的にそれがゲストギタリストでの
起用という驚きの発表へ
結び付いたのだろうか

さてさてVoは大山まき
最初に奏でられたのはやはり
ZILCONIAのナンバーで「CANVAS」
過去にも彼女がこの歌をステージで
披露した事はあったが今回はまさかの
オリジナルシンガーにバッキングGtと
コーラスを務めてもらうという
豪華で味わい深いバージョンとなった



続いて訪れたのはある意味
本日のハイライト!
ZILCONIAの「ひだまりの下」を
斉田和典が弾き語りで披露という
まさに生誕祭ならではのサプライズ
後半のVoは今津氏へバトンを渡したが
MC、選曲を含めとてもいい場面だったし
過去一でナチュラルな主役を見た気がする


このブロックのラストは「Compass」
正直ZILCONIAのステージは過去に
イベントで5、6回観た程度ながら
この曲はハッキリ耳に残っている
記事を書くにあたりMVをチェックしたが
生で体感した記憶と照らし合わせると
むしろライブバージョンの方がより
ブラッシュアップされているように感じ
かなり魅力的に仕上がっている

「Compass」



「藤田克洋」乱入






さてここから演奏されたのは
斉田和典と大山まき、それぞれの
ルーツを垣間見(せ)るような選曲だった

まずは斉田和典セレクトと思われる
「Still Got The Blues」

・・なのだがここで予想もしなかった
シークレットゲスト「重道じいちゃん」が
よろよろと登場してぷるぷるしながら
メロディアスなフレーズを奏で出し
アウトロで熱いソロを華麗にキメると
ふらふらとステージから去っていった…
面白すぎるw


指板はノールック!イカすぜ重道!

DJ社長の拡散もあってプチバズり中


次に披露されたのが
大山まきルーツのひとつと推察される
「If I Ain't Got You」
寡聞にして存じなかったけれども
アリシア・キーズの超有名曲だそう



この演目では大山まきというシンガーの
ポテンシャル、声の魅力が浮き彫りになる
白眉のパフォーマンスを披露し
その懐の広さが改めて白日の元に晒された
またシンプルなバンド編成で披露された
この曲は全員の演奏が素晴らしかった


ここ最近はメタル系シンガーとして
各種メディアでフォーカスされる事の多い
大山まきであるが管理人は
「メタルも歌う事が出来る」
シンガーだと理解している

そしてそれを証明するかのように次の
ギター&ベースバトルをフィーチャーした
Deep Purple「Space Truckin」では
その歌唱スタイルの振り幅を見せつける

過去に「Speed King」「Fire Ball」
「Highway Star」といったDP楽曲を
何度もステージで披露しているが
イアン・ギランの在籍していた二期からの
セレクトが多いのははやりシャウトを多用する
ギランのスタイルと相性がいいのだろう
確かにデビカバやグレンの三期曲
ましてロッド・エヴァンスの初期曲よりも
フィットしているのは間違いない




ここからは最後まで
右肩上がりのCLIMAX
まきオリジナル楽曲の
「Swing Out」
「Dinosaur」
「Satisfaction」
という3曲で観客を魅了
本編をまとめてみせた

いつもの事ながら
「Swing Out」のハネたリズムが持つ
推進力はいつ聴いても素晴らしい
じっとしていられない




encore

アンコールではエレキを抱えた今津直幸が
再びギタリストとして登場した
放たれたのは
今や紛れもない代表曲
「Monster」

ここ最近はライブ終盤や
締めで演奏される事も多く
フロアを確実に爆発させる鉄板曲だが
この位置での投入は演者と観客
双方共に体力勝負の覚悟が必要となる
バンドはギアをさらに一段あげて演奏を開始
盛り上がりは最高潮になり
バトル⚔️さながらの様相を呈しだす

しゃくりあげ煽り続けるまき
Bメロの裏でドライブしまくる佐野
限界を超えてハードヒットする直樹
わずかに口角を上げるKAZ
笑顔と突き上げられた多くの拳


「あぁなんて幸せな光景なんだ」

「Ken 心のライブレポート」
大山まき編 第三章 
〜青天の霹靂 COVID-19〜 より一部抜粋



そしてラストはX JAPAN
「紅」
これでこの日のセットは終了となった
(直さんギター達者やわ。ソロハモってた)



まとめ


この日はバースデーイベントという事で
終始笑みの絶えないライブとなった

とはいうものの遊びに真面目という
精神からなのか演奏は至って安定
中でも特筆すべきはドラムの中山直樹
全体を通じてかなり良かった。MVP👍
KAZぽんはこの日の主役だというのに
あくまでゲストを立てる振る舞いが目立ち
性格の一端が少し見えたような気がした


佐野さんや直さんMickにまきちゃん
カツオさんからSTAFFに至るまで
雰囲気の良い最高の空間とライブだった
お祝いに駆け付けることが出来て良かったし
ぜひ二回目の開催を望む



物販スペースに展示された「銀の盾」

祝い方の方向性が特殊なファン達

特殊過ぎるファン?





以下妄想
(ブログ管理人の独り言)


さてここで冒頭にて書いた
意味深と書いたセトリについて
少し述べてみる


既に上記のライブレポで述べている
各種エピソードを念頭に読み進めて頂ければ
助かるがAC/DCボーカリスト交代劇と復活
エアロスミスにおけるジョー・ペリー復帰と
9thアルバム成功と再ブレイク
また少し範囲を広げてこの日全体の
セットリストにまで目を配れば
ZILCONIAの「Compass」「CANVAS」
あたりはそのタイトルや詩の内容まで
踏まえて眺めてみるとなるほどだし
ゴージャスなサウンドプロダクションへと
肥大化するシーンに一石を投じる事となり
Back To  The Rootsへ流れる決定打となった
ゲイリー・ムーア「Still Got The Blues」も
広義に解釈すれば、これらすべてが
「再生」
「復活」
を描いた物語(楽曲)とは言えまいか



ティーンエイジャーだった頃の斉田氏が
刺激や影響を受けたであろう音楽は
種々多様な活動履歴の中でアウトプットが
なされているように受け取れるけれど
やはりその主軸はロックにあると言っても
差し支えはないであろう

このイベントを大人の文化祭と呼ぶ
斉田(元少年)氏はHR/HMのブームや
グランジ、オルタナ勢出現とブーム終焉
そしてブルース・ロックへの回帰という
当時の大まかなシーンの流れを
リアルタイムで目の当たりに
(既に違う方向を向いてた可能性も有るが)
していた世代と思われる

今回セトリを組むにあたり
当時耳にしたりコピーした曲を
付き合いの長い仲間たちと共に
取り上げようとしたのだとすると…



クラシック ロック
その栄枯盛衰を知る者として

セッションブロックは
洋楽をテーマに過去

キーワード
「死と再生」

紆余曲折を経てステージに戻ってきた
ZILCONIAブロックは現在進行形

キーワード
「道標」

しっとりブロックは
ルーツを紐解く過去ステージ

キーワード
「温故知新」

大山まきブロックは
現在進行形ステージ

キーワード
「未来」
  


つまり


           過去〜洋楽セッション
  現在〜ZILCONIA
           過去~しっとりルーツ
現在〜大山まき

過去曲と現在曲を
交互に挟み込んで
尚且つ裏テーマとして
昔好きだった
クラシックロックの楽曲と
栄枯盛衰をセットリストに
しれっと上手く忍ばせる

それを反映させた結果が
この日のセトリに
隠された秘密ではないか!
ドオォォン!

と、結論づけて
今回の考察を終えます
お目汚し失礼しました







あらためておめでとうございました
これからも益々の活躍を期待してます!
健康にはお気をつけください






そして告知
ツアー始まるよ