児童福祉施設内での打撲や捻挫は、頻繁にあります。イライラして机や壁を殴った蹴った、運動中に捻挫した、チック(トゥレット)で自室のベッドを蹴り続けた等々。基本的には傾聴・同意しながら冷湿布、かぶれ体質の人には保冷剤や塗布剤です。
内出血や腫脹が顕著で可動域に制限があったり、ADLに支障がある場合は当然受診します。夜間に支援員(スタッフ)さんからコールがあったときは、夜間対応の病院に緊急受診するよう要請し、必要に応じて病院に直行して病状を聞いて、施設に帰るまで同行します。
困るのは、視診で何の変化もなく、明らかにアピール的な時です(かまって欲しい・心配して欲しい・学校に行きたくない等)。足を捻挫した場合、内側に捻ると外側の腱が伸びて外踝が痛いはずなのですが、逆側(内側)が痛いと言う子も居ます。だからといって、詐病(仮病)を指摘して「噓なんじゃない?」と言うことはありません。
当施設に入職してから、『トラウマのメガネをかけて見る』ことが大事だと教わりました。子どもが噓をつくことは割と当たり前にあるので、『その言動のウラにあるものは何か』を重要視して支援することを求められています。このお話は長くなるので、<後日の議題>にします。
子どもなので、往々にして『成長痛』という場合もありますが、懸念されるのは骨肉腫の可能性が否めない場合もあるからです。児童によっては、暴言もあります。「お前に俺の痛さが分かるのか!?/責任取れるのか!?/受診させないなんて職員失格だ!/職員辞めろ!/これは虐待だからな!/koroすよ?」等々、暴言の種類は尽きることはありません。<後日の議題>
こちらとしては、病状を冷静に伝えながら「通報するならコチラにどうぞ」と相談窓口の電話番号を教える時もあります。施設内の公衆電話を無料で使えます。スマホを持っている児童もいます。興奮状態にあるため正論(痛みはすぐに消えないよ/湿布をしても1週間ぐらいかかるよ)を通しても、「すぐに(痛みを)なくせ!/痛いんだって!/湿布は効かないんだって!」と聞く耳を持てないので、時間ばかりが過ぎていきます。
無理な要求に応じてしまう事を『操作性に乗る』と言います。それは、「こう言えば要求が通る」という誤学習につながる場合があるので、『言動の一貫性』が求められます。児童の暴言に合わせたような(感情的な)暴言で言い返すことも出来ませんし、ましてや暴力で応じるのは、決して許されないことです。<後日の議題>
暴言の証拠を録音することは(プライバシー保護の観点から)良いのか悪いのか、施設内で議論中です。その目的は更生なのか、証拠なのか。議論の答えは延々と堂々巡りで結論は出ません。しかし、暴言を浴び続けて心が疲弊している職員は少なくないと思います。<後日の議題>
また、スタッフさんによっても、『(過剰診療になるから)経過観察で良い/(何もなかったとしても安心感として)病院に連れて行って欲しい』と、援助方針は2分化の傾向にあります。それは当然、児童個人の特性を判断した上での方針も加味されている場合があります。<後日の議題>
安心・安全・平等・公平性を理念としながら、特性に合わせた支援の悩みは尽きません。